低年齢化するがん疾患に対し、その治療がその若い男女を不妊に導くとして、治療前に卵子や精子を凍結保存し、抗がん剤治療における不妊者撲滅を目指す取り組みがあります。

以前より、抗がん剤が卵子や精子に与える悪影響を心配されていましたが、治療前に卵子や精子を抽出し、凍結保存する事で、正常な卵子や精子を確保し、治療後妊娠を望んだ時に、これを利用して妊娠や出産が出来るよう医療機関が関われるようになりそうです。

患者さんの年齢や適応者の特定などについて議論が進められます。

不妊治療について

不妊治療については、保険適応内の治療、保険適応外の治療があります。

患者さんが治療内容とその結果、リスクや危険性、費用面を理解し納得した形で治療する事が求められます。

また、性周期に合わせたタイミング療法た医師からの指導があり、精神的要因が絡んだストレスフルな治療になることがある事も知って貰わなければなりません。

そして、女性側だけではなく、男性側にも理解と協力が重要となる事を男性側に理解して貰わなければ良好な結果が得られないことがあります。

自分たちの生活や仕事などの治療に与える影響、選択した治療が金銭面に与える影響を考慮し、治療に関して「自己決定」出来るよう支援、指導しなければなりません。

医療職者は、患者さんの人権と尊厳、羞恥心やプライバシーに関わることを充分に把握し、配慮ある対応が求められます。

治療内容

タイミング法やホルモン療法、人工授精や体外受精、顕微授精があります。

タイミング療法やホルモン療法は保険適応内ですが、人工授精や体外受精、顕微授精は保険適応外ですので、医療機関により費用が異なります。

これらの情報を充分に理解し、自分たちのライフスタイルと治療方針、費用への帝王性を考慮した治療内容の自己選択が必要です。

充分な説明と、患者さんの正しい理解と納得を持った決定が必要です。

また、高額で先進的な治療だから成功する、成功率が高いというわけではないことを充分に理解できるような説明が必要です。

医療職者として、治療を開始した患者さんとそのパートナーの精神的支援が重要です。

治療が失敗に終わった時のメンタルケア、妊娠に至っても流産してしまった夫婦への精神的支援、次のステップに進む夫婦への教育と心のケアが必要です。

また、健康的に治療を進める為に、生活習慣の整えや規則正しい生活指導、栄養や休息、運動の指導を行い、効果的な治療が行える指導や教育を行う必要があります。

不妊治療に関わる資格

不妊症看護認定看護師

日本看護協会では、不妊症に悩むカップルに対し熟練した看護技術と知識を持って質の高い看護を行い、ケアがなされるように不妊症看護認定看護師資格を立ちあげています。

不妊症分野において、実戦力と同職者への教育指導、相談助言ができる専門的知識を持った人材、患者さん個人とそのご家族を理解した質の高いケアの実践者に与えられ、不妊看護の専門家を育成しています。

日本の看護師資格を保有し、看護師実績5年、不妊に関わる看護を3年以上経験した看護師が、日本看護協会の定めた専門教育を行い、試験の合格する事で与えられる資格です。

不妊カウンセラー、体外受精コーディネーター

不妊カウンセラーは、不妊で悩む夫婦に対し妊娠や出産、不妊に関する適切な情報提供を行い、治療や日々の生活において必要な知識を有し、どうしていくべきか自己決定出来るよう支援する事が役目です。

体外受精コーディネーターは、体外受精や顕微授精を受ける患者さんやカップルに対して正しい情報提供を行い、治療や方針を自己決定出来るよう支援する事を役目とします。

不妊に悩む人々に対し、正しい知識と理解を促し、その悩みを聴き、どのように治療を進め、どう歩むべきかを一緒に悩みます。

そして、その悩みを理解し、不安や思いを吐き出し、納得いく治療法の選択と、治療結果による精神的ダメージを補うカウンセリングやコミュ二ケーション法で精神的支援を行います。

抗がん剤治療を行う夫婦にとって、今後不妊になるかもしれないと言う事は今のがん治療をどうすべきか悩む内容となります。

しかし、癌は刻一刻と身体を蝕み、進行しています。

そこに一石を投じることが出来るのが卵子や精子の凍結保存です。

この事を、がん治療を行い、今後妊娠を望む夫婦に知らせることも不妊カウンセラー、体外受精コーディネーターの任務かもしれません。

まとめ

がん疾患の低年齢化が言われる中、若くしてがんになってしまった若い夫婦に希望を持たせられる治療が卵子や精子の凍結保存なのかもしれません。

また、この治療が希望で、がん治療を頑張る力になるかもしれない、がん治療への希望の光となるかもしれない選択肢です。

看護師として、また、不妊カウンセラーや認定看護師等の資格を取得し、悩む患者さんに多くの選択肢を与えられる専門家への成長を果すこともスキルアップの一つと言えるでしょう。