NICU看護師のメリット

新生児、未熟児についての知識、スキルが身につく

そのままNICUで働き続けるにしろ、小児科や産婦人科へ移るにしろ、新しい知識とスキルを身につけられるのは魅力的です。

NICUは独特の部署で、正式名称を「新生児集中治療室(Neonatal ICU)」と言います。自分自身に出産経験があれば役立てられますし、小児科や産婦人科での勤務経験を役立てて、更に深く掘り下げることもできます。

NICUで働くということは、その最先端での技術を吸収し、新しい世代を生み出すことの手助けになる有意義な仕事です。更に、近年は晩婚化の影響もあって高齢出産が増加しつつあり、不妊治療の結果恵まれたお子さんだと、治療の段階で多胎児の可能性を増やし早産や低出生体重児の危険性を高めていきます。

結果としてNICUの出番が多くなり、赤ちゃんが健やかに成長することを助け、より多くの命を救えるよう看護します。

新生児時代を乗り切れば、低体重児や未熟児は健やかに成長できる可能性が大いに上がるのです。

助産師との連携で学ぶことが多い

NICUで働いているのは看護師だけではありません。職員の中には新生児のプロである助産師の方が実は多く、最近は同僚に助産師がいるのは珍しいことではないのです。

助産師がNICUでの勤務を経験することでお産を取り始めた時にどんな処置をしたら良いのか、お産の後どうなるのか具体的な経験を積んで行くことができるからです。よって、助産師との連携について学んで行くことができるというのがメリットのひとつです。

また、看護師の中にはそうした助産師の同僚の活躍を見て、自分が助産師の資格を取得しようと考える人もいます。現実的にも助産師の資格を取得すると、その分資格手当がつくからです。産婦人科へ移る場合なら、出産そのものに関わることが出来、将来の仕事の幅が広がるというメリットにもなります。

子どもの両親との人間関係を構築できる

NICUでの仕事のひとつは赤ちゃん自身だけでなく、両親との関係があります。生まれたばかりのお子さんと引き離されてストレスを溜めてしまいがちになり、母乳が出なくなったりするケースも有り得ます。

新生児の健やかな成長には初乳が重要ですから、NICUで預かる赤ちゃんのために母乳を採取し、運搬する仕事もあります。赤ちゃんとの愛情形成を上手く導く意味でも、両親との関係を繋ぐ役割が重要です。面会をスムーズに行い、不安に思う両親との関係を繋ぎましょう。

この点は産婦人科での仕事に近く、より不安になりがちな親御さんの応援という意味で大きなメリットを持ちます。NICUで働いていると、新生児集中ケアの専門に進みたいという考える人も出てきます。

出来るだけ専門性が高く、高度な医療を行っているNICUで働き、資格取得を目指す人を応援してもらえる病院がお勧めです。

NICU看護師のデメリット

1人前になるまでの時間が長い

NICUは新生児・未熟児専門の医療部門ですから、それまでどんなに看護師として学んできても経験を積んでも、新生児相手の仕事では役立ちません。未熟児や新生児を対象とした看護技術について、最初から勉強し直さないといけないのです。

その期間は短くても3年、NICUや小児科、産婦人科で本格的に働いて行きたいのならば、出来れば5年以上の計画で学んで行かなくてはなりません。先輩からの直接指導はもちろんのこと、段階ごとに技術チェックが行われています。

その厳しさから途中でNICUを辞めてしまう人も珍しくなく、看護教育の厳しさでも知られています。厳しい教育制度を乗り越えられる人だけがNICUで働き続けられるのです。