身に付くスキル

看護をするうえで必要となったり役立ったりする関連資格やスキルはたくさんありますが、これらは診療科や仕事内容、職場内での自分の役割などによって異なり、試験や研修などをクリアすれば取得できるものもあれば、仕事をしていく上で自然と身に付くようなものもあります。

放射線治療室で働く場合に身に付く主なスキルは、放射線治療に関するものはもちろん、がん看護に関するものがあります。

というのも現在では、放射線治療はがんの治療方法の1つとして最もよく利用されており、放射線治療室で勤務するナースのほとんどはがん治療に携わっています。

実際に放射線を照射して治療を行うのは放射線医師や放射線技師ですが、ナースは施術の準備・片付け、患者さんへの説明を行ったり、施術に対する不安や相談を受け入れる窓口です。そのため、ナースは患者さんやその家族と関わる時間が他の医療スタッフに比べると長く、患者さんの不安や戸惑いなどを察知したり、精神面でのサポートを行ったりする力も身に付けることができます。

また、看護師は患者さんや医療スタッフの両方の意見や気持ちを聞きながら間を取り持つこともあります。最初の頃は自分の仕事をこなすことで精一杯で、両者をうまくまとめることができなかったり気持ちをくみ取ることができなかったりすることもありますが、経験を積めば積むほど磨かれるスキルです。

また、ある程度の期間放射線治療室ナースとして勤務していると、CT画像を読影する知識、放射線の感受性の高い臓器などより専門的な知識も身につきます。放射線治療に関する限られた専門分野にはありますが、放射線治療看護のスペシャリストと言って問題ありません。

まだまだ放射線治療分野での研究や知識の普及は遅れているため、放射線治療看護師として働くことはとてもメリットとなるはずです。

関連資格(スキルアップ資格)

放射線治療室での仕事に必要となる関連資格には様々なものがありますが、放射線治療に関連する代表的なものは2つあります。

  • がん放射線治療看護認定看護師
  • がん放射線療法看護分野で熟練した看護技術・知識を有することを認定する日本看護協会が制定した認定制度の1つです。

  • 診療放射線技師
  • 診療放射線技師は医師の指示のもとで放射線を扱うことができるもので、がん治療方法の1つとして放射線が注目されて以来、需要が高まっています。最近では女性特有のがんを患う人が増えてきていることもあり、女性の取得者も増加中です。

がん治療の視点から見て関連するものとしては、

などがあります。

全て日本看護協会が制定した認定制度で、それぞれの分野で熟練した看護技術や知識、卓越した看護実践能力を有することを認定するものです。がんの治療方法は放射線治療以外にもあり、複数の方法を組み合わせて治療を行う場合もあるのでそのような場合に役立ちます。

放射線治療室ナースとして働く場合、業務をスムーズにこなすために必要となったり取得しておくと役立ったりする関連資格には様々なものがあります。ここで紹介したものは取得が難しかったり時間が必要だったりするものがほとんどですが、どれもスキルアップやキャリアアップには重要です。

ナースとして放射線治療に携わっていきたいと思った時には、これらの中から最も自分に適した資格の取得を検討してみることをおすすめします。

また、がん治療を行う患者さんにとってナースは治療の辛さやがん宣告をされたショックを理解できる数少ない味方でもあります。ここで紹介した専門的なものだけでなく、カウンセラーの資格なども仕事の中で役立ちます。