人は、食事の後に歯磨きをしたり、うがいをして口腔の生活を保つ習慣があります。

看護師は、その習慣が守られ口腔を清潔に保ち、虫歯や口腔内の感染を防ぐことができるようケアを行います。

特に、意識障害を有する患者さんや、自分で口腔の清潔が保てない寝たきりやセルフケア能力の低くなった患者さんには、積極的に口腔ケアを代行しなければなりません。

絶食や口腔より食事を取れない患者さん、人工呼吸器装着中や酸素療法中の患者さんにおいても、口腔内の清潔を保つことにより肺炎や気道感染を予防する事が出来る為、重要なケアと言えます。

では、安全に安楽に、口腔の清潔を保ち、爽快感を感じられる口腔ケアの実践法について理解しましょう。

「口腔ケア」項目達成のためのポイント

口腔ケアの目的は、口腔内の感染予防と患者さん自身の爽快感です。また、一日三回食事後に行うことで規則正しい生活リズムを過ごすことができます。

特に、寝たきりの方や意識障害を有する患者さんの時間感覚について刺激を行え、定期的な口腔ケアは口腔の清潔以外にも大切な役割となります。

必要物品

・歯ブラシ、スポンジブラシ
・ガーゼ
・イソジンガーグルや洗口液など
・ガーグルベースン
・吸引道具
・手袋

観察事項

・口腔粘膜や歯や舌に異常や汚染が無いか
・口唇や口角に異常が無いか
・汚れの残留や歯ブラシなどの残骸が口腔内に残っていないか
・綺麗になったかどうか
・誤嚥やむせが無かったか
・一般状態や、バイタルサインの確認

方法

●口腔ケアを行う事を患者さんに伝える
体位は、ファーラー位や頭部を挙上した体位とする。(誤嚥予防のため)麻痺がある場合、側臥位で行う際は健側を下にする。

●ブラッシング
口腔内が弱くなっている患者さんには出血の原因となる為、スポンジブラシやガーゼなどの柔らかい素材のものにします。

意識障害などで開講困難な場合は、バイトブロックや開口器を用います。

●舌苔の除去
舌苔がひどい場合は、オキシドールで舌苔を除去します。一度で除去しようとせず、根気よく口腔ケアを行う事で徐々に取り除きましょう。

●洗口
顔を横にして洗口します。口に水を含ませ、うがいを依頼します。

意識障害などでうがいできない場合は、顔を横し向けたり、側臥位にして、吸引器を口腔内に挿入し、水で洗口していきます。

この時、誤嚥が無いよう、しっかりと吸引器を挿入しなければ気道内に水分が入り肺炎の原因となります。洗い流せたら、口腔周囲を清拭し、体位を整えて終了します。

注意事項

・吸引器を利用する場合は、通常の吸引チューブでは吸引しづらい為、洗口用の吸引チューブを利用しましょう。

・意識障害のある患者さんでも、急な口腔ケアの実践は刺激や驚きの原因となる為、声をかけながら優しく丁寧に行いましょう。

・誤嚥リスクがある患者さんの洗口の水の量は、少なめとし、歯磨き粉の利用はせず、洗口液などで洗う事で洗い流しの水が少なくて済みます。また、洗い流しが危険な場合は、洗口液やイソジンガーグルをガーゼに浸し、拭きとる事で口腔の清潔を保ちましょう。

・患者さんの反応や表情と、呼吸状態の観察を行いながら、訴えられる方には「呼吸がしんどい」「苦痛を感じる」場合は、手を挙げて知らせるようお願いします。また、訴えられない患者さんは、表情の歪みやモニター、酸素飽和度などの波形を充分に確認しながら安全に行えるよう目くばせします。

まとめ

口腔内を人に触れらる事は、患者さんにとって苦痛や違和感を感じることです。意識の有無にかかわらず、患者さんの反応に注意が必要です。口の中を触られる事で、嗚咽や嘔吐し易い特徴のある患者さんもいます。

安楽な体位で、誤嚥なく、安全に実施できるよう練習が必要です。

また、状態の悪い患者さんでも、呼吸器感染予防のために重要な口腔ケアは、その看護師の技術により効果がよく働く場合と、その経験の浅さから良い効果が得られない場合とがあります。

患者さんの状態に応じた物品と方法の選択により、患者さんにとって快適をされる口腔ケアを行いましょう。