CT室で働く看護師のメリット

特殊な部署での経験値

CT室で働く看護師は、CT装置という特別な装置が置かれて、病院の中でも特殊な空間で働くという貴重な経験自体がメリットになります。

病棟や一般外来など、従来「看護」が実践されてきた場所以外で、看護師としての専門性を発揮する機会が持てるので、自身の看護師としての能力を広げることにも繋げることができるでしょう。

CT室だからこそのやりがい

CT検査は、病気の早期発見、とりわけ我が国において死亡率が高いといわれている、がん、脳、心臓などの病気に対する診断に、大きな役割を果たしています。

検査の重要性が高まるとともに、検査数も増え、さまざまな「個別性」を抱える患者さんへの対応も必要になってきました。検査がスムーズに行えるよう、CT検査についての正しい知識を持った上で、患者さんひとりにとりに適した対応が求められるようになってきたのです。

CT室専属の看護師は、「患者を看護することの専門職」として、こうした点に力を発揮することが求められています。「正しい」検査が行われるようサポートすることを通じて、患者さんの治療に貢献できることに、病棟とは違った、看護師としてのやりがいを感じることもできるでしょう。

先進医療を学べる

また、近年のCT検査では、がん治療に効果を発揮するPET検査を同時に行える、PET-CT検査を導入する医療施設も増えてきています。

がんをはじめとする先進医療について学ぶ機会を得ることもできるのです。

勤務する上で好条件の職場

勤務条件面でのメリットもあげることができます。CT室は、放射線外来に設置される場合が多くなっています。そのため、日勤のみで働ける場合が多くなっています。

夜勤のある不規則な勤務でないことは、小さな子どもさんがいて、育児と仕事を両立させたいといったママさんナースや、家庭との両立、プライベートを充実させたいと考えているナースにとってもメリットといえるのではないでしょうか。

また、病院によっては特別手当がつく場合もあり、ほかの診療科に比べて、高収入が期待できる勤務先ともなっています。

CT室で働く看護師のデメリット

CT室勤務は、看護師の「仕事」として、比較的新しい分野です。そうであるがゆえに考えられるデメリットを見てみましょう。

CT室専属ナースの求人が少ない

CT室専属の看護師勤務は、近年になって、大学病院や総合病院を中心に、導入される動きが出てきました。現代医療における画像診断の重要性が高まるにつれ、CT室を含めた画像診断部門の拡充を図る医療機関が増えてきたことが背景のひとつとして考えられます。

CT検査を常時行っているなど、検査数の多い病院を中心に、専属看護師の募集が出てきていますが、看護師の勤務先としての確立はこれからといった部門です。今のところ多くの求人があるわけではありませので、募集を探す場合は、情報に敏感になっておく必要があります。

仕事内容が確立されていない

また、CT室における「看護」の重要性が認識されてきつつあるものの、看護師の仕事内容の確立についてもまだこれからといったところです。

業務のマニュアルがない、先駆者がいないなどから、パイオニアとして、自らの仕事を手探りで確立していかなければならないといった苦労があるかもしれません。

1人の患者さんと接する時間が短い

CT室での患者さんとの関わりは、数分から長くても数時時間で、1回きりである場合も多くなっています。病棟などに比べると、短いといわざるを得ません。

看護を行う上で、患者さんと接することが大切だと考えているナースにとっては、こうした面がデメリットとなるかもしれません。

被爆の可能性

最後に、放射線についてです。CT検査は、X線を用いる検査であるため、検査の介助を行う看護師につても、「被曝」の可能性を考えなくてはなりません。

CT室で働くことに、不安や心配を感じるナースもいるようですが、放射線を扱う区域は、医療法施行規則などの法律で厳重に管理されており、規定どおりに業務を行っていれば、直ちに健康に害を及ぼすようなことはありません。

ただし、妊娠などがわかった場合には、万が一を考えて、配置転換などを行う病院が多くなっています。その際、希望とは違う診療科に配属されるといった可能性は、デメリットとして考えておかなくてはならないでしょう。