緊急呼出待機手当とは

緊急呼出待機手当とは、主に病院に勤務している看護師向けの手当になります。別名にはオンコール手当、梗塞手当、待機手当、拘束呼出手当などがあります。

病院勤務、中でも緊急度の高い救命救急の部署、また病棟、外来に勤務していると、事故で患者さんが運び込まれてきたり、病棟に入院している患者さんの容体が悪化したり、具合の悪くなった患者さんが外来を受診したりと、シフト外、予定外の出勤を必要とします。

こうした事態に備えて、その日シフトで出勤している看護師に加えて、非番で自宅にいる看護師も急な呼び出しがあるとし、待機させておくことへの手当が緊急待機呼出手当になります。つまり自宅にいるのであっても病院の指揮下にあることで、拘束時間に相当するとし、手当を支給します。

この緊急呼出待機の時、看護師は自宅で待機命令が出されており、上記のような事態が起きればすぐに出勤できる準備を整えておく必要があります。労働基準法において、労働時間とは職場側の指揮命令下に置かれている時間と定められており、例え職場におらず自宅に待機している間も立派に労働時間に入ります。

仕事から完全に解放されていないため、待機している間を労働時間と考えて、待機時間へ支給するのが緊急呼出待機手当なのです。

緊急呼出待機手当はどうしたらもらえるの?

緊急呼出待機手当の対象となるのは、基本的に病院勤務の看護師です。介護福祉施設でも高齢者が利用することもあって緊急呼出待機の期間があるものですが、病院よりは頻度が少なく、可能性が低い傾向にあります。逆に言えば病院勤務の看護師は、基本的に緊急呼出待機手当の対象となっています。

本来勤務時間が終わっている時間帯に、病院の命令のもと自宅待機しているため、その分仕事に縛られており、拘束時間への正当な報酬として支給されるのが緊急呼出待機手当です。もちろんしょっちゅう緊急呼出があるわけでもないため、ひと月の間に何回待機時間があるのかで計算し、支給します。

大抵1回の待機につき何円であると決められており、夜勤や残業と同じように加算されていく仕組みです。月1回だけの待機命令ならば1回、月3回ならば3回分の緊急呼出待機手当が支給されていきます。対象となる看護師は、常勤、非常勤を問わず、正看護師、准看護師を問わず、待機命令が出されているすべての看護師となります。

パート勤務やアルバイトで病院に勤務している場合であっても、自宅待機の命令が出されれば緊急呼出待機手当が支給されます。

緊急呼出待機手当の相場はいくら?

緊急呼出待機手当の相場は、通常賃金の3分の1程度とされています。おおよそ2,000円から3,000円くらいで、待機の回数に応じて支給されていきます。

例として国立病院機構の場合は、1回につき2,000円と定められています。この相場は看護師にかかる負担から算出しており、実際の勤務の3分の1くらいの負担をかけていると考えて、通常の勤務の平均額の3分の1を下らないことを条件にしています。

通常業務をしているわけではないため、通常勤務の賃金より下になり、同時に指揮命令下にあることで一定の負担があるとして、これくらいの相場になっています。また少数派ながら月額いくらまでと定めていることもあります。

求人を見るときは一回の待機でいくら支給されるのか確認しておこう!

緊急呼出待機手当は、その性質上回数に応じて支給されるため、看護師の求人には1回の待機につき、いくら支給されるのかを記載しています。

注意点として、病院の求人は当然緊急呼出待機手当があると考えること、そして病院以外の求人にも緊急呼出待機手当がある可能性を忘れないことが挙げられます。患者さんの都合によって呼び出される可能性が高いのは病院勤務の場合です。

しかし看護師を必要とする職場では、多かれ少なかれ、本来出勤日でない日に呼び出される可能性があります。そうした利用者の都合によって看護師を必要とすることを考えて、企業や介護福祉関係の施設の求人にも、緊急呼出待機手当があるのです。

求人を選ぶ際には、せっかくですから緊急呼出待機手当があるのかどうか確認し、どれくらいの額であるのか、待機に見合うだけの仕事内容であるのか、問い合わせるなり、面接で質問するなりしましょう。