糖尿病内科と聞けば、生活習慣病と理解している事が多いでしょう。

「生活習慣を改善すれば、何んとかなる」と考え、看護に当たる看護師も多くいますが、患者さんからすれば、今の生活を変えられない、分かっているけれどどうにもならないと治療と生活がリンクせずに悪化してしまう事がある診療科です。

しかし、病気を悪化させれば、「腎障害」「網膜症」「神経障害」などの危険な合併症を来たしかねない危険な疾患である為、看護師として正しく管理し、指導する力が求められます。

糖尿病内科には、一型糖尿病や二型糖尿病の患者さんが来院します。特に、二型糖尿病患者さんは、正しい療養法や栄養指導、運動指導などを受ける教育入院を果す事が多いです。

また、正しく管理できず、低血糖発作や高血糖に起因する重篤な代謝異常で意識障害を併発して入院する患者さんもいます。

では、糖尿病内科での看護に必要な知識や技術について学びましょう。

必要な看護技術・知識

糖尿病と一括りにしても、その重症度や治療法はたくさんあります。

その一つ一つを理解し、一人一人の患者さんが行える実践的な治療や療養法を計画していくことが求められます。

血糖測定

医師の指示に基づき、血糖測定を行います。

食前、食後何時間後、空腹時などの細かい指示があります。その指示内容に応じて測定しますが、特に空腹時の指示の時に注意が必要です。

患者さんが、その検査の前何時間に食事を取り、その後何も飲食していないかが大切になります。

病院の食事以外に接触している事や、これくらいならよいであろうと食べたり、呑んだりしているケースがあり、検査値に狂いを生じることがあります。

食事に関する情報を充分に聴取し、正しい検査結果が得られるよう目くばせする必要があります。

インスリン療法

インスリン療法は、内服コントロールが出来ない場合や、インスリン療法が効果的な患者さんに用いられます。

皮下に注射するため、その量と時間、薬剤の作用に関する知識を習得し、低血糖や異常時に対応できる事が求められます。

また、医師の指示によっては、血糖測定後、○○~○○の測定値なら何単位などとスケールで注射指示が出ている場合もあり、その接種には注意が必要です。

ダブルチェックやトリプルチェックで医療事故にならないよう細心の注意を払います。

全身状態の観察

高血糖症状や低血糖症状の有無、闘病病による合併症症状の有無の観察を行います。神経症状や、視野異常、意識状態なども含めた観察が必要です。

また、インスリン投与後や、食事前後の状態観察により異常早期発見出来る知識を養っておく必要があります。

正しい療養法の知識

患者さんには、一人一人の生活があります。このようにすれば良いと教育指導されても、実際その方の役割や立場からその指導を実践できない事もあります。

あらゆる患者さんに対応できる療養法の知識量を携えておく事も糖尿病内科に勤務する看護師に必要な知識です。

出来るわけがないという指導を行う看護師に耳を傾ける患者さんはいません。信頼を寄せられる親身な看護師であることが求められます。

フットケア

糖尿病患者さんの下肢は、とても敏感です。

神経症状による痺れ、爪や皮膚の損傷による壊死や壊疽を回避するためにフットケア外来や専門のケア資格があるほどです。

癒しという部分にも関わり、治療関係を良好に保つ、指導を行う環境づくりにも、フットケアを行う事が有効となる事もあります。

よって、フットケアを行う知識や技術も糖尿病内科勤務の看護師に必要な事です。

まとめ

糖尿病内科を訪れる患者さんの見方の一つに、自己管理できない人と感じる看護師もいます。しかし、実際は、自己管理したくとも出来ない状況と言う患者さんも多くいます。

それは、看護師の指導力不足でもあるのです。

その方にあった方法を伝授出来れば、本当は正しく管理し、健康的で自分らしい生活を維持できるかもしれません。

糖尿病内科で必要な看護技術は、その方の生活背景を知るところから始まるのかもしれません。