生活保護受給者の向精神薬処方は、健康保険加入者の約四倍と言われています。

生活保護受給者の医療費は、自己負担が無く、全額公費となり、病気を装い医療機関を受診し、向精神薬等を処方して貰い、ネット等で転売される事件も発覚したりとその制度の悪用が問題視されています。

症状や状態を偽り、たくさんの薬剤を処方して貰い、それを転売する事で、自分の生活を肥やすというケースもあります。

また、生活保護受給者の自殺率は高く、特に30歳代の自殺率が高く、全国平均の5倍の自殺者が出ています。

うつ病、統合失調症などの精神疾患者も多く、生活保護受給者の16.4%が精神疾患患者という事になっています。

生活保護受給者の現状

受給者は、高齢者、母子家庭、障害や傷病者が87%を占め、労働できない状況という理由があります。

残りの10%超えは、不正受給とも言われています。

年齢的には、60歳以上が50%以上となり、20代から30代が少ない傾向にあります。

そして、生活保護を一度受給すると、抜け出せないとも言われていますが、年間10万人程度がその利用を廃止している現状があります。

収入が増えたと言う人々が12%程度に留まり、最も多いのが失踪や行方不明と言われています。

内緒の貯蓄があったり、不正な医療費受給が発覚し廃止に至るケースもあります。

生活保護受給者の心のケア

なぜ、生活保護受給者は心を病んでいるケースが多いのでしょうか?

孤立や不安等が原因で不眠となり、医療機関を受診しますが、それにより睡眠薬を処方され、不眠と言う症状を緩和する事が出来ます。

眠れることで元気になる事を狙う医師もいますが、生活に対する不安や孤独が改善されるわけが無く、その薬を内服する事で薬への耐性がつき、その薬剤では不眠や不安の症状が対処できなくなり、より強い薬剤へ頼らざるを得なくなることもあります。

働きたいと言う気持ちがあり、就職活動をしていた現在の生活保護受給者も、職が無く、頼る先は社会保障のみとなり生活保護を受給するようになるそうです。

その間にうつ病や統合失調症、精神疾患となり、自殺企図、自殺へと向かう人々もいますが、生活保護を受給し始めると、最低限の生活が出来るようになり、一旦の生活は安定します。

しかし、働きたいけれど働けない状況に、社会におんぶに抱っこの状況を悲観し、「生きている価値が無い」と精神症状を悪化させてしまう現状があるのです。

例えば、うつ病を引き起こす脳のホルモン異常は、睡眠障害は発端と言われています。

うつ病だから眠れないのではなく、眠れないからうつ病になるのです。

よって、うつ病を防ぐには眠れる状況を作るという事が対策とも言えます。

それには、睡眠薬の処方が重要なのではなく、その人の不安に対策することが大切です。

働けるよう就労支援をしたり、安心できる生活環境を整えること、そうする事で不安が解消し、動くことで疲れて眠れるようになります。

そして、疲れを癒して次の日を迎え、また働き、疲れて眠るそれが健康的な人のあり方でしょう。

そうする事で生活保護受給者のオーバードーズは減少し、精神疾患の減少、生活保護受給者の減少に繋がるのではないでしょうか。

生活保護受給者を救う精神科看護

精神科看護は、人の心の問題に介入する事が特徴です。

精神的な疾患を有し、その疾患予防や治療に限らず、疾患や心の問題の緩和に取り組み、心の健康保持、増進を図ることが目的です。

精神科看護の特徴

その患者さんの尊厳と人権擁護を重要とし、配慮あるケアを行わなければなりません。

強要してケアを行うのではなく、可能な限り患者さんやご家族の同意のもと専門的知識を持って良質なケアを行います。

また、薬物療法やカウンセリング技法を持って関わり、患者さんの生活の質が回復改善できるようその人らしい生活の再構築を目指します。

主な精神疾患

【うつ病】

憂鬱、悲観的思考、不安や絶望感にさいなまれ、身体的、精神的症状を呈します。

人との交流を断つ、自分の世界に閉じこもる、マイナス思考で社交性を欠くなどの問題が発生します。

【統合失調症】

自我機能が低下し、幻覚妄想により思考が支配され、意欲低下、引きこもり、無為、自閉等を来たします。

100人に一人は発症していると言われるうつ病の次に多いとも言われる精神疾患の一つです。

【神経症】

不安や意識の不和により、異常行動や異常思考を来たす状態です。

不安神経症、強迫神経症、心身症、抑鬱神経症、心気神経症などがあります。

【摂食障害】

過食症と拒食症があり、痩せることに過剰な意思を持つ女性に多い疾患で、過食行動と拒食行動を繰り返し、嫌悪感などからうつ病や精神疾患を併発し、その思考から治療が困難な場合があります。

その思考の偏りから周囲との不和が生じ、社会生活が困難となる事もあります。

【老年精神病】

認知症、夜間せん妄、幻覚妄想、うつ病など、高齢者の身体的、精神的特徴により発症する精神疾患があります。

自殺行為に至るケースもあり、介入に困難を来たす場合もあります。

精神科認定看護師について

日本精神科看護協会では、看護現場の質向上を目的に、精神科認定看護師の育成に取り組んでいます。

日本の看護師籍を持ち、5年の看護師経験があること、そして、そのうち3年は精神科看護を経験していることが受講条件です。

受講資格審査を受け、要件を満たしていれば教育課程を受講します。

そして、認定試験を受験し、合格する事で認定登録をする資格が得られます。登録をすると、5年に1回の更新制度があります。

精神科看護師の役割

心のケアを第一とし、その方の養育背景や生活背景にまで着目し、全人的にサポートする事が求められます。

患者さんのもつ心の問題に気付き、問題解決に向けた思考、判断、支援を行います。

また、その方のその後の生活を支える保護者や関係者、家族との調整を図り、再発予防に取り組みます。

自傷、他害を思わせる患者さんへの対策、理解力低下や判断力低下を来たした患者さんの安全管理や危険回避、よりよい人間関係構築に取り組みます。

コミュニケーション技術、カウンセリング技術により患者さんの心の闇に着手し、時に暴言や暴行を加えられた場合、自分の感情を抑制し、冷静にその状況に対処する力が必要です。

また、薬に関する深い知識を持ち、対処療法を行う患者さんに対し、作用と副作用を理解し、安全に薬剤管理できる力が必要です。

まとめ

生活保護受給者の心のケア、精神科看護のあり方について理解できたでしょうか。

オーバードーズにより医療機関を受診したり、多く処方して貰うことで不正処方を得る患者さん等、精神科と生活保護の問題は、今後も続くことでしょう。

まず、精神科に勤務する看護師は、その人の生活背景に着目し、その不安や疑問、孤独を理解した関わりを行う事が必要なのではないでしょうか。

また、看護師に出来ることは、患者さんの心のケアに着手し、安心して社会生活に戻る事が出来るよう支えになることではないでしょうか。