看護師長に1年後の退職希望を伝えた数ヵ月後、夜勤を控えた前日に、看護師長からの電話が鳴りました。

「ねえ○○さん(私)、相談したいことがあるの。5月から他の病棟で看護師が足りなくなって是非ね、○○さんに異動してもらえないかしら。あなたなら、自分の意見もきちんと持ってるし私も自信をもって異動先の看護師長さんに薦められるんだけど。お願いできないかしら」

その時私は、自分自身を師長が頼りにしてくれていると思い、私で良ければと異動を承諾しました。

ですが、数日経ち考え直してみると、現病棟でやり残している仕事(看護研究のプロジェクトメンバーでした)もあり、3年間同じ職場で勤務をやり終えたい気持ちが強くなったので、異動辞退の申し出をしました。

もしかしたら、1年後に退職すると伝えたので、私は現職場にもう必要とされていないのかも?と切ない気持ちや疑念の心も抱き、感情的になっていたように思います。

「師長さんは、もう私がいらないんですか?」電話越しに切羽詰まった声で話す私に、師長は「そんなことないわ。私は、みんな(全スタッフ)が大切なのよ」

みんなが大切?一人ひとりの気持ちは大切じゃないの?と、ますますひねくれる当時の私…

今振り返ると、なんて自分勝手な22才の小娘。

今、自分が師長の立場だったら、やはり私が異動候補にあがると思います。

そのような半分諦めと落ち込みの中で、職場異動となったわけですが、腹をくくり、異動先も大変な状況にあるのだから、決まった以上は、精一杯仕事しようと心に決めました。

幸運にも、学生の頃から仲の良かった友人が同時期・同病棟に異動が決まり(彼女は希望しての移動)、しぼみきっていた私の心が元気を取り戻しかけていました。

異動先の病棟は、生死にかかわる疾患の患者さんが中心ということもあり、雰囲気が前病棟とはまるで違いました。

同じ電力量の照明器具がついているはずなのに、ワントーン暗く感じます。

看護師不足を切り盛りする異動先の師長は、常に今にも倒れそうな青白い顔でした。とにかく早く新しい環境と仕事に慣れなくては…と働き始めましたが、ここでもまた、驚くような事態が私を待っていました。