放射線科で働く看護師のメリット

専門知識を学ぶことができる

放射線科では、放射線という繊細な分野を扱うため、専門知識を蓄えることができます。加えて一般的な看護技術を身につけるのにも適した診療科なので、人気が高いのも頷けます。

特に放射線治療科においては、患者さんに放射線を放射することで治療を行うため、危険性と隣り合わせであることを説明しなくてはなりません。治療の前に患者さんに意思確認をし、ご家族に説明をして納得してもらうだけの説明力、その前提となる知識が不可欠なのです。

そうした知識を蓄えられる環境にあるのが放射線治療科のメリットであり、勉強できる環境を整えてもらえる職場となっています。

よりチームの連携を意識して仕事ができる

放射線治療科では、看護師だけでなく、医師、技師との混合チームによるチーム医療が基本となっています。治療に当たってチームの連携が重要になってくるため、職場の人間関係に重きを置く必要が出てきます。

医師は、検査や治療方法を全体から見て選択すること、画像から患者さんの状態を読み取ります。その上で技師は、実際に放射線の照射を始めとする機器の操作を担当します。看護師は、治療に前後で患者さんへの説明とケアを行うため、典型的なチームプレイが基本となってきます。

このように、医師、技師、看護師という3者の連携によってチーム医療を実施していくことになります。こうしたチームでの連携力に加えて、ナースは患者さんに何か変化があったら、すぐに対応する実行力など、身につけていくスキルはたくさんあります。

日勤のみの勤務がほとんど

画像診断部門であっても、放射線治療科であっても、日勤だけの勤務である場合がほとんどです。放射線治療科は、入院の必要がある患者もいますが、検査のみだけなら入院の必要はまずなく、夜勤を経験せずに勤務することが可能となっています。

例えば、キャリアプランを考える上で、放射線科で日々経験を積んでいき、今は日勤と夜勤両方をこなして、将来的に日勤だけの病院へ転勤するという方法が取れるのです。

また、放射線科は、特殊で専門性の高い診療科であり、加えて何か特殊な技能を備えていれば、日勤のみでも高い給料を得やすくなるでしょう。日勤だけで年収を維持したり、むしろ年収アップを見込めるのが放射線科のメリットなのです。

ただし夜勤もこなして夜勤手当をつけて、更に年収をあげたいというキャリアプランには不向きとなっています。その点ではメリットであると同時にデメリットともなっていて、将来の選択肢を広げる経験を割り切っておいた方が良いでしょう。

放射線科で積んだ経験と身につけた知識を将来に役立てるつもりで勉強するという選択肢もあります。患者さんの状態を見極めて適切な説明を施すスキルは、続けて放射線科に勤務せず、転職を選ぶとして将来どの診療科でも役立てられることでしょう。

放射線科で働く看護師のデメリット

看護師が放射線科で働くことによるデメリットは、放射線から受ける被ばくの危険です。

放射線科は、名前のとおり放射線を扱う診療科であるため、日常的に放射線に接することになります。これは、患者さんが一番多く晒される危険性でもあって、治療や検査によって被ばくするデメリットより、症状が改善されるメリットが高いと判断された時に放射線科で治療や検査を受けていることになります。

直接放射線に触れるのは患者さんですが、取り扱う放射線技師や医師、看護師も同様に被ばくの危険性に晒されます。患者さん自身に比べればはるかに危険性は低いものの、ゼロではありません。

そのため、放射線科に所属するスタッフ全員が定期的に健康診断を義務付けられており、放射線のリスクを押さえ、万が一何らかの異常があった場合に速やかに治療を受けられるシステムが整っています。

これは、放射線を扱う研究職の人も同じで、大学病院では放射線に携わるすべての関係者が揃って血液検査を受ける光景が見られ、同じ放射線関係者が人脈を広げることもできます。