人間にとって、自分の体にあったのもを病気や治療の為に切除する事は、安心を手に入れると同時に、深い喪失感と自分に対する認識の変容を来たします。

再建外科とは、乳がん切除後の乳房再建や、褥創や熱傷などにより皮膚機能を喪失した部分の再建をしたり、顔面骨折などにより骨格変形を来たした部分の再建を行う診療科です。

患者さんを失望のどん底から救い出し、その人の生活や思考を前向きにさせる積極的治療がなされる場所と言っても過言ではありません。

このような診療科に属する看護師に必要な知識や技術はどのような内容があるのでしょうか。

患者さんの希望を叶え、そのコンプレックスや自信喪失から救い出す希望あふれる再建外科についてまとめてみます。

必要な看護技術・知識

再建外科では、手術を主な治療とし、その前後の日常生活ケアや、術前後のスキンケアや術後の創処置などを行います。

また、心理的にも、身体・部分的にも、デリケートな事が多く、そのケアや治療に関して配慮と正しい看護技術が必要です。

処置時の体位維持と体位保持

処置の際に、その傷や損傷部の疼痛を訴える場合があります。

怪我をした時、骨折をした時、術後創処置をする時等、痛みを生じることがあります。

しかし、清潔操作により患部の清潔を保持しなければならないことが多く、看護師は、正しい姿勢や体位を保持できるようサポートする事が必要です。

時に、痛みで動いてしまう患者さんの姿勢を動かないよう支える技術が必要です。

例えば、関節を覆うようにがっしり支え、動きを抑える、一時抑制を同意により行い、正しい抑制知識で動きを抑える抑制法の知識や技術が求められます。

カウンセリング、傾聴技術

再建外科を訪れる患者さんは、自分の容姿に対してマイナスイメージを持った患者さんが多いと言う特徴があります。

何とかしたいと思ったり、自分は醜いとまで感じてしまう患者さんの話を良く聞き、思いに寄り添う姿勢と話を聞ける技術を要します。

精神的な支えとなり、術前後のメンタルケアとこれからの生活を前向きに行っていける力を与えられるカウンセリング技術が必要です。

疼痛コントロール

手術患者はもちろんですが、受傷による患者さんは痛みを抱えます。そのような患者さんの苦痛を取り除く看護技術が必要です。

鎮痛剤に対する抵抗を感じ、痛みを我慢する患者さんに対して適切な薬剤を利用する利点を話し、疼痛コントロールできる知識とコミュ二ケーションスキルが大切です。

また、安楽な肢位保持や、マッサージや罨法等による苦痛緩和知識と実践する技術があれば、患者さんの安楽性は向上します。

清潔操作

術後患者さんや、術前で受傷のある患者さんのガーゼ交換や清潔保持に対する知識や技術が必要です。

術前、患者さんの患部の不潔状態は、化膿や状態悪化の原因となり、手術困難や延期の原因となります。

また、術後患者さんの術後創部の不適切な管理は、術後回復を妨げ、よりよい状態に持っていく為の手術が、無意味になる事もあります。

よって、セッシの取り扱いやガーゼ交換方法、清潔な固定法等を熟知し、そのケアに当たる必要があります。

また、器具類の滅菌方法や保管方法等の知識を持ち、清潔状態を保持する事も必要です。

まとめ

再建外科での看護師に求められることは、「正しい知識と技術を持って、患部や創部を適切に管理できる事」です。

しかし、それよりもっと大切なことは、自分が患者さんのような状況になれば、どのような支援がしてほしいか、どのような声をかけてほしいと感じるかと考えながら一言一言を責任もって話す事が出来ることではないでしょうか。

看護師の何気ない一言に患者さんが傷ついてしまうケースもあります。

ここでの自分の発言は、患者さんの希望となったり、患者さんを絶望に陥れることがあると考え、思いやりを持った親身なコミュニケーション技法が必要です。