■20代女性

新卒で初めて形成外科に配属されたばかりのことを思い出します。

採血や注射だけでも緊張して手が震えてしまいましたが、患者さんの方が私を新人看護師と分かってくれて「大丈夫。失敗しても良いから」と言ってくれました。患者さんの前では、看護師は新人もベテランも関係ありません。このように患者さんに気を遣わせてしまったことは看護師として失格でした。

形成外科の患者さんは、痛みを伴うことも多く、疾患や手術跡によるボディーイメージの混乱により不安を抱えている人もいます。

ですが、私自身新人であったため自信が持てず、患者さんに十分が声をかけてあげられなかったのが悔しかったものです。

その後、先輩たちから形成外科の立ち位置や仕事内容を教えてもらい、研修を受け続け、現場での経験を経て数年、ようやく半人前くらいにはなれたと思います。今でも初めての患者さんとの思い出は忘れられず、処置で緊張して失敗しそうになった時のことを覚えています。今度は半人前から一人前を目指して日々精進して行こうと思います。


■30代女性

形成外科の仕事内容は大変多岐に渡っていて、他の診療科から移ってきたばかりの頃は、覚えることが増えて苦労しました。

以前は、注射、採血、手術における準備、介助など、外科的な面と内科的な面、両方を持っているのが特徴です。

形成外科に勤務するナースの声として言えば、内科から移ってきても外科から移ってきても、勉強する内容が同じように多いのが特徴だと思います。特に、失われたしまった組織の再建などは、広く外科方面での勉強になります。

投薬の方針については内科方面での勉強になりますし、今後形成外科に留まるにしろ、別の診療科に移っていくにしろ、マイナスには決してなりません。

組織の再建で綺麗に元通り、とまで行かずとも大分ましな状態になった時、患者さんが喜んでくれた時がとてもやりがいを感じられます。形成外科ではチームで働くことが多く、チーム一丸となってやり遂げたと感じられるのです。退院する時になると、我が事のように喜ばしく感じられ、これから日常生活を無事に送れるようにと祈っています。


■40代女性

これまで5度ほど転職を繰り返し、現在の形成外科クリニックで数年落ち着いて仕事をしています。

どの職場でも、年齢関係なく先に勤務している先輩看護師が丁寧に教えてくれましたから、新しい診療科で苦労した覚えはあまりありません。形成外科に勤務するナースの声として、やはり先輩たちの温かな指導があるほど看護師として、人として成長できるのだと思えます。

医療の世界は、知識と技術は日々新しくなるもので、研究心は形成外科で働く以上必須のものです。この歳になり、新しく覚えることは大変になってきましたが、新しい技術が生まれるたび、勉強が必要なのだと思い知らされています。

何より患者さんが感謝の言葉をくれるたびに、煩雑な看護の疲れも吹き飛んでいくのが感じられました。帰りのあいさつをくれる患者さんを見送るたびに、明日も頑張って仕事をしようと思えるのです。患者さんのおかげで、職場で疲れやストレスを感じても、家庭に持ち込まずに済むため、公私ともに充実しています。


■50代女性

形成外科で働き続けてトータルで10年が過ぎました。現在は若い看護師の研修に携わり、後進の育成に力を注いでいます。

形成外科では患者さんへのメンタル面へのサポートが重要になってくるため、人生経験を長く積んだ者が有利になってきます。その点若手には不利になってしまうため、私のようなベテランの知識が必要とされてくるのです。最新の技術は若手の皆さんの方が吸収が速いものの、患者さんとの接し方、長く変わらない看護技術の熟練度のついては負けていません。

若手の皆さんと競争しつつ、自身の知識と経験を伝えていくことで、やりがいを感じています。出来れば今よりも更に新人研修を充実させていきたいので、もう少し病院側に働きかけて同僚たちと頑張っていきたいものです。