内視鏡検査自体を看護師が行う事はありませんが、その看護師の一つ一つの行為により患者さんを安楽にも苦痛にも感じさせてしまうのが内視鏡室での看護です。

胃カメラや、大腸ファイバーを主とし、胃や十二指腸、腸管の病変を検査します。そして、そのまま病変部を切除し病理検査を行ったり、その時に治療として切除を行ったりもします。

検査部位や方法により、実施前や実施後に療養上の注意点など細かく決められた注意事項のある検査が内視鏡検査です。安全に、安楽に検査が終えられるよう看護師として大切な役割があります。

また、精密機械や機器を利用し、その疾患の特定や治療に関わる重要な検査や処置を含む内視鏡検査室での看護師に求められる知識や技術についてまとめてみます。

必要な看護技術・知識

内視鏡検査は、患者さんの苦痛や疲労を与えてしまう検査が多くあります。

また、患者指導や理解を深め実施しなければ、正しく検査が行えなかったり、検査を前に中止せざる終えなくなる事もあります。

看護師として、安全に検査が行える知識と、迅速に医師の介助が行える技術、その機器や器具の準備や片付け等を熟知する必要があります。

院内マニュアルの熟知と、その操作の徹底技術

内視鏡検査はその医療機関によってマニュアル化されていることが多くあります。

使用する機械・器具によっても操作方法が違ったり、誰が介助しても同じ看護や処置が出来るよう看護師の知識や技術を強く求められます。

安全に、安楽にそして、円滑に検査が終えられるよう、マニュアルを周知徹底されることが必要です。

胃カメラや大腸検査の際の注意事項の熟知

内視鏡検査を行う時、患者さんは前日の何時から絶飲食となったり、下剤を飲んだりして検査前の前処置が開始されます。

初めての患者さんは特に不安を強め、心配をしてるので、患者さんが正しく検査を受けられるよう、検査の注意点や方法を説明する知識が必要です。

また、パンフレットや説明マニュアル、同意書がある場合もありますが、その方の理解度や認知力、視覚や聴覚異常の有無などのその方の特徴に合う説明が求められます。適確に説明するためにも、看護師自身がその検査について充分な理解が必要です。

検査機器の準備と片付け方法の知識と技術

胃カメラや大腸検査を行う際には、多くの機材や物品を利用します。その検査には何が必要で、いつでも滞りなく検査が行えるような準備が必要です。

また、使用後の器具の洗浄や消毒法は、取り扱った部位た汚染の程度、患者さんの感染症の有無等により異なります。適切に管理が出来る知識と、技術を必要とします。

体位保持の介助

内視鏡検査は医師が行いますが、専用の台に乗り、医師の指示する体位を保つ必要があります。

痛みや苦痛により、その体位が保てないとなると、検査を円滑に行う事ができません。そのため、患者さんが体位保持し易いクッションやまくらを用い、苦痛のない体位の工夫を看護師が行います。

何を用いて支えれば患者さんが楽かどうかを考え、その選択による物品使用、体位保持技術を習得しておく必要があります。

検査を受ける患者さんへの配慮

検査を受ける患者さんは、検査に対する不安と、その結果に対する不安を抱えています。

内視鏡検査室では、まず、安全に安心して検査が受けられることが重要な看護となります。

検査に対する不安にフォーカスを当て、その不安や軽減できるよう話を行い、充分な説明と患者さんの納得を持って検査に迎えるよう支援します。施術前の精神的負担の軽減を図るコミュニケーション技術が必要です。

まとめ

内視鏡検査をこれまで受けたことが無い患者さんは、人からどんな検査か聞いたり、今ではインターネットなどで容易に検査等を検索し情報を周していることがあります。

その受けた人々の反響により、良いイメージを抱いていない場合があります。その為に、不安を強めていたり、検査に対してマイナスイメージを持っている事もあります。

検査を正しく安心して受けられるよう、看護師は、誠実にその方の思いの寄り添うケアを重要とします。

また、内視鏡検査では、人の血液や体液に触れることがあり、患者さんの状態や既往などにより感染症対策を講じなければならない事もあります。感染対策に対する認識と、自分自身を護る対処策を知っておく必要もあります。