仕事は楽?辛い?

精神科や心療内科での仕事は、緊急性が少なく、じっくりと患者さんに向き合うことができます。残業が少ない職場も多く、急性期の病棟などに比べて、ゆったりとした気持ちで仕事ができるでしょう。しかし、患者さんのなかには、心を閉ざしてしまっている人もいます。微妙な変化に気づいたり、投薬状況を正確に管理したりするなどの細かな注意が必要です。また、治療は長期に及ぶことがほとんどで、目に見える効果が実感しにくいため、粘り強さや、患者さんが興奮状態になってしまったときなど、冷静な対応が必要となります。


向いている人は?向いていない人は?

精神科や心療内科では、患者さんとのコミュニケーションが大事になります。患者さんのペースに合わせて、意見に耳を傾け、受け止めるといったことです。誰とでも話ができたり、人の話に耳を傾けられたりできる人が向いているでしょう。治療が長期的であり、すぐに効果がでるとも限らないため、粘り強く物事に取り組める人も向いています。反面、患者さんが暴れてしまったり、暴言を吐いてしまったりすることに、冷静に対処できるよう、精神的・身体的な強さが求められるでしょう。また、すぐ目に見えた効果を実感したいと考えている人には、向いていないかもしれません。


どんな求人を選ぶべき?

精神科・心療内科とひとくちにいっても、その内容はさまざまです。例えば、病棟には、開放病棟や閉鎖病棟、アルコール依存症や児童・思春期に特化した病棟などさまざまにあります。認知症の患者さんが多いところ、働き盛りの世代の患者さんが多いところなど、どのような人を対象にしているかによっての違いもあります。まず、自分が精神科・心療内科で何をしたいのか、はっきりさせてから、求人を選ぶようにするとよいでしょう。


大学病院、総合病院、クリニック、それぞれの違いは?

大学病院は、地域の精神病院と連携しながら、地域が抱える政策課題に取り組んだり、先進医療の提供を行ったりするなど、精神医療において、中心的な役割を果たしている場合が多くなっています。専門的なスキルや技術を身につけ、キャリアアップを図るのによいでしょう。総合病院の精神科・心療内科では、入院施設もあり、患者さんの薬の管理や日常生活を送るための支援(買い物やお金の管理、リクレーションの参加など)、お風呂や散髪など患者さんへのセルフケアへの支援など、実践的な知識や技術を身につけることができます。クリニックや診療所は外来のみのところが多く、医師の診察補助が主な業務となります。基本的な知識や技術を身につけるのによいでしょう。


どうしても精神科・心療内科で働きたい人はどうしたらいい?

一度、上司に相談してみましょう。なぜ今の診療科に自分が配属になったのかを聴いてみるとよいでしょう。そして、自分の希望を改めて伝えてみましょう。もし、納得のいく返事がなければ、ほかの職場を探すなど、転職を考えるのもひとつの方法です。それでも、転職をしたくない場合、看護や自分自身の人間の幅を広げる機会ととらえて、取り組んでみるのはどうでしょう。実際に働いてみると、発見があるかもしれません。精神科や心療内科で必要な患者さんとの関わりは、ほかの診療科でも学んでいくことができます。将来、精神科・心療内科に配属されるときに備えて、勉強を積んでおくと捉えてはどうでしょうか。


未経験の看護師でも働ける?

未経験でも働くことのできる職場はあります。比較的症状が安定している患者さんの受け持ちからスタートするなど、未経験者に配慮した業務の振り分けを行っている病院もあります。未経験でも受け入れ可能であることをアピールしている求人や、研修・教育制度が整っている病院などを探してみるとよいでしょう。


アルバイトやパート勤務はある?

アルバイトやパートの勤務もあります。精神科や心療内科を専門にしている病院、認知症に特化した病院などを中心に、探してみるとよいでしょう。週に数日の勤務や、土日休みなどの要望に対応している病院もあります。自分の希望の働き方を決めて、探してみるとよいでしょう。


夜勤は多い?日勤のみでも働ける?

2交替制や3交替制をとっている病院も多く、一般の病棟と同じように夜勤もありますが、最近では、日勤のみの勤務が可能なところもあります。子育て中のママさんナースが活躍している職場や、働きやすい環境を重視している病院もあり、勤務体制について柔軟な対応を行っている病院も少しずつ増えてきています。ハローワークや転職サイトで求人を探すとき、勤務条件にも注意して探してみるとよいでしょう。