思春期に多いと思われていたいじめも、低年齢化し、小学校低学年でもいじめによるトラブルや登校拒否が見受けられるようになっています。

学校教育を受けることは健全な発育に重要で、未来を担う子供たちが、必要な教育を受けられないとなると、この国の将来までも揺らがす結果となりかねません。

子供の心の成長と健康な発育にはどのような働きかけが必要でしょうか。また、子供の異変にいち早く気づくことに、どのような対策が必要なのでしょうか。

看護師の資格を活かして教育の現場で働いてみたい方はぜひ参考にしてみて下さい。

いじめの実態 ~公立学校と私立学校の違い~

公立学校と私立学校でもいじめの実態は異なります。

公立学校では、どの生徒も平等に入学し、生活をするようになります。生活水準も、教育レベルも、成育背景も全く異なる子供たちが、みな平等に同じ教育を受けます。

その為に、弱い子供、貧しい子供などを対象にいじめが発生し易いと言われています。

私立学校はというと、多くは受験や選別を行われ、その学校特有の教育方針等を理解し、同じ方向性を持って生活出来る子供たちが集合します。

よって、生活水準や、頭脳レベル、家庭環境も似たり寄ったり、近しい事が多く、その面でのトラブルは公立学校よりは少ないと言われています。

では、私立学校ではいじめが少ないのかというと、学力やその子の特性や性格など生活水準以外でのいじめがあるようです。

教育者の不足によるいじめ増加

少子化により生徒や学生数が減少し、教員の数は減らされています。

しかし、子供が少ないのにいじめの件数は増加し、一つの学校、一つの教室内でのいじめが多く、教職員もその対応を迫られます。

人数が少ないゆえに、生徒を充分に観察、理解できずいじめを発見できない、発見できても必要な対応が出来ないと言う現状があります。

いじめの防止には、少人数学級が有効との声があります。

先生も多人数だと生徒一人一人を把握しきれず、教室で何が起こっているのかが分かりにくくなると言われています。

もっと子供たちと触れ合いたいとの教育者の声や、教育者になりたかったはずだけれども、日々の業務に追われて子供と向き合えない仕事に対しヤキモキしている教職員もいます。

ある都市では、40人編成の学級から25人編成にしたところ、先生の眼を充分に届かすことが出来、いじめに気付く、いじめになるかもしれない言動に気付けるようになったと言われています

では、教員の力と共に、医療職者である看護師の資格を持つものやカウンセラーの技術を持つものの子供の教育関与について記載します。

学校教育における健康管理者の役割

養護教諭

保健の先生は、児童や生徒の心身の健康管理を行い、学校の保健や衛生を取り仕切ります。

医療、看護、衛生の観点から仕事を行い、児童や教職員の健康管理、怪我や事故への対処、心身の健康上の相談や対応、必要な時の医療機関の情報提供、学校生活での危機管理や安全管理、感染症などへの啓発や対策、地域との交流などを担います。

また、子供の心の健康を維持、増進するため、保健室を解放し悩みを聴いたり、相談に応じます。

子供の思いを受けとめ優しく対応し、励まし、心身ともに健康的に生活出来るようサポート役にもなります。

時に、保護者の抱える教育や養育上の悩みなどにも対応します。

養護教諭になるには

准看護師の資格では、養護教諭になる学校への入学は困難で、必ず正看護師の資格が必要です。

看護師の資格取得後、専門学校や短期大学の所定の課程を2年修めて養護教諭ニ種の免許が受けられます。

大学の保健師資格取得のための課程や、看護専門学校卒業後に保健師の専門学校を卒業し、保健師の資格がある場合は、教員養成施設に入学し、半年から1年所定の課程を修めることで養護教諭一種の、免許を受けることが出来ます。

この他、四年制大学を卒業し、看護師、保健師、教員免許を取得し、大学院の2年間の定められた課程を修了すると、専修免許をもって養護教諭として勤務する事がっ出来ます。

しかし、どの資格を取得しても、各都道府県や私立学校の教育採用試験に合格しなければなりませんし、養護教諭は各学校にそう多くの人材を求められるのではなく、一人や二人、非常勤などでの雇用もある為、狭き門とも言えます。

スクールカウンセラー

いじめの増加、不登校や家庭環境の変容により、心に問題を抱えた児童や生徒が急増しています。

子供たちが安心して学校に通い、健康的に健全に教育を受けるために、カウンセリングや関わりを持って心のケアが必要と言われています。

しかしながら、教員は、人員不足、過重業務により、なかなかその細部にまで目配りが出来ず、いじめを見過ごしたり、対処に悩むことがあります。

そこで、子供たちの心のケアを専門的に行うのが、スクールカウンセラーです。スクールカウンセラーで雇用される資格として、心理カウンセラーや臨床心理士などの資格があります。

臨床心理士

臨床心理士になるのは、臨床心理士を目指す指定のカリキュラムを持った大学院や専門職大学院を卒業しなければなりません。

そうして、所定の課程を修め、公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会の資格試験に合格しなければなりません。

大学卒業以上の能力が必要で心理学の単位と卒業論文の単位取得が必要です。

指定大学院の種類でも異なり、一種指定であれば、課程修了後すぐに臨床心理士試験を受けることが出来ますが、二種指定の大学院では、課程修了後、1年間の実務経験を経て資格試験受験となります。

筆記試験と面接試験では、合格率60%と高くはない合格率です。

心理カウンセラー

心理カウンセラーは資格ではありません。

民間団体等が行う講座を修了した人に与えられるものです。

メンタルケアカウンセラー、精神保健福祉士、産業カウンセラー、臨床心理士、認定心理士、学校心理士、認定カウンセラー、教育カウンセラーなどたくさんの認定資格があります。

学校関連、子供たちのメンタルケアに関われる資格は、臨床心理士はもちろんですが、青少年ストレスカウンセラー、不登校訪問専門員、ひきこもり支援相談員などがあります。

まとめ

お受験、家庭不和、子供への過干渉等、大人たちのプレッシャー。子供に係る心の負担は大きいのかもしれません。

看護師をしていても、よくその事を考えさせられます。

看護師として、患者の子供の心を理解する、また、医療現場ではなく教育現場で力を尽くす選択肢もあります。

なにより、この世の行く末を担う子供の健康発達には、心のケアが重要と言えるでしょう。