大学保健室で働く看護師になると身につくスキル

迅速な判断力・行動力

大学保健室では、看護師がごく少数か1人で勤務しているケースが多く、大学となると学生や教職員の数も非常に多いですが、体調不良やケガ・相談などといったような保健室業務は1人で対応します。

資格も大切ですが、自分で責任を持って行動し迅速に適切な判断をすることが最も大切です。

対象者は未成年から成人となる時期で、自分の症状・痛い部位などを聞き取ることは容易ですが、「大したことはない」「恥ずかしい」と我慢して放置してしまいがちな年齢でもあります。

中には緊急を要する症状もあるため、必要な情報を得るためにコミュニケーションを活かした問診、自分の経験と知識を活かして適切な処置を行う必要があります。医師が常駐している大学保健室もありますが、限られていてすべて自己判断になるため責任感や行動力が身につきます。

思考力・予測力

今の状態からこれから先の症状などを予測してどのように対応すれば良いのか、どのような行動を起こせば良いのかなど、道筋を立てて考え実践していくことができるようになります。指示を仰ぐ医師がいないだけ、迅速に判断する必要があるためです。

コミュニケーション能力

さらには、コミュニケーション能力も身につきます。大学の中にある保健室という存在を知ってもらい、学生や教職員と積極的に交流することで身近な存在になり、急な体調不良やケガのときだけでなく健康面や病気の相談、心に抱えている悩み、人には言いにくい悩みなどへの対応もスムーズになります。

そのためには日頃から学生たちに声をかけてコミュニケーションをとり話しやすい存在、信頼される存在になることが必要です。

病院での勤務とは違い、基本的に健康な人が相手です。

関連資格

大学保健室で働くためには、看護師資格があれば他に必要な資格はありません。

ですが、持っていると有利になり役に立つという資格はたくさんあります。

パソコン
昨今は、パソコンを使っての情報管理を行うため詳しい知識までは必要とされないとしても、エクセルとワードの基本的操作は最低限必要です。

得意でなくても、業務をしながら操作方法を覚えることは可能です。

心理カウンセラー
近年では、生活習慣病の予防や健康指導、メンタルヘルスケアに力を入れている大学があります。

生活習慣病の専門知識や心理カウンセラーの資格を持っていれば、指導面や相談への対応にも役立ち、学生や教職員に対してさまざまな情報を発信、提供をすることができます。病院のような忙しさはありませんが、一人ひとりとゆっくり接する時間や向き合う時間は多く確保することができます。

臨床現場や看護医療の経験が浅くても十分に大学保健室で勤務することは可能であり、看護師としての手技よりも責任感や行動力、コミュニケーション能力などが重視されます。優秀な看護師であってもこれらの能力に欠けていると、大学保健室での勤務には向いていません。

  • 自分の知識と経験を活かしたい
  • スキルアップしたい
  • より良いアドバイスやカウンセリングを行いたい

など、興味があれば資格の取得をしておいて損はありません。

病院で接する人たちは医師や同僚の看護師・医療従事者などがほとんどですが、大学では様々な人達が在籍していて、人の出入りもあります。企業ほどのビジネスマナーは求められませんが、病棟勤務とは違うという自覚を持ち、日頃から言葉使いや態度などに気をつけることが大切です。