静岡県は都道府県別にみると、面積は比較的大きめといえます。このため、救急医療をするためにはいかに迅速に患者を搬送するかが重要な問題になってきます。

そこで静岡県ではドクターヘリの導入にも積極的です。多くの都道府県では1カ所のみドクターヘリの基地病院として指定されていますが、静岡県の場合、聖隷三方原病院と順天堂大学医学部附属静岡病院の2カ所ドクターヘリの基地に指定されています。

つまりそれだけフライトナースになれるチャンスも高い地域であるとも言えます。

聖隷三方原病院

聖隷三方原病院ではドクターヘリの運航を2001年10月から開始しています。全国的に見ても、かなり早い段階でドクターヘリを導入していることがわかります。

聖隷三方原病院のドクターヘリですが、消防司令室が119番通報を受けてドクターヘリの出動が必要であれば、聖隷三方原病院に対して出動要請を行います。

聖隷三方原病院のドクターヘリですが、救急現場には遅くとも15分以内で到着できます。そして救急現場で必要に応じて応急処置を施すのですが、現場での処置は15分以内で、速やかに医療機関への搬送を進め、少しでも救える命を救っていきます。

聖隷三方原病院のドクターヘリの運航状況

聖隷三方原病院では主に静岡県西部を中心として、ドクターヘリの派遣を行っています。2015年中のドクターヘリの出動件数ですが、555件を数えています。

そのうち現場出動は383件に達しています。ですから単純計算すると1日に1件以上のペースで、聖隷三方原病院ではドクターヘリの出動を行っていることになります。

通常フライトナースはローテーション制になっていて、何日かに1回担当となります。しかしかなりの割合で自分のシフトの時に出動要請の来る可能性があるわけです。救急看護のスキルアップをしたいと思っている看護師にとっては、やりがいのある環境が整っているといえます。

順天堂大学医学部附属静岡病院

静岡県の医療機関の中ではもう一つ、順天堂大学医学部附属静岡病院もドクターヘリの基地病院となっていて、出動要請に応じてヘリコプターを急行させています。

聖隷三方原病院から遅れること2年半後に、順天堂大学医学部附属静岡病院でもドクターヘリの導入をしています。

順天堂大学医学部附属静岡病院のドクターヘリの特徴として、機動性の高さが挙げられます。

消防から出動要請を受けると、実際にドクターヘリが離陸するまでの平均時間は3.3分だといいます。患者の命を救うためには、いかに早く処置を施せるかが重要なポイントになるわけです。

フライトナースとして順天堂大学医学部附属静岡病院で活動するのであれば、常にいつ出動要請が来ても良いように心の準備をすべきでしょう。

また常日頃からドクターヘリの中に持ち込む医療器具の点検・整理を行って、すぐに離陸できる環境を整えることが求められます。

基本的に順天堂大学医学部附属静岡病院のドクターヘリには、フライトドクターとフライトナースが1人ずつ乗り込みます。ですから医者の指示待ちをしているのではなく、自主的に適切可能動をする能力が求められるでしょう。

また順天堂大学医学部附属静岡病院のドクターヘリには、教育の一環として研修医が指導医とともに乗り込むことがあります。

場合によっては研修医に指示を出す立場になることもあり得ますから、豊富な救急看護経験を持っていることが求められるのです。

順天堂大学医学部附属静岡病院のドクターヘリの活動範囲・実績

順天堂大学医学部附属静岡病院のドクターヘリですが、基本的には静岡県の頭部を活動範囲にしています。

基本的には静岡県で発生した急患を静岡県内の医療機関に搬送する形になります。しかし治療の関係で必要と判断されたのであれば、隣接する県に搬送することもあり得ます。

また順天堂大学医学部附属静岡病院のドクターヘリは、新潟中越地震の際に出動した実績も誇ります。

道路が分断されて救急車による搬送が厳しかった時に、大変重宝する存在になったといえます。このような大規模災害があった場合には、県を超えて出動することもあるかもしれません。