在宅医療を推進する現代、訪問看護師への期待が高まっています。訪問看護ステーションの立ち上げや、訪問看護事業への介入を果す医療機関も増加しています。

しかし、その訪問看護の診療に対する暗雲が立ち込めているようです。

重症障害者の医療的処置を行う訪問看護では、その制度をめぐり見直し案が出されています。

医療を施す現場では、その患者負担の多さから、訪問看護を受けたくても受けられない患者さんが多くいます。

重度障害者の訪問看護は全国のほとんどの市町村が利用に対する助成制度を設けています。医療機関における訪問看護は、何回利用しても一医療機関に付き負担は最大1000円と言われています。

しかし、医療機関での訪問看護は定着せず、訪問看護ステーションでの訪問看護が主流となっています。この場合、自己負担は費用の一割、週三回利用したとすると月に約1万円を越えることもあります。

同じ訪問看護なのに、派遣元の違いや地域間格差が生まれることに問題を定義する人々が増えている現状があります。

では、現況の訪問看護システムについて少しまとめてみます。

訪問看護のシステム

病気や障害を持った人が在宅で療養生活を送れるよう、看護師が依頼者である患者さんの自宅を訪れ、医療的なケアや日常生活支援を行います。異変や急変に関しては、かかりつけ医と連携して対応するようになっています。

サービス内容

療養上のお世話:清拭、入浴、洗髪、食事介助、排泄ケアを行います。

病状の観察:バイタルサイン測定、症状や状態の観察、障害や機能障害の程度を観察し、異常早期発見に努めます。

医療行為:医師の指示書に基づく医療行為を行います。点滴、検査、投薬、吸引、浣腸など。

終末期ケアや障害看護:自宅での療養が計億出来るようニーズに応じた支援を行います。褥創予防、褥創処置、リハビリテーション、気分転換や罨法などのリラックスケア、在宅酸素や人工呼吸器の管理等も行います。

家族ケア:家族に対して介護支援、指導や教育、介護予防を行います。また、介護を行う家族にメンタルケアを行いストレスが溜まらないよう支援者となります。

利用費用

医療保険:70歳以上は原則1割負担、高所得者と70歳以下の人々は3割負担となります。おむつ、交通費、死後の処置は実費負担となります。

介護保険:支払限度額内であれば1割負担となり、限度を越えれば全額自己負担となります。

スケジュール

多くの訪問看護ステーションでは、看護師一人に付き一日大体4~5件を巡回します。大体60分のケア計画となることが多く、会社の社用車でお宅訪問する事が多いです。

決められた時間帯に各家庭を訪問し、ケアをお行い、一日の終わりに行ったケアの記録や状況報告をすることが多いです。

まとめ

訪問看護師は需要が増加するとみられる仕事です。

自分のペースで仕事が行え、責任感やプレッシャーはありますが、一対一の看護に達成感ややりがいを感じられます。

患者さん自体も、心を開き、人と人の関わりを心から感じられる対話が可能で、濃厚な関係を築ける事も遣り甲斐です。

しかし、そうなるには看護師自身の能力開発に対する姿勢や患者さんを思う気持ちが重要となり、やはり、責任感持って患者さんに尽くせる看護師が適任と言えます。

自分ひとりで訪問し、決められた時間内に決められたこと、また、予定に無かった相談や指導を行う事があったり、急変や緊急事態への対応もしなければならないハードは仕事でもあります。

しかし、患者さんの生活に寄り添い、その方に献身的に向き合えるこの仕事に魅力を感じませんか?