患者さんの急な意識の低下、声が出せない、もがいている状態を目にした時、あなたは何を想像しますか?

それは、急病による事が頭をよぎりますが、時に食べ物や異物が気道に入り、呼吸を行う道に蓋をしてしまっていることも予測されます。

看護師は、状態を観察するとともに、口腔内異物である事も含めて考慮し、口腔内の観察を早期に開始する必要があります。

呼吸状態や意識がおかしいと感じた看護師は、気道確保が必要ですが、まず、口腔内の状態を見て口腔内の異物を疑い、気道確保への行動に移すことでその後の処置を円滑にすることができます。

では、口腔内の観察や異物除去に必要な知識や技術についてまとめてみます。

「口腔内の観察・異物除去」項目達成のためのポイント

意識消失、急変を来たした患者さんの、気道を確保する前に行いたいことが、口腔内の観察です。

口腔内を観察し、もし、異物閉塞を発見できれば、早いうちであれば、その異物を除去するだけで患者さんの意識や呼吸が早期に回復する事があります。

しかし、それを観察せずに、気道確保ばかりに意識が集中していると、気道確保中にその異物が気管方向へ移動し、より閉塞を深めてしまう事、分泌物であれば、気道内へ流れ、誤嚥や肺合併症を起こしてしまうこともあります。

よって、気道確保前の口腔内の観察が重要です。

口腔内の観察と呼吸状態の観察

口腔内の観察の前に、患者さんの基礎疾患の確認が必要です。

呼吸器系疾患や循環器系疾患、代謝系疾患では、呼吸状態の急変リスクが充分あります。

口腔内

異物の有無、分泌物の有無、口腔内の清潔状況、口腔内の乾燥の有無

呼吸状態

発声や会話の状態

呼吸回数、呼吸リズム、呼吸のリズム、SPO2

末梢循環:チアノーゼ、冷感、冷汗、顔色

喘鳴、肺複雑音、気道閉塞音の有無

気道閉塞と異物の除去について

発声できない状態で、気道閉塞音や呼吸困難状況を観察すると、口腔や気道の閉塞を疑います。

食べ物、吐物、口腔内の分泌物、吐血や排痰などがあります。

自分で排出出来ないから、患者さんはもがき、苦しみ、時には意識消失や呼吸停止を来たします。

指交差法による開口と指拭法

患者さんの上の歯に親指を当て、舌の歯に人差し指を当て、親指と人差し指をひねる事で開口を促します。

奥歯の歯茎の方の空間に指が挿入出来れば、より開口は素早く行えます。

患者さんの顔を横に向け、指交差法で開口させてから、もう片方の手にガーゼを巻いておいて、口腔内の異物を掻きだします。

ハイムリック法(意識がある場合)

意識のある患者さんに対して、看護師は、患者さんの背部に回り、片方の手で握りこぶしを作って脇の下を通し、親指側を患者さんのみぞおちの下(胸骨下)に当てます。

もう片方の手で、その握りこぶしを握り、素早く口の方向へ圧迫するように押し上げます。

患者さんが臥床状態であれば、患者さんにまたがり、手のひらをみぞおちの下に当てて、もう片方の手を上に乗せて、口の方向へ素早く圧迫します。

背部叩打法

患者さんの前胸部に手を当てて、うつむきにします。

もう片方の手の平で、肩甲骨の間を4から5回強く連打します。

意識が無い場合は、患者さんを自分の方に向けた側臥位にして、肩甲骨の間を

側胸下部圧迫法(意識がある場合、小児に行われることが多い)

患者さんを仰臥位や腹臥位にならせ、看護師は患者さんの横に回り、またがって、膝をつき、大きく手のひらを広げて患者さんの側胸部の下に置きます。

胸郭の下から内側に向かって絞るように素早く圧迫します。

まとめ

口腔内異物を無事に除去出来た場合、患者さんの呼吸や意識が回復していても、その間の酸素供給は不足状態にある為、酸素療法を行われることが多くあります。

また、今後の急変に対応できる状況を作っておく事も必要です。

看護師は、口腔内の観察と異物除去の技術の習得と共に、その後患者さんに必要と考えられる治療や看護ケアを予測的に行う必要があります。

そして、そのケアに必要な準備物なども知っておかなければ、円滑な患者さんの安心できる呼吸ケアは行えないと考えていきましょう。