内視鏡室で働く看護師の仕事特徴


内視鏡室で働く看護師の役割は、安全・的確・迅速な検査を実施することです。

ですから検査そのものだけでなく、医師・患者さんとの打ち合わせ、機械・器具の準備、検査中・検査直後の患者さんの状態チェック、機械・器具の洗浄、片付けなど検査以外の仕事も多くあります。

検査室では仕事内容が専門的であるため身に付けなければならない知識やスキルも多いですが、てきぱきと仕事をこなせるフットワークの軽さも必要となります。

というのも、内視鏡検査を専門的に行っているような職場の場合は1日に何件もの検査を行うので、看護師の手際の良さが重要となるためです。

しかし、他の部署などに比べると急患は少なく、穏やかな職場環境という特徴もあります。そのため、精神的・体力的な負担も少なく、仕事を覚える時間や余裕は多いです。

病院によって異なる業務マニュアル

内視鏡検査は医師や医療機関によって方法が異なったり、使用する機械・器具によっても操作方法が違ったりと職場ごとに方法などが異なるのが特徴です。

そのため、内視鏡室看護師としての経験を持つナースでも、職場が変わる際は新しい職場でのマニュアルを覚える必要があるなど、勉強や技術を身に付ける努力が必要となります。

検査の手順や機械・器具の操作に限らず、使用する機械・器具、検査室そのものの洗浄・消毒方法などに独自のマニュアルを設けている場合も多く、単純な作業でも1つ1つ気を遣って取り組む必要があります。

このようにして、職場ごとに独自のマニュアルやルールが設けられているので、新人ナースに教育・指導したりナース同士で確認し合ったりして、スムーズに検査を行う環境を整える役割も担っています。

患者さんに対する看護師の仕事内容


内視鏡検査を行う時、患者さんは前日から飲食を禁止していたり下剤を飲んだりして検査に備えています。また、初めて検査を経験する人も多く、緊張している人も多くいます。

このような慣れない状況や緊張により、検査がスムーズに進まず麻酔を打つこともあり、常に患者さんの状態や体調の変化などに気をつける必要があります。痛みを感じていないか、苦しくないかといったことにも注意が必要で、患者さんへの声掛けや説明などは検査を行う上でとても重要です。

きちんと説明して患者さんの理解を得ることは、患者さんの抱える不安を軽減することにも繋がるので、わかりやすく丁寧な説明を心がけるナースは実際に多くいます。

このような患者さんへの気配りやコミュニケーション、説明なども内視鏡室で働く看護師の仕事内容の1つで、専門的な看護スキルではないもののとても重要な仕事となっています。

看護師が活躍できる内視鏡検査の職場

内視鏡検査を実施する診療科としては、胃腸科や消化器科、肛門科などが知られていますが、最近では内視鏡検査を専門に行う内視鏡センターや内視鏡科などを設置する医療機関が増えてきています。

また、がんや胃潰瘍などの患者も増えてきているため、内視鏡検査室を設ける医療機関も増えてきています。総合病院から個人クリニックまで様々な規模の医療機関に内視鏡室があり、その分そこで働くナースの需要も高まってきています。

看護師として働くことができる職場は数多くあり、環境や労働条件、仕事内容も職場によって様々です。総合病院の病棟や外来、クリニックなどで勤務するナースは多くいますが、特定の診療科で専門性を高めたり特殊なスキルを身に付けてキャリアアップを目指したりする人もいます。

内視鏡関連の職場は、病棟などに比べると求人が出されることは少ないものの、穏やかな職場環境で内視鏡検査のスキルを身に付けることができるため、ナースに人気があります。

中には内視鏡技師の資格取得支援をしている職場もあるので、さらに専門性を高めたい方はそういった職場への転職を検討してみてはいかがでしょうか。