総合病院に勤務する外来看護師1人の負担

他のクリニックや個人病院と違い、所属する医師や看護師、技師の数が多いことに影響を受けています。クリニックや個人病院の場合、所属する医師はせいぜい1名から2名で、看護師もせいぜい10名未満、もしくは数名が良いところです。

理由としてクリニックや個人病院は組織として中規模以下であること、単科もしくは複合科であるため、大勢のスタッフは必要ないことが挙げられます。

その点、総合病院は多数の診療科を抱えており、組織として中規模以上であるため、スタッフの数がクリニックと比べれば尋常ではないほど多いのです。

ひとりのナースが担当する外来業務が少なくて済み、難しい仕事はほとんどありません。仕事を覚えるのに多少時間はかかりますが、覚えればすぐにこなせるようになるのが総合病院の外来ナースの特徴です。ただし医療界独特の繁忙期は例外なく忙しくなります。

総合病院の外来看護師の具体的な仕事内容

1番は医師の診療補助

クリニックの外来と違って診療補助がメインとなります。診療補助とは医師の指示のもと、医師の診療を補助することです。

例えば、リハビリテーション科の外来なら、リハビリをする患者さんの移動を手伝ったり、リハビリを担当する技師の手伝いなどが当てはまります。

外科系は、科によって診療補助の内容が大きく異なり、ほとんど診療補助の仕事がないということもあります。

その他にも、

  • 患者との信頼関係の構築
  • 検査、処置の準備・片づけ
  • 投薬
  • 多職種との報告・連絡・相談

内科や精神科と言った投薬がメインの診療科の場合、ナースの仕事内容が限られてくるため、より一層患者さんと接することが重要視されてきます。

診療補助の内容は、医師と一緒に患者さんと接することや医師の指示に従って採血、注射、処置を行うことも診療補助に当たります。

ただし後者は、クリニックや個人病院での看護師の仕事であり、総合病院において採血、点滴、検査は他の部署が担当してくれるため、外来ナースの仕事ではないという事情があります。

以前はカルテ整理がナースの仕事のひとつでしたが、最近は医療事務専門のスタッフを雇うことが増えてきたため、総合病院ではナースの仕事ではなくなりました。それではその分ナースの仕事は楽になるかと言えば違います。

総合病院と言うひとつの組織の中に複数の部署が存在するため、外来に所属するナースとして他部署との連携を取る仕事が追加されてきます。この点他部署が存在しないクリニックとは大きな違いとなっています。

総合病院の外来看護師の仕事としての特徴

総合病院とは主要な診療科が揃っていること、加えて入院施設が整っていることが条件となります。当然、総合病院には入院に必要な病棟が揃っており、外来との連絡が密である必要が出てきます。

入院のための病棟、検査室、処置室、採血室を始めとした各部署との連絡業務が総合病院の外来では新たに加わってきます。

外来で患者さんを診察し、必要があれば検査室や採血室、処置室に連絡を入れて、患者さんに必要な処置を行います。その連絡をあらかじめ入れておいたり、各部署からの情報を受け取って担当医に情報を伝えるのが仕事のひとつです。こうした連絡事務が重要な仕事で、事務処理能力が必須となってきます。

例えば外、来で診察していた患者さんの容体によっては緊急入院させるために連絡を入れたり、逆に入院中の患者さんの診察をすることもあります。

そのための連絡業務に加えて、医師や病棟側との時間調整を行うために、調整能力が必要とされています。

クリニックや個人病院と違って、年中忙しい分、やりがいや充実感を覚えられるのが外来ナースの仕事となっています。忙しくなるのは所属するのがどの診療科の外来であるかによって異なります。

例えば、インフルエンザが流行する冬場は、内科が繁忙期となってワクチンの接種から、治療のための抗生物質の投与まで忙しくなります。