滋賀県在住の方でドクターヘリに乗って、救急現場で一刻の猶予も許されないような環境で看護業務をしてみたいと思っている看護師もいるでしょう。

ドクターヘリに乗って初期医療を行う看護師のことをフライトナースと言います。

フライトナースになるためには、ドクターヘリのある医療機関にまずは就職する必要があります。滋賀県の場合ドクターヘリの配備をしている医療機関として、済生会滋賀県病院があります。

済生会滋賀県病院のドクターヘリ

2015年4月から済生会滋賀県病院では、ドクターヘリの運航を開始しています。関西広域連合の中では、6機目のドクターヘリということになります。

ちなみに日本全国でドクターヘリの配備は進められていますが、済生会滋賀県病院のドクターヘリは45機目の配備となります。

京滋ドクターヘリと呼ばれていて、滋賀県全域の他にも京都府南部を対象にして、必要に応じてドクターヘリの運航を実施しています。

滋賀県におけるドクターヘリの運航ですが、実は済生会滋賀県病院以前の2011年4月から運航そのものは開始されています。

ただしこの時点では大阪府のドクターヘリとの共同運航という形をとっていました。しかしこれだととくに滋賀県の北部で出動要請が起きた場合、救急現場に到着するまでに30分を超えることもままあります。

しかし京滋ドクターヘリが運行されたことにより、滋賀県の全域なら30分以内で現場急行でき、初期医療ができるようになりました。救える命がより増えたことになります。

救命救急センターの看護師として

済生会滋賀県病院のドクターヘリですが、救命救急センターの所属になります。このため、フライトナースになるためには済生会滋賀県病院の救命救急センターの看護師として採用される必要があります。

ただし救命救急センターのナースになったからと言って、すぐにフライトナースとして活躍できるわけではありません。

救命救急センターで救急医療の経験を積み、フライトナースとして十分勤まると判断されれば、シフト制でドクターヘリに乗って救助活動に参加できます。

滋賀県でフライトナースを志している人の中には「経験がないとなれないのではないか?」という懸念を抱く人もいるでしょう。

済生会滋賀県病院では、フライトナース未経験者でも育成のための研修を実施しているので、知識やスキルを学ぶことが可能です。

その他にも災害拠点病院としての役割も担っているので、多数の疾病患者が運び込まれた場合にどのように看護をしていくかなどの研修も実施されています。

救急看護師としてスキルアップを希望しているのであれば、済生会滋賀県病院は適した環境の整っている病院と言って良いでしょう。

済生会滋賀県病院におけるドクターヘリの出動実績について

済生会滋賀県病院のドクターヘリですが、どの程度の出動実績を有しているか、フライトナースを志望している看護師にとって気になるところのはずです。

2015年の4月から9月30日までの実績を見ると、ドクターヘリが実際に出動した回数は105件に達します。半年で100件ちょっとということは、年間に換算をすると200件強の出動実績のあることが推測されます。

済生会滋賀県病院の救命救急センターではドクターヘリの他にも、ドクターカーいわゆる救急車も配置しています。

現場からの出動要請のあった場合、患者の深刻度やどこが現場なのかなどを勘案していずれを出動させるかの判断をします。

ちなみにドクターカーの出動件数ですが、同じく2015年度上半期だけで33件に及びます。救命救急センターの看護師になるとドクターヘリだけでなく、ドクターカーを使って現場に急行し、必要な初期治療を実施することもあります。

救命救急センターの特徴として、小児救急部門があることにも注目しましょう。幼い子供の初期医療を担当することもあり、救急看護師としてのキャリアアップも期待できるでしょう。