抗がん剤治療を行っていると、薬に耐性が付き治療効果が得られにくくなることがあります。

前立腺がんも例外ではなく、治療を継続していると抗がん剤が効きにくくなることがあり、治療が上手く進まないと医療関係者や患者さんを悩ませてきました。

しかし、この悩みに一石を投じる報告と研究結果が得られています。

抗がん剤効果が得られにくくなった患者さんに、C型肝炎の治療薬の「リバビリン」を投与すると抗がん剤効果が高まるとの研究報告が上がっています。

なんとも治療に新たな光を感じる報告です。

今後、安全性や効果をより深く追求される予定ですが、泌尿器科やがん患者さんに明るい未来が見えそうです。

有る例では、腫瘍マーカーの値が減った、骨転移が消失したとまでの報告が上がり、治療効果に期待が寄せられています。

では、看護師に出来る前立腺がん患者さんの関わりにはどのような事があるでしょうか。

前立腺がんの基礎

前立腺がんのほとんどは腺がんで、5%以内に移行上皮がんや扁平上皮がんがあります。

原因は解明されていませんが、遺伝性や動物性脂質の多量摂取、βカロテンの不足が要因と言われています。

がんの発生に、男性ホルモンのアンドロゲンが関わっていることも分かっています。

症状

特に目立った症状はなく、症状を発症したころには進行がんや転移性がんに発展していることが多い特徴があります。

検診で腫瘍マーカーのPSAが高まっていると前立腺がんを疑います。

腫瘍圧迫による排尿障害や残尿感、夜間の頻尿、腫瘍の進行による粘膜損傷が血尿を来たしたり、腫瘍により尿路を阻害し尿閉や無尿になるケースもあります。

また、前立腺がんは骨転移し易く、脊髄や神経への転移で痛みや神経麻痺を生じることも多々あります。

そして、リンパ移行性に転移した腫瘍は時に、骨盤内のリンパへ浸潤し、下半身の浮腫みとして症状を現すこともあります。

診断

腫瘍マーカーを測定したり、直腸診により腫瘍を疑う場合は、病理検査である組織診、生検を行います。

治療

手術療法により前立腺を摘出したり、放射線療法を行います。

また、男性ホルモンにより増殖するため、男性ホルモンを抑制するホルモン療法を行う事もあります。

治療効果としては、前立腺がんの進行は緩徐であるとの報告があり、罹患年齢も高いほど多い特徴から、直接的な死因とならないケースも多くあります。

10年生存率は、手術で対応できたがんは90%以上、放射線療法に対しては80%以上と好成績をあげています。

看護師の観察点

全身状態や栄養状態の把握は、他の疾患同様に必要です。

しかし、前立腺がんの治療は、ホルモン療法や手術療法により生殖機能や排泄機能に影響を与えることがある為、この部分への介入や配慮が必要となります。

基礎疾患や代謝異常の有無や状態を把握し、前立腺がんの患者さんは基礎疾患の悪化による先進状態悪化が死因となりやすい特徴から、その管理が必要となります。

排泄機能の低下や、排泄を齎す神経を損傷したり、合併症を発症するリスクもあることから、排便や排尿への観察も大切です。

また、生殖器能への治療の影響から、勃起障害や性欲減退などの症状を発症する事があります。

これに伴う精神的ストレスやショックに対応するメンタルケアも要されます。

放射線療法を行う患者さんに対しては、排尿時痛や出血の有無、直腸や膀胱の炎症に関わる情報収集の大切です。

また、モルモン療法では男性ホルモンを低下させるために女性化してしまうボディイメージの変化や女性特有の症状に悩まされる男性に配慮する事も必要です。

ご本人と家族の関係性、社会生活を行う男性であれば職場との関係等にも着目した精神的フォローが必要となります。

まとめ

前立腺がんの治療に待ったをかけた効果の減退に、力を与える効果を現せたC型肝炎の特効薬です。

この治療開発が、世の前立腺がんに悩む男性に活気を与えることは理解できるでしょう。

女性の多い医療界、前立腺がんや男性生殖器に関わる疾患の悩みをなかなか吐露出来ない男性も多いころでしょう。

看護師は、男性の気持ちになり、正しい理解と知識を持って羞恥心や倫理面に配慮した対応が求められます。

排泄へのケア、生殖器の合併症や弊害に対し、男性患者さんを辱めない心温まるケアで共に状態の回復と治癒を喜びたいものです。