内視鏡室の看護師になると身に付くスキル

内視鏡室で看護師として働くと身に付くスキルは色々ありますが、ここでは大まかに3つに分けてみます。

内視鏡検査における専門的な技術

1つは「内視鏡検査に関連する専門的な技術」です。内視鏡検査に携わる場合には、看護師自身が直接医師の介助を行うため、内視鏡検査に必要となる技術は自然と身に付きます。

検査の介助として、

  • 機器の準備・操作
  • 機器の洗浄・消毒
  • 画像分析
  • 粘膜の切除や焼灼
  • クリッピング

といった様々な治療技術や知識も身に付けることができます。

この中でも、機器の洗浄は非常に重要なもので、感染症予防や正確な結果を得るためにも欠かせない作業です。

患者さんへの説明スキル

2つ目は、「患者さんへの説明スキル」です。

内視鏡検査は人によって感覚の違いはあるものの、苦しさや痛みを伴うケースが多く見られたり検査に向けて前日から食事制限を行います。

また、初めて内視鏡検査を受けるという患者さんも多く、検査に対して恐怖心や不安を抱えていることも珍しくありません。そのため、内視鏡室で働く看護師は、患者さんに対してどのようにして検査を行うのか、検査に向けてどのような事前準備が必要なのかといったことをきちんと説明し、スムーズに検査を行えるようにしなければなりません。

中には不安や緊張のために検査がスムーズに行えないこともあり、患者さんが検査について理解し、不安を軽減できるような説明能力が求められるため、このスキルが身に付く環境となっています。

テキパキと作業をこなす能力

3つ目は、「テキパキと作業をこなす能力」です。内視鏡検査を行っている医療機関では、1日に何人もの患者さんの内視鏡検査を実施していることが多く、患者さん1人に長い時間をかけることができない状況となっているケースが多く見られます。

検査の片付けや準備がスムーズにできなければ、その分患者さんの待ち時間が長くなってしまったり、食事制限や下剤を飲んで準備している患者さんにはストレスとなってしまったりして、最適な状態で検査ができないということにも繋がりかねません。

そのため、テキパキと作業を行うことはもちろん、的確に任されたことをこなす能力も身に付く職場と言えます。

内視鏡室で働く看護師のスキルアップ資格

内視鏡室で勤務するナースになるために、看護師免許以外に特別な資格は必要ありません。しかし、内視鏡検査についてスキルアップに繋がる資格があるため、内視鏡検査に携わるナースの中には関連資格の取得を目指す人が多くいます。

内視鏡技師

よく知られているものとして、「内視鏡技師」があります。これは日本消化器内視鏡学会が認定を行っているもので、正看護師でも准看護師でも取得できるものです。

最近では、内視鏡検査に携わるナースに対し取得を促したり、取得を義務付けたりする医療機関が増えてきています。というのも、消化器内視鏡技師になるためには内視鏡検査に関連する検査技術だけでなく、それ以外の様々なことも学ぶことができるというのが大きな理由です。

内視鏡検査にくなった関連する資格の中では最もポピュラーで、取得すると内視鏡室に配属されやすり、内視鏡検査の専属ナースとなったりすることがあるため、注目されるようになってきています。

臨床検査技師

この資格は、国家資格であるため取得するのは簡単ではありませんが、内視鏡検査室では多くの検体を取り扱うため、臨床検査技師も配属されている1つの職種です。