総合診療科とは、身体や心の症状や不調があるけれども、どの診療科に受診したら良いのかわからないと言う患者が訪れる診療科です。

その不調の原因を明らかにしたいと訪れる患者さんも多く居て、不安や疑問を抱えて受診されるケースが多くあります。

また、検査結果によっては、驚くような病気を発見したり、思いもよらない疾患を発見したりするケースもあります。

どの疾患領域にかかればよいか、手掛かりを探る総合診療科での看護師の役割は、どのようなものがあるのでしょうか。

必要な看護技術・知識

総合診療科で大切となることは、問診や患者さんが発する情報を的確にとらえる事です。患者さん自身も、看護師にも、何が原因でどこが悪いかが分からない状態です。

患者さんが何を苦痛に感じ、何に不安を感じているかを捉えなければなりません。その情報が、正しく医師に伝えられる事で、医師は適確に検査指示を出し、原因究明に診療を行う事が出来ます。

問診力

いつから、どのように、どんな時に、どのような症状があるのかを問診します。

「痛み」一つを例にとっても、その痛む度合いや、何をしたときに痛むかなど、情報は様々です。事細かく一つ一つの症状を聞いていく問診力が求められます。

一つの症状をとり、あらうる可能性を考え、この症状では、別の何か手掛かりが無いかと裾野を広げられるような開かれた質問により症状を聞きとっていく力が必要です。

「痛い」という訴えに対して、「痛いのですね」と終わらせるのではなく、何故痛いのか、どのように痛いのかと、その「痛み」に対して追求していく気持で問診していく姿勢が大切です。

共感できるコミュニケーション能力

患者さんの苦痛や悲痛に対して、人間味ある温かな関わりで、その不安や恐怖に対応できるコミュニケーション能力が求められます。

その方を苦しめる症状に対して、共感し、自分であればどの様に感じ、どのような不安が生じるかを考えます。

そうすると、患者さんが求めうる欲求や掛けてほしい言葉が思い浮かぶでしょう。患者さんの不安や疑問に応えられる対応力が必要です。

医療全般の知識

総合診療科では、その疾患の原因が特定されない患者さんが訪れます。専門領域の周知ではなく、あらゆる可能性を考えらジェネラリストとしての知識が必要です。

内科、外科、運動器、神経、婦人科、泌尿器科などどの分野の知識も浅く広く把握し、患者さんの苦痛に対してひらめきを持てる知識量が必要です。

他部署との連携力

総合診療科では、様々な検査を行い、そして正しい診断を持って専門治療へと患者さんを導きます。

検査を行う際は、検査技師との連携や連絡により、円滑に検査が行われるよう計らいます。

また、診断が確定し、専門治療受けることとなった患者さんは、継続して看護や治療がなされるよう病棟や専門外来と連絡を取り、これまでの経過や診断を受け継がれるよう調整役として役割を担わなければなりません。

まとめ

看護師自身も、自分の病状に対して思い悩んだことがあるかもしれません。原因不明の熱や、痛みに悩まされたことがあるでしょう。

総合診療科に来る患者さんは、我慢して耐えてみたけれど、どうにも原因が分からない、良くならないと不安を募らせ来られる場合もあります。

まず、正しい診断がなされるように問診や聴取、観察により患者さんの原因究明に働きかける役割を求められます。

そして、原因を突き止め、患者さんを安心させられるという達成感を感じられるのが総合診療科の看護の特徴です。