高齢者の入浴介助について困ったことがありませんか?

高齢者が入浴中に事故をして入院に至るケースが多発しているそうです。

病院での療養環境でも、入浴支援を行う事が多く、その患者さんの身体状況に応じた介助を計画します。

しかし、入浴という事は羞恥心を伴い、高齢者出会っても出来ることであれば自分で行いたい日常生活行動の一つです。

看護者側は、転倒や入浴中事故を回避するために、出来る限り見守ったり、安全性を確保したいと考えます。

では、高齢者の入浴介助に対する危険意識や対策について考えてみましょう。

高齢者の自宅での入浴

65歳と聞いても、長寿、高齢化によりそこまで高齢との認識が薄れた現代、独居老人や老老介護で、自分の入浴行動を自分自身で行う高齢者も少なくありません。

65歳以上の高齢者が入浴中にやけどを負って入院に至ったケースが、5年間で11件発生しています。

これが多いか否かは、一人一人捉え方は異なるでしょうが、1年に二人以上経験していると言う事になります。

高齢者は感覚器官が低下し、温度の感覚も低くなり、やけどをする、思ったより温度が高かったと言われることがあります。

そして、熱いという反応も鈍くなること方、高温の温度を感じにくく、充分浸かった後に反応し、熱傷を来たしたり、熱いと感じた時にとっさに身体が動かずに熱い湯温に使っていてしまう結果がやけどとなることがあります。

また、皮膚も弱まり、若いころに入浴していた高温で入浴していると、やはり、やけどを来たしやすくなったり、皮膚とトラブルの原因となることがあります。

そして、高齢者の住んでいる家の条件が、リホーム等をしていない場合、現在主流となっている温度設定機能が無く、熱湯と水を掛け合わせて自分で調整しなければいけな家などの住環境が与える影響もあります。

追いだき機能の使い過ぎや循環口に触れてしまう等の行為が熱傷の下人となる事もあります。

では、具体的に高齢者の入浴自己はどのような事があり、看護師が安全に入浴支援する方法はどのような方法があるかをまとめてみましょう。

入浴事故の実態

高齢者が入浴中に起こす事故として、大きく分けて二つの状況があります。

それは、入浴中の急病と転倒の事故です。

医療職者として安全性を確保した入浴により病院や医療施設、福祉施設では転倒事故はないように対策していますが、健康上の異常は誰にも予期する事が困難なことがあり、入浴中の急病に対する認識を持っておかなければなりません。

入浴行動と身体的異常

入浴中の心筋梗塞や脳血管障害、心臓発作、意識消失発作など、高齢化や独居老人の増加によりこの件数は増加傾向にあります。

日本人の入浴に対する思いは諸外国の人々の認識と異なり、エチケットやマナー、習慣とし身に付いており、高齢者も好み、リラックスや日々の疲れを癒す為に積極的に行われています。

よって、一日の最後に入浴し、そこで急病に至るケースがあります。

入浴による身体への影響

入浴のもたらす作用として、温熱作用、水圧作用、浮力の作用が関係していると言われています。

温熱作用:身体を温め、血液循環を良くし、身体内の組織や細胞のガス交換を良好にし、全身機能を高めます。

心臓のポンプ作用を少なく稼働させることで心負荷を軽減し、心拍出力を少なくして多くの血液を全身に廻らせることが出来ることがあります。

しかし、高齢者で高血圧のある患者さん等に関しては、その温熱作用による循環血液量の増大で、より血圧が高まったり、心負荷が増大する事があり注意が必要です。

高温での入浴では、末梢血管の拡張により、中枢機関である心臓や脳への血液供給が低下し、主幹臓器の虚血を引き起こすこともあり為、入浴時の温度が38度から42度までと温度への配慮が必要です。

長湯になると、血圧や自律神経系の関与により身体的負担が増大する事がある為、この時間にも注意が必要です。

また、高齢者などが食事や運動の後にすぐに入浴を行うと、体への負担が高まります。

食後は、消化管へ血流が促進されている為、この時に入浴すると、必要な血液が消化管から筋肉や末梢組織へ循環し、消化管への負担が高まります。

そして、必要臓器への虚血状態により、心臓や脳への循環も充分な量が得られず、心疾患や脳血管障害のリスクが高まります。

水圧作用:下肢から心臓へ血液を戻す時に静水圧が関与します。

浴槽につかることで静水圧が加わると、下肢のポンプ作用が促され、心臓への還流あ促進されます。

よって、心臓への負担が少なく充分な血液量が全身へ送られるようになります。

しかし、全身が浴槽につかってしまうと、水圧が全身を圧迫し、心臓や肺までも圧力に押され循環が低下します。

横隔膜以下の入浴では静水圧が良好に作用しますが、昔の人々は「肩まで浸かって」との習慣をとる人が多く、全身に水圧がかかることで心臓や肺に負担がかかることがある為、入浴法への注意が必要です。

また、浮力による作用があります。

これは、入浴する事で筋肉や全身への血流が高まり、その状態で筋肉や関節を動かすと、苦痛少なくリハビリとなることがあります。

しかし、身体が充分に浴槽内で安定しない場合は、溺水などの原因となる為、入浴の際の身体状況のアセスメントが必須です。

入浴事故を起こさないために

・長湯はせず、湯温は38度から41度程度にする。

・脱衣所と浴場の気温差が少なくする。

・食後や運動、リハビリ直後の入浴は避ける。

・心肺機能が低下した状態、高齢者、高血圧のある患者さんは、半身浴が効果的である。

・血圧や体温が最も高いのは、夕方3時から4時ごろとの認識で、負担ない入浴時間を考慮する。

まとめ

高齢者が入院した時、楽しみの一つが入浴であることがあります。

入浴を毎日行えない医療機関や介護施設もあり、その日が待ち遠しいと言う患者さんも多くいます。

しかし、療養中の患者さんは身体的に安定していても、急変や急病を来たしやすい状態にある為、安全に入浴できるよう支援が必要です。

環境面でも、身体的アセスメントの面でも、充分に入浴可能かを判断しなければなりません。

入浴は、自分でしたい、恥ずかしいから関わってほしくないと言う患者さんもいます。

また、入浴が命に関わる事故に繋がる行為でもあることを、患者さん自身考えていない場合が多くあります。

患者さんの身体状況と、入浴の危険性について患者さん自身を指導し、ともに安全に爽快感を感じられる入浴について考えることも必要です。