療養型病院は療養病床をおもな病床としている病院であり、通称として用いられている言葉です。療養病床は精神疾患や感染症、結核ではない患者さんが入院する病床のうち一般病床以外のものということになります。

慢性期で長期間にわたって看護が必要とされる患者さんが対象となっていて、1人の患者さんが1年を超えて入院し続けているというケースもあります。

長期ケアが目的なので、看護師の重要性が高い

看護師の仕事としては患者さんの症状などが急な対応を要するというわけではないため、常にひっ迫しているという状況はありません。ただ治癒するまでには時間がかかりますから、長期的なケアを考える必要があります。

その緊急度といったところから、配置基準については一般病床と比較して人数が少なくなっています。その一方で一般病床との違いとして、看護補助者を配置しなければならないことになっています。

また集中的に治療が行われるという段階ではないため、医師よりむしろ看護師の役割が重要視される部分も多く、大きなやりがいが感じられます。

配置人数や職場環境の特徴

具体的には一般病床ですと3人の患者さんに対して1人以上の看護師を配置しなければならないところ、療養病床では4人に対して1人以上ということになっています。

看護補助者についても、4人に対して1人以上の配置が定められています。もちろんあくまでも基準ですから、病院によってそれぞれの方針や実施されている医療の内容などに応じ、看護師の配置が手厚くされている場合もあります。

実際に仕事をする職場については療養ということに主眼が置かれているため、施設としての設備や医療機器などが最低限のものに整えられていることが一般的です。

総合病院などで急性期と慢性期の病棟がそれぞれあるような場合ですと、急変があったときなども患者さんを移動させての措置がとられるといったこともあり、そもそも手術室がない職場などもあります。

他方、患者さんが長く療養するという前提から病室などは過ごしやすく、ゆったりすることのできる空間になっています。

介護療養型医療施設とは

介護保険が適用される介護療養型医療施設というものもあります。

介護療養型医療施設は病院が併設している例も多く高齢者で特別養護老人ホーム、介護老人保健施設といった施設に比べて要介護度が高く、医療面のケアも必要とされる人が対象となっている施設です。

枠組みとしては医療機関であるところから、本質的には疾患のステージが急性期から回復期に差しかかって寝たきりといった状況にある患者さんに対して、医学的なアプローチからのケアが行われます。

介護サービスが主軸ではないということになり、期限なく利用することのできる特別養護老人ホームなどとは異なり、身体的な状態が良くなれば退所しなければならないこともあります。

介護サービスに関しては介護スタッフが担当する部分となっていますから、看護師はあくまでも療養とかかわる医療ケアにあたることになります。具体的な業務として酸素吸入や胃ろう、痰の吸引、経鼻栄養といったケアも挙げられます。

介護療養型医療施設はさらに、要介護度が重度である人ですと介護療養病床、認知症が重度になっている人ですと老人性認知症疾患療養病床を利用することになります。

介護療養病床については2006年に厚生労働省が2017年度末での全廃という方針を示していたのですが、2014年に「療養機能強化型」として存続させる旨が決定されました。

老人性認知症疾患療養病床においては精神科の医療が行われ、介護サービスも提供されます。認知症の症状から家族で介護を行うことが難しい場合には入院治療にも対応していて、看護師としては精神科分野のケアにもあたることになります。

基本的には精神科としての対応になるという解釈であり、症状として現れている徘徊や攻撃的な行動などといった問題行動、そのほかの心理症状が改善されたということになれば、退院するか介護施設へ移るといった選択になります。