脳卒中リハビリテーション看護認定看護師とは

役割

脳卒中リハビリテーション看護認定看護師は、脳卒中によって機能障害がある患者さんのクオリティーオブライフを向上させるために個別性、専門性の高い看護を行います。また患者さんのセルフケア能力を高め、生活の再構築につなげるリハビリテーション看護も実践します。

そして、ほかの看護スタッフの指導や相談にも対応し、さまざまな職種のスタッフと協力したチーム医療にあたり、地域連携を推進するためのリーダーシップも求められます。

求められる専門知識や技術

脳卒中急性期において脳組織が受ける影響に関する的確な臨床判断、重篤化を防ぐためのモニタリング、ケアに必要な知識と技術が第一に必要です。また、患者さんの各期を通じて一貫した生活再構築のプロセスについて管理し、セルフケア能力を向上させるための計画的なサポート能力も大切です。

そして、機能障害に対して病態と合った適切なリハビリテーション看護技術も欠かすことができません。高次脳機能障害の日常生活における影響を予測し、生活の再構築につなげるケア能力も重要です。

認知症看護認定看護師になるには

資格取得方法

全国にある脳卒中リハビリテーション看護認定看護師教育機関で6ヶ月、615時間以上の課程を受ける必要があります。

この課程を受けるにあたっては、日本の看護師免許を所有していて、かつ免許取得後の実務研修が通算5年であること、そのうち3年以上は脳卒中リハビリテーション看護分野での実務研修であることが条件となります。

具体的には、通算して3年以上にわたり脳血管障害患者さんが多い部署での看護実績を積んでいて、脳血管障害患者さんの看護を5例以上経験している必要があります。そして現在、脳血管障害患者さんの多い施設などで勤務していることが望ましいとされています。

教育課程での学習が修了してから認定審査を受け、合格すると脳卒中リハビリテーション看護認定看護師認定証が交付されます。以後、5年ごとに更新審査を受けることになります。

資格保有者数

386人

難易度・合格率

認定審査の合格率はここ数年、90%台という高い数字で安定しています。しかしながら認定審査を受けるには、脳卒中リハビリテーション看護認定看護師教育機関での教育課程を修了していることが前提となります。教育機関の入学試験はかなり難しいため、総じて難易度はかなり高いものです。

脳卒中リハビリテーション看護認定看護師の資格取得後

活躍できる職場

脳卒中リハビリテーション看護認定看護師のうちおよそ98%は、病院で勤務しています。そのうちの75%が病棟、18%がICUやCCU、HCUなどに配属されています。病院の種類別ではがん診療連携拠点病院が5割弱、救命救急センターが4割、特定機能病院が1割強という割合になっています。

脳卒中リハビリテーション看護認定看護師の多い病院としては3名が在籍しているNTT東日本伊豆病院、豊田会刈谷豊田総合病院などが挙げられます。そのほかには2名が在籍している唐澤記念会大阪脳神経外科病院や金沢脳神経外科病院のような脳神経系の専門病院、同じく2名が在籍していて大分県にありリハビリテーション支援センターも兼ねている湯布院厚生年金病院のようなリハビリテーション専門の医療機関などもあります。

脳卒中センターやICU、CCU、HCUなどでもその活躍が求められています。

将来性

脳卒中は、現在の日本でがんや心臓病、肺炎に次いで死亡率の高い疾患です。医療技術の向上にともなって死亡率は減少してきていますが、死亡率の減少に反して近年では高齢化とともに、患者さんの数が増加しています。

寝たきりの原因になっている疾患としては、骨折や認知症をも上回って第1位となっています。また、最近では脳卒中の若年化も進んでいて働き盛りの年齢で発症、入院するというケースも少なくありません。

このような状況の中で脳卒中患者さんの急性期から回復期はもとより、その後の退院から在宅介護に至るまで専門的なサポートをすることのできる脳卒中リハビリテーション看護認定看護師の需要は、今後ますます高まるでしょう。