長崎県在住の看護師で、キャリアアップのためにフライトナースになろうと思っている人はいませんか?もしそうであれば、長崎県にはドクターヘリの運航を実施している医療機関があります。

まずはドクターヘリの基地病院となっている医療機関に入職して、キャリアを積み重ねてフライトナースになりましょう。

フライトナースは、特に緊急で医療機関に搬送する必要のある重篤な患者を対象として使用されます。

一歩間違えると患者をいのちの危機にさらす可能性がありますが、その反面スキルアップをするには適した環境の中で仕事のできる魅力もあります。

国立病院機構長崎医療センター

長崎県では、2006年6月からドクターヘリの本格的な運用を開始しています。

長崎県では、国立病院機構長崎医療センターの救命救急センターが基地病院となって、ドクターヘリの運航を実施しています。県が実施主体となってドクターヘリを導入したのは、長崎県が初めてのことです。

長崎県でなぜこれだけドクターヘリの導入が求められたかですが、市街地での救急車の現場到着の遅さにありました。

通常ドクターヘリといえば、山間部や離島のような救急車では時間のかかってしまう地域でもカバーすることが目的です。しかし長崎県の場合、建物が狭い平地に密集する土地の特徴がありました。

その結果、市街地の場合、どうしても渋滞が発生しやすくなる特性がありました。加えて路面電車が今でも市街地では走っていますので救急車の到着に要する時間がどうしても掛かってしまいました。そこでドクターヘリによって、速やかに現場到着できる体制が求められていました。

長崎といえば五島列島をはじめとして、離島の多い県として知られています。これら離島の救急医療で必要と思われがちですが、実は長崎県ではこのような離島地域におけるドクターヘリの出動は年に数回程度なのです。

むしろ上で紹介した事情から、ドクターヘリは求められました。救急医療の世界では、15分以内に治療できるかどうかが救命率を決める重要なファクターといわれています。ドクターヘリが長崎県で導入されるようになって、搬送時間の短縮に成功し、救急医療の発展に寄与しているといえます。

長崎県のドクターヘリの概要

長崎県のドクターヘリですが、年中無休で基本的に運航しています。

ただし悪天候などで安全な飛行が確保できないとパイロットや整備士が判断をした場合には、出動要請があってもキャンセルすることがあります。

基本的には日没60分前までの出動要請に対応します。しかし国立病院機構長崎医療センターから近い範囲での出動要請であれば、日没30分前まで対応することも可能です。

国立病院機構長崎医療センターでは、フライトドクターは7名・フライトナースは8名在籍しています。

まずは救命救急センターで救急医療の経験を積んで、ドクターヘリに乗り込んで必要な初期医療ができると判断されるとフライトナースの業務も兼務する形になります。

フライトナースは当番制になっていて、自分が当番の時出動要請があれば、ドクターヘリに乗り込んで速やかに現場に急行します。出動要請のないときには、救命救急センターで救急看護に当たります。

長崎県のドクターヘリの出動実績

長崎県ではどのくらいの頻度でドクターヘリが飛んでいるか気になる人もいるでしょう。長崎県は日本全国的に見ても、ドクターヘリの出動件数の多い傾向が見られます。

2015年1年間の出動実績を見ても、実に871件の実績を誇ります。1日2件以上出動する計算になりますから、フライトナースとしての経験の積みやすい地域といえるでしょう。

どのような理由でドクターヘリの出動要請があるかですが、2/3程度は外因性となっています。特に転倒や転落、交通事故などで救急搬送の必要のある患者に対応する事例が多いです。