看護協会による訪問看護師養成講習会

訪問看護師の養成講習会は、主に看護協会が行っているものがあります。目的は訪問看護師が必要な知識、技術を取得することで、より高い看護サービスを提供できるだけの実力を磨き、高めることです。もしくはこれから訪問看護師を目指す人が理解を深めるために受講します。

具体例を挙げると、平成26年の6月から11月にかけて、24日間、180時間の日程で開催されたものがあります。時間は講義が朝9時30分から16時30分まで、実習が朝9時から16時までです。受講対象者は看護師としての実務経験が3年以上あり、准看護師は5年以上あること、定員は30名までです。

訪問看護に必要な基本的な部分を学ぶ4つの科目を合計60時間実践に必要な知識と技術につちえ75時間、実践を通して学ぶ実習が45時間で構成されています。諸経費が10,000円、受講申込書に必要事項を記入して郵送するか、持参して提出します。

受講が決定すると、本人宛に決定通知書が郵送されます。テキストが必要な場合などは受講申込み書にその旨記入し、当日テキストを受け取るかたちです。

訪問看護ステーションの新人研修

訪問看護師の研修、セミナーには、所属する訪問看護ステーションによって実施される新人研修があります。ある程度規模の大きな訪問看護ステーションは、新しく入ってきた訪問看護師を一人前に育てるため、独自の研修、セミナーを行い、個々の看護師に合ったプログラムを組むことになります。

例えばある訪問看護ステーションでは、その看護師の勤務経験から必要な看護技術のチェックリストを作ります。訪問看護に関係した勤務を経験していればその内容を外し、経験していないのであればチェック項目に入れます。本人にも確認して本当に必要な内容の研修プログラムを組むのです。

研修プログラムは短期間では終わらず、1年前後に渡って続けられていきます。前半は看取りのケア、在宅リハビリテーションなどの実践技術、訪問看護師の役割、ケアマネジメント、診療報酬と介護報酬などの概要の知識について学びます。後半は1か月から2か月おきに集合研修を実施し、実際の事例によって自分に合った看護技術、自分にまだ欠けているであろう看護技術について確認し、改善すべき点を新人研修者全員で議論するというものです。

OJT

OJT(On-the-Job Training)とは、企業内での企業内教育、教育訓練法のひとつです。職場の先輩や上司が新しく入ってきた後輩に対して、仕事を通じて必要な知識、技術などを学ばせるというものです。

訪問看護師の場合はどの職場でも同じような内容となっています。まず新人の訪問看護師は、先輩看護師に同行して、その訪問看護ステーションの利用者の家に訪問します。さすがに最初からひとりで訪問するということはありません。実際に先輩訪問看護師の仕事ぶりを観察し、どんなふうに利用者の方と関わり、話し、仕事をするのが見て覚えて行きます。

訪問看護師の仕事内容は、実際に目で見て確認した方が覚えやすく、しばらくはojtで学びます。必要な物品、医療機器の準備、片付け、利用者の方の変化を観察し、対応すること、それまで訪問看護師の仕事を見た事が無ければないほど、違いを覚えやすくなるでしょう。特に病棟勤めとはかなり違う仕事ぶりを確認して覚える必要があります。

また、場合によっては先輩看護師だけでなく、医師の診察やケアマネージャー、ヘルパーなど、他の職種の仕事を同行して見て学ぶことがあります。ojtで学ぶ間には、マニュアルやテキストから学ぶ座学の時間もあります。

ある程度訪問看護師の仕事を把握したら、次は先輩看護師と共に自分も利用者の方に直接関わって、実際に訪問看護師の仕事を行う段階へと入ります。実際のケア、患者さんの情報収集のやり方などを先輩から学びつつ、実践の段階となります。この段階で誤って覚えていたり、未熟であると判断された場合、先輩看護師がフォローしたり、指摘してあらめて覚えなおしたりと忙しくなります。

こうしたチームでのサポートを受けつつ、少しずつ自分ひとりで判断し、実践できるだけの知識と技術を磨いて行きます。あとはひとりでも訪問看護師としてやって行けるかどうか、事務所側が判断するまで同じことが続きます。

どれくらいで1人で訪問できるかどうか、事務所によって判断する時間が違い、訪問自体はひとりで出来るようになってもサポートが必要な半人前の状態は当分続きます。一人前の訪問看護師になるまで、年単位の時間がかかると考えておきましょう。