高齢化が進んでいる現在、医療サービスの見直しというのが多方面で進められています。

医療サービスの質を向上させるための試みというのもいろいろと行われていて、その中の一つにDPC制度対象病院と呼ばれる制度があります。

DPCとは「Diagnosis Proceduer Combination」の略称で、診断群分類と訳されます。

DPC制度対象病院とは、診断群分類別包括評価という入院医療費の定額支払い制度を採用している病院を意味しています。

DPC制度対象病院の実情について、以下で紹介していきましょう。

DPC制度対象病院の概要

DPC制度ですが、2003年4月より日本全国にある特定機能病院で運用がスタートしています。

診断群分類ですが、神経系疾患や眼科系疾患、耳鼻咽喉科系疾患といった感じで、疾患分野を18に分類します。そして疾病別に分類を進めていきます。さらに重症度やそれぞれの症状に応じて手術や投薬などのどのような診療行為を行ったかによって、さらに分類を決めていく方式です。

では診断群分類包括評価とは何かというと、診断群分類ごとに厚生労働省の決めた1日当たりの点数を元に医療費を算出するスタイルになります。

従来の方式は出来高払いと言って、入院基本料をベースにして入院期間中に行ったそれぞれの診療行為をピックアップして積算していきました。

しかしDPC制度対象病院ではこの出来高方式ではなく、定額方式によって医療費を算出していきます。

ただし全てが定額払いになるわけではなく、一部例外もあります。

たとえば手術やリハビリ、そのほか高額な処置を行った場合にはその部分については出来高がそのまま適用されます。この場合医療費をトータルで算出する場合には、包括と出来高の合算で計算する形になります。

DPC制度を導入することのメリット

DPC制度対象病院になると、従来の支払い方法が変更になります。しかも無駄な医療費を支出することがなくなって、かつ医療サービスの品質を向上する効果も期待できます。

高齢化が今後ますます進み、医療費が高騰していくことが懸念されています。その中で医療機関自らが無駄な医療費をカットすることは、大変大きな意味合いがあります。

従来の出来高払い方式をとると医療行為が多くなればなるほど、医療費がかさんでしまう形になります。

つまり病気やけがを治療せずにできるだけ治療期間を引っ張った方が、病院としては儲けが出るという一見矛盾したシステムになっていました。

またこのDPC制度対象病院になることは、病院自体にも実はメリットがあります。診断群部類によって患者のデータを集積することができます。

すると患者に対する診療行為に関する評価も分かりやすくなります。さらにはクリティカルパスを導入することによって、医療の標準化が進み、診療行為の効率化を進めることもできるでしょう。

最小限の医療資源の投資で、最大限の治療効果を得られるのではないか、ひいては医療の質が向上するのではないかと期待されています。

DPC制度対象病院の数はどんな感じか?

では日本全国にDPC制度対象病院はどのくらいあるのでしょうか?先ほども紹介したように、2003年に導入がスタートしました。

2003年度時点のDPC制度対象病院の数は82・一般病床数は6万6497でした。それが2016年度のDPC制度対象病院ですが見込ではあるものの、病院数は1667・一般病床数は49万5227に達しています。

2003年度と比較すると病院数は20倍・一般病床数も7.5倍近くに増加しています。

ただしDPC制度ですが、医療の効率化が進む半面、入院期間が短縮することになります。

治療がスピーディになるというメリットのような感じがしますが、療養が十分でないうちに退院しなければならない事態も出てくると見られています。

また地方でみられる病床の稼働率の低下に拍車がかかり、病院経営をひっ迫するのではないかというのも今後の取り組むべき課題になるでしょう。