秋から冬にかけて増加する感染症の一つとして溶連菌感染症があります。保育所や家庭、小児科病棟や小児科外来に増える子供に多い病気です。

空気が乾燥し、気温が低下してくる今、ウイルスの活動性が高まり、免疫の弱い子供たちはあらゆる感染症にかかりやすくなります。

その代表格として、風邪症候群、インフルエンザ、ロタウイルスやRSウイルス、そして、溶連菌感染症です。

人にうつるかもしれない感染症に対する認識を深め、看護師は院内感染や地域や社会での蔓延を食い止められるよう働かなければなりません。

溶連菌感染症とは

溶連菌感染症の起因するウイルスは、溶血性連鎖球菌と言い、呼吸器症状を呈し子供たちを襲います。

喉の症状が多く、咽頭炎、扁桃炎、猩紅熱を発症します。

子供に多い疾患として知られていますが、溶連菌に感染した小児を看護している免疫や抵抗力が低下した大人もその餌食になることがあります。

大人がかかると重症化し易い、感染を免れたい疾患です。

看護師は、感染予防策を講じ、感染しないよう体調管理が必要です。

主症状

38度から39度の発熱、喉の腫れや痛み、風邪症状、全身倦怠感や脱力感、手足のかゆみを伴う発疹等があります。イチゴ舌という、赤くプツプツした発疹が舌に現れることもあります。

感染経路

接触感染や飛沫感染により溶連菌感染症は広がります。

発症した人の咳やくしゃみから発せられたり、ウイルスのついた手で周囲のものに触れることでウイルスが伝播する事があります。

家族や兄弟間の感染は、25%と言われており、同じ環境に存在する人々の濃厚摂食での感染率は高いものです。

予防

マスクとうがい、手洗いの遵守徹底により感染対策を行う事が出来ます。

医療職者や保育者は、おもちゃや手すり、環境の消毒を行う事でウイルスを除去するよう努めなければなりません。

合併症

溶連菌感染症にり患すると、基礎疾患が悪化する場合があります。

アトピーの増悪、伝染性膿痂疹への進行、リウマチ熱の発症や急性糸球体腎炎の合併、喘息などの呼吸器系基礎疾患の悪化が認められます。

治療

溶連菌感染症の診断は、咽頭拭い液の採取により容易に診断可能です。

治療には、抗生物質の内服により薬物療法が行われ、高熱に対しては解熱剤の投与を行います。通常、内服より2日から3日で状態は回復します。

しかし、基礎疾患があったり、免疫や抵抗力の低下した場合は、長期化する事があります。

症状が消えても、10日間程度の内服継続が指示されることが多く、中途半端な内服でウイルスが残存した状態では、心臓弁膜障害、リウマチ熱、急性糸球体腎炎などの合併症の発症や、耐性菌として、その抗生物質が効きにくくなる事もある為注意が必要です。

学校生活の指導

感染後、投薬治療を開始して24時間から48時間以上経過していれば学校生活に戻ることが可能ですが、症状や状態により感染リスクを考慮し登校や登園を控えるよう指導されることがあります。

溶連菌感染症で自宅療養する患者への指導

多くの患児は、外来診療で自宅療養を行います。看護師は患児を看護する両親や母親に指導を行います。

入浴

熱が下がれば入浴可能です。しかし、入浴による体力消耗が回復を遅延させることがある為、負担を考慮して安全に入浴する事が大切です。

食事

口腔内の炎症により、熱いものや刺激物は取りにくくなります。喉越しがよく、消化に良い食べ物を与えるよう指導しましょう。

脱水症が身体に与える悪影響は強く、食事で栄養が取れなくても、水分だけはとるよ右指導しましょう。ゼリー・プリン・ヨーグルト、うどん、おかゆ、茶碗蒸しなどがよいでしょう。

まとめ

感染症にかかった患児と接する時、看護師は患児本人に分かるよう話すこと、より深く重要なことは家族である保護者に伝える必要があります。

親の心理として、子供の状態を案じ、また病気にならせてしまった心痛を感じていることがあり、心配や不安を強く感じていることがあります。

よって、具体的に分かりやすく、実践可能な情報を伝えることが重要です。

溶連菌感染症は、学校や保育所などの集団生活をしていれば、容易にかかってしまう病気であることを伝えると、親の自責の念を和らげることが出来るでしょう。

そうして、正しい情報を伝えることで重症化しないようケア出来るよう指導、支援する事が大切です。