新卒から4年間は大学病院で病棟看護師として勤務しました。

急性期病院のため業務は煩雑で忙しく、残業も多い職場でした。三交代制で休みはほとんど夜勤絡みのため、体力的に辛いものがありました。

しかし、看護師としてはやりがいのある職場だったので、がむしゃらに仕事をしていました。結婚と同時に主人が転勤となったため退職しました。退職後、半年間は主婦をして、26歳で日勤のみの眼科クリニックに転職しました。

転職先に求めた条件と求人の探しの方法

急性期病院での緊張感に精神的に疲れていたことや、夜勤絡みの休日ばかりで慢性的に疲れていたことなどから、日勤のみでゆったりした業務内容の職場を希望しました。主人からも、夜勤がなく体力的に余裕のある職場にしてほしいと言われていました。

転職サイトは当時何となく胡散臭いような気がしていたので、転職活動にはハローワークを利用しました。

自宅から近い距離である、車での通勤が可能である、産休・育休の取得実績がある、退職金の支給がある、賞与がある、残業が少ないことを条件に求人を探しました。ハローワークのスタッフの方と相談するというよりは、ハローワークのパソコンを使って自分で求人を検索しました。交渉はスタッフの方がしてくれました。

嬉しい悩みではありますが、看護師は求人の数が多く、絞るのに大変苦労しました。また土地勘がなかったため、地図を見ながら就業場所を探すのも大変でした。病院の雰囲気や口コミなどはハローワークではわからないので、その点は転職サイトを利用した方がよかったのかもしれません。

転職して良かったこと・悪かったこと

転職後は夜勤が無くなったので体力的にはとても楽になり、家事と仕事の両立がしやすくなりました。

しかし、夜勤がないぶん収入も減るわけで、年収は70万ほどダウンしました。生活に困るほどではないのですが、服飾や美容などの支出を抑えないといけなくなったのがちょっとしたストレスです。

また、眼科クリニックでは生命の危機に関わるような急変にあたることがほとんどないため、精神的にも楽になりました。ただ業務は眼科的な検査や手術に特化しているため、これまで病棟でやってきたような看護師としての仕事ではありませんでした。物足りなさを感じつつも、看護師だから出来ることを日々探しながら仕事をしていました。

意外にも採血や点滴などの処置は毎日のようにありましたが、それ以外の看護技術を行うことはほとんどなく、いつか病棟に戻ったときのことを考えると不安になることもありました。これぞ看護!という仕事をしたい方には、大きな病院でない限り眼科のクリニックというのはむいてないかもしれません。

私の入ったクリニックは昔ながらの体制というか、指導者がいなかったため、自分の目で見て覚えることや、自己学習を求められることが多かったです。マニュアルは無いのに暗黙の了解のような決まり事が多く、覚えるのに大変苦労しました。

コストにも大変厳しく、本来ならディスポで使うような物品も、許容範囲内で再利用することもありました。消毒が煮沸だったり、手洗いに固形石鹸を使ったりと、最近ではもうやってないようなことが多々見受けられました。

また、眼科というのは思ったよりも忙しく、長時間待たされた患者さんのクレーム対応をすることも多かったです。クリニックは病棟よりも、患者さん=お客様という感覚が強く、接遇にはとても気をつかいました。

スタッフの人間関係は少人数ながらも派閥のようなものがあり、あまり深く関わらないように無難に過ごしていました。常時4~5人の看護師が勤務していましたが、病棟のようにシフト制ではないため、苦手な人と毎日会うのは辛かったです。

院長やその奥さんとの関係性もとても重要でした。特に院長は頑固で横暴、気分屋な性格で、気に入られている人は注意するのもやんわりとでしたが、そうでない人は罵声を浴びせられるようなこともありました。うまくやっていくためにはご機嫌取りをしないといけない、面倒な職場でした。全てのクリニックがそうだとは言いませんが、家族ぐるみでやっているようなクリニックは院長やその家族との相性も大事だと思います。

病棟とは全く勝手が違う環境ですが、細かいことを気にしない人ならすぐに慣れるかもしれません。今のところ家庭を一番にしている私にとっては眼科クリニックに転職してよかったと思えますが、今後の看護師人生を考えると不安を感じる転職となりました。