透析室で働く看護師のメリット

他の診療科や施設と比べて給料が高い

正職員なら月給、年収が高く、アルバイト・パートなら時給が高めに設定されています。透析室は大抵日勤だけのことが多いため、日勤だけで働きたい人にとってはとても魅力的です。日勤だけの仕事で高い給料がもらえるのは大いに魅力的と言えます。

単純なようでいて奥が深く、専門性を身につけられる

ブランクがある潜在看護師や未経験者も受け付けており、これから専門性を身につけたい人にとって大いにメリットとなります。最終的には認定看護師の資格を取得することも可能で、専門性を身につけてキャリアアップを目指したい人向けの職場です。

地味にハードではあるものの、透析という分野での専門家を目指したい人に向いているのがメリットです。

一度離職した潜在看護師の復職先として向いている

小規模なクリニックの透析室は即戦力としての技能が求められますが、ある程度の規模を持つ病院の透析室ではブランクが多少あっても問題なく受け入れてもらえます。

上記のとおり日勤だけ、もしくは短時間勤務が可能な職場なので、家庭と仕事を両立したい人にとって大いにメリットとなるでしょう。中には子育て支援を行っている透析室もありますから、離職せずに続けられる場合もあります。そのため、出産や育児休暇をきっかけとして透析室への異動や転職を願い出るナースもかなりいます。

例えば、お子さんに何かあった時に休んでも大丈夫で、子育てとの両立がしやすい職場というメリットはかなり大きく影響しています。

こうしたメリットがあるのは、所属する看護師の数が多いため後進の育成に余裕を持って当たれるからです。透析の経験がない新人に対しても時間の余裕を持って指導してもらえます。

仕事内容がルーティンワークに近いことも、新人を受け入れる余地のひとつとなっています。一定の技術を取得してしまえば後は楽をしても問題なく過ごせるからです。

透析室で働く看護師のデメリット

つぶしがきかない

これは透析分野における専門性を得られるメリットと表裏一体のデメリットです。透析室で働いていると、透析分野に偏った知識と技術を得られる代わりに、他の診療科で働きにくくなってしまうというデメリットがあります。

透析室で働き続ければ病棟で学べる看護業務全般が不得手になってしまうため、キャリア形成の上で不利になります。そのため、将来透析以外の分野で働きたい希望を持つ人にとってはつぶしがきかず、他の技術や知識を学べない状態に陥ってしまいます。

生涯透析室で働きたいのであればデメリットになりませんが、他の診療科や病棟、介護施設などで働いてみたい人にとってかなり深刻なデメリットとになるでしょう。

透析室に通う患者さんとのコミュニケーションが難しい

他の診療科との違いとして、透析患者さんは短くても数年、長ければ数十年に渡って人工透析を受け続けています。一度腎臓を患ってしまえば、人工透析が終わることはありません。

例えば、腎臓移植などで根本的な対処をしない限りは辛い状態で人工透析を続けていくことになります。当然患者さんは精神的に摩耗していて、日常的に接するナースとの信頼関係が重要視されてきます。また、患者さんは何年も透析に触れてきているため新人ナースよりも透析に関して知識があります。

そのため、新人ナースの知識の薄さに目ざとく患者さんから嫌がらせを受ける可能性があるのです。こうした患者さん相手の対応に苦労し、短期間で辞めていく例は珍しくありません。