皮膚科と美容皮膚科の違い

医療には様々な診療科目があり、看護師の仕事内容や役割は診療科目によって共通するものもあれば異なるものもあります。そのため、就職・転職など職場を変える場合にはどの診療科目を選ぶかということも重要で、それによって必要な知識やスキルも変わってきます。

皮膚科や美容皮膚科は他の診療科目に比べると手術をしたり治療に長い時間を必要とすることは少なく、大掛かりな治療で入院を伴うことも少ないのが特徴です。そのため、昼間の外来のみを行う医療機関が多く、残業や休日出勤、夜勤が少ない点は魅力的です。

どちらも皮膚に関する治療や施術を行っている点は共通していますが、異なる部分もあります。両者の違いをわかっていない人は意外と多いので、採用されてから「こんなはずじゃなかった」ということにならないよう両者の違いをきちんと理解しておきましょう。

皮膚科

皮膚科は、アトピーやニキビ、湿疹、水虫といった皮膚疾患を治療することを目的とする診療科目です。新生児から高齢者まで幅広い年齢層の患者が利用するという点と、クリニックや診療所など小規模の医療機関が多いという点が特徴です。

総合病院などに設置されている場合は、手術設備を備えている場合が多く、反対にクリニックなどでは外来の診察のみという傾向が多いです。

美容皮膚科

美容皮膚科は、肌トラブルの治療を行ったり肌の悩みを解消したりする場所ですが、「美容」を目的としている点で皮膚科と異なり、主に脱毛やアンチエイジングなどを行っています。ここで行われる施術は基本的に保険適用外で、医療というよりも美しくなるためのサービスを提供していると考えると良いでしょう

そのため、看護スキルだけでなく接遇スキルも必要となり、「患者」ではなく「お客様」として利用者を迎えるなど医療現場とは全く異なる環境にあります。利用者のほとんどは女性で、医師やスタッフにも女性が多いのが特徴です。

皮膚科・美容皮膚科看護師の仕事内容

皮膚科

皮膚科での仕事内容は、

  • 採血・投薬
  • 医師の診察補助
  • 誘導など
  • がメインとなることがほとんどです。

手術設備を持つ場合には手術補助の役割を担うことがあり、職場によっては手術補助担当として採用されるケースもあります。

基本的に昼間の外来のみで、残業も少なく夜勤が無いことが多い傾向にありますが、勤務中は患者の列が途絶えないということも多く多忙な職場でもあります。

その他にも、診察や治療に必要な器具類の準備・片付け、事務作業、雑用なども任されることは多くあります。

学生や女性の患者の中には、顔にニキビなどの皮膚疾患があって悩んだり落ち込んだりしている人も多く、そのような患者の不安を和らげたりきちんと治療できるように励ましたりするのも重要な仕事です。

美容皮膚科

美容皮膚科での主な仕事内容は、

  • 医師の診察補助
  • 施術補助
  • カウンセリングなど

美容皮膚科では注射や点滴を行う機会が多く、これらは看護師の役割の中でも特に重要でメインとなるものでもあります。また、お客様がどんな悩みやコンプレックスを持ち、どう美しくなりたいと思っているかなどの希望を聞いて施術内容を話し合ったり、施術に不安を感じている人の不安を取り除いたりすることも看護師の役割で、コミュニケーションを大事にして信頼を築いていくということも重要な仕事です。

その他に、施術の際に使用する機械・器具の準備・片付け、受付などを受け持つことも多くあります。

また、診察や施術だけでなく快適な空間をつくることも看護師の仕事です。待ち時間を快適に過ごすことができるようリラックスできるようなアロマを使ったり、ゆったりできるような工夫をしたりするだけでなく、美容に関することや悩みを話しやすい雰囲気をつくることも重要です。

このように、施術以外の仕事も多く必要なスキルも多いのが特徴で、施術の腕はもちろんクリニックの雰囲気や接客態度など色々なところに目を向けて気配りを行うことも看護師の役割です。