病理診断科は、組織を採取し、その組織や細胞レベルの検査を行う診療科です。

看護師はこの診療科に勤務する事が少なく、病棟で検体を採取したり、医師が検体を採取するための検査の介助を行う事が役目となります。

よって、看護師は、採取した検体を病理診断科に提出する事が多いでしょう。

病理診断科に送る検体は、どのように採取する事が多いのでしょうか。

では、病理診断科で行われる検査やその介助に必要な看護師の知識や技術についてまとめてみます。

必要な看護技術・知識

病理診断科では、内視鏡における胃や腸などの組織採取、子宮や気管支等の組織採取、甲状腺や乳房、肝臓や皮下への穿刺による細胞採取があります。

また、喀痰、尿、胸水、腹水、関節液や心のう液などの体液を採取して検査を行う事も含まれます。

胃がん、大腸がん、子宮癌、肺がん、甲状腺がんや乳がん、転移性がんなどの悪性腫瘍の肝別の為に行われえることが多い検査です。

看護師が行う検査としては、喀痰、尿、血液の採取程度で、それ以外は医師が行う為、看護師は検査の介助を行うこととなります。

内視鏡検査の介助技術

内視鏡による検査は、医師が行いますが、その準備や介助、片付けや器具の消毒や洗浄を看護師が行います。

よって、使用物品を準備、片付けする知識、消毒や洗浄に関する知識、保管や取り扱い知識が必要です。

また、その検査部位によりとる体位が異なる為、その検査に応じた体位を知り、患者さんの身体的特徴や安楽な体位を支援するための知識が必要です。

枕やクッションを用いて、苦痛なく検査が受けられるよう調整する技術も必要です。

清潔操作

各種検査には、清潔操作が必要です。

穿刺検査などは、その穿刺部位を清潔に保持し、その後の管理や観察が行われなければ、その穿刺部位より病原菌が侵入し、感染症罹患のリスクが高まります。

よって、清潔操作と、清潔ケアが行われることが求められます。

患者さんの状態の応じ、全身清拭や陰部洗浄、入浴許可があれば検査前に入浴やシャワーを済ませておくなどの配慮も必要です。

各種検査知識

検査前の同意を得るための説明は、医師が行います。

しかし、医師の説明では十分でなく、患者さんは不安や恐怖を感じていることがあります。

また、施行前に充分に理解してもらわなければ、検査によっては安静指示や絶食指示、前処置等がある事あり、直前になって中止となるケースもあります。

よって、担当する看護師が、その患者さんに行われえる検査とその注意点を理解し、分かりやすく説明しなければなりません。

精神的ケア技術

検査を行う患者さんは、検査を行う事の不安と、検査結果に対する予期不安を抱えていることがあります。

よって、精神的苦痛やストレスを軽減し、検査が行われるよう精神的ケアが必要です。

出来る限り患者さんの質問や疑問に応え、分からないことが無いよう努めます。

そして、不安や恐怖を抱えている場合は、傾聴し、思いに寄り添い逼迫した気持ちをあっさん出来る場所に看護師がなりましょう。

精神的苦痛は、時に錯乱や混乱を来たし、検査を安全に行えないと言う状況になりかねません。

誠実に思い遣りある対応も看護師に求められる対応です。

まとめ

病理検査を行う患者さんは、「がんかもしれない」とはっきり言われたり、「異物があるかもしれない」とぼかしてその検査を受けられるように説明されていることがあります。

いずれにせよ、自分の身体に何かが起きて言えると感じ、不安を強めています。

自分が、自分の家族がそのような宣告を受けた場合、どのような気持ちになるでしょうか。

そして、看護師さんにはどのような対応を望むでしょうか。

病理検査を受ける患者さんに対して我々看護師が出来ることは、患者さんの身になり、声をかけ、安心して検査を受けられるよう支援する事ではないでしょうか。

また、なるべく安楽に、早く円滑に終了するよう介助する事でしょう。

少しでも患者さんの負担を軽減できる関わりがしたいものです。