慢性呼吸器疾患に悩む高齢者や成人に朗報、疾患治療により身体機能が改善するという調査結果が得られています。

なかなか効果的な治療や治療結果が得られず、長期化する治療に嫌気がさし、投げやりになってしまう患者さんが多いのが慢性の呼吸器疾患です。

そのような患者さんに根気強く治療する事を勧めることに難しさを感じてしまう看護師もいます。

しかし、自分の身体機能を維持、改善したい場合には、治療を続けるべきと言う事なのです。

このように説明したり、ともに病気と闘う事で患者さんに希望の光を与えられるかもしれません。

国内には、530万人の慢性閉塞性肺疾患の患者さんが存在し、その死亡者数は年間1万6000人と増加の一途をたどっています。

この疾患を有する患者さんを対象に、治療前後で肺機能検査等を行い、その結果と、痰や咳、息切れなどの症状変化、治療前後の身体活動を聴取すると、症状改善に伴い、身体活動も活発となったとの結果をまとめられました。

慢性閉塞性肺疾患の看護と理解

症状

風邪を引いているわけでもないが、咳や痰が慢性的に出続ける。

息切れ、息苦しさを感じるようになる。

進行すると、活動や日常生活をするだけで呼吸困難となり、日常生活を送ることだけでもしんどさや辛さを感じる。

重症になると、呼吸不全、心不全、全身状態の悪化を来たします。

肺の状態

気管支の壁が厚くなり、その為に気管支の管が細くなり呼吸がしづらくなります。

分泌物が増加し、痰の増加、しつこい咳が出るようになります。

ついには、肺胞が破壊され、肺全体の弾性低下、収縮性の低下を来たし、吸う事が難しくなります。

感染症の恐怖:一度呼吸器系の感染症に罹患すると、急速に呼吸状態が悪化し重症化します。

風邪、インフルエンザ、肺炎などには注意が必要です。

一旦重症化すると、症状が改善しても呼吸機能が低下し、回復することは困難と言われています。

検査

胸部レントゲン撮影、胸部CT、呼吸機能検査、血液ガス検査

呼吸機能検査では、呼吸の1秒率(一秒間に息を吐き出す量)が70%未満になると万銭閉塞性肺疾患と診断されます。

治療

薬物療法、呼吸理学療法、酸素療法などを行います。

禁煙指導、運動療法、栄養指導も含みます。

日常生活の指導に関して、有酸素運動が症状安定に重要とされています。

抵抗力を付け、基礎体力をまかなうためにウォーキングなどの軽い運動を一日20分程度行う事を指導します。

観察点

・バイタルサイン、呼吸回数、SPO2、呼吸リズム

・呼吸困難感、爪や唇のチアノーゼ、末梢循環不良や冷感

・喀痰の量や性状、咳

・喘鳴、肺呼吸音や複雑音

・胸部レントゲン写真

・呼吸補助筋の緊張有無

・血液ガスデータ

・酸素療法と酸素量

・意識レベル、頭痛、低酸素症状

・呼吸状態悪化による心不全状態の鑑別(尿量、浮腫、食欲不振、全身倦怠感、頸動脈怒張など)

・患者さん本人の認識と支援者の理解

必要なケア

吸引や喀痰排泄のケア、加湿による気道の乾燥予防など、気道の清浄化を図る。

安楽な呼吸が出来るよう体位変換やポジショニングを支援する。

薬物療法を守り、喀痰喀出や安楽な呼吸、心不全等があればその治療を正しく行えるよう支援する。

呼吸リハビリテーションによる呼吸の安静と安楽な呼吸支援を行う。

日常生活支援を行い、負担ある活動や身体的負担軽減を図る。

酸素療法の徹底による呼吸の安静化を図る。

呼吸による消費エネルギーをまかなう為、栄養摂取や食事摂取支援を行う。

引いては、体力維持や活動性維持に繋がります。

水分出納バランスを把握し、心負荷を軽減する。

疾患や治療に対する不安を軽減し、精神的サポートを行う。

感染症合併による身体消耗を回避するために感染予防対策を行う。

内服、酸素療法、呼吸法や活動等について自己管理法を指導する。

まとめ

慢性閉塞性肺疾患は、長期的に治療が必要で、呼吸状態の悪化等、生命の危機を感じられる患者さんにとってとても不安で恐怖な疾患です。

不安を抱える患者さんに対し、精神的支えとなり、身体的負担を募らせないよう適切な日常生活支援でサポーターとならなければなりません。

よって、呼吸器内科系に勤める看護師は、慢性閉塞性肺疾患の基礎知識や、この疾患を有する患者さんのニーズを把握する必要があります。

我々は、当然のように息をして生活していますが、その機能が低下し、息を吐くことができない、その為に息を吸う事も出来ない状況を想像し、患者さんの身になって看護をしなければなりません。

安楽な呼吸とは何か、どのように人は呼吸をしたいものかと考え、看護に当たる姿勢が大切です。