高齢化が進んでいる現在、医療制度の改革が必要になってきています。

その中で2017年4月に地域医療連携推進法人制度が施行されました。

医療機関の機能を分化して、地域内でそれぞれの期間が連携することによって、医療サービスを提供していこうというものです。

地域にある複数の医療法人を束ねることが目的なのですが、医療の各方面へのいろいろな影響が予想されています。

地域医療連携推進法人制度とは?

地域医療連携推進法人とは、医療機関を運営しているいくつかの医療法人が地域ごとで新しい法人を共同で設立するシステムをさします。

こうすることで医療・介護サービスの運営を一元化していこうというものです。2015年に成立した改正医療法の下で創設された制度です。

地域医療連携推進法人のシステムを見ると、いわゆる民間企業における持株会社のようなイメージを持つ人も多いでしょう。

しかし民間の持ち株会社の場合、親会社がトップにいて傘下のグループ会社を支配するようなシステムになります。

地域医療連携推進法人はこのようなシステムは取らず、それぞれの医療機関を横方向のネットワークにします。そして地域医療連携推進法人はこの本部機能を一括して担当するような仕組みになります。

ちなみに地域医療連携推進法人に参加することができるのは、病院や診療所を開設しているような医療法人をはじめとする非営利法人となります。

株式会社は営利法人に該当しますので、地域医療連携推進法人に参加することはできません。これまで病院で患者のケアを総合的に行ってきましたが、一つの病院で担うのではなく、地域全体で医療サービスを提供していくことを目的とした法人になります。

地域の医療資源を有効に活用する方策

地域医療連携推進法人の設立によって生じる最大のメリットといわれているのは、地域の医療資源を今まで以上に有効活用できるということです。

地域医療連携推進法人に参加をした病院や診療所が横の連帯を深めることで、診療科や病床の融通をすることが可能です。

具体的には、急性期病床が過剰にある場合回復期病床に転換することで過不足の調整を行うとか、診療科を再編して、病院ごとに特定の診療科に特化して役割分担できます。

また在宅医療が自宅療養をする患者の増加によって、診療所を法人の下で新規開設することもやりやすくなります。このように機能分化を地域内で行うことで、よりそれぞれの持つ医療資源を活用できるわけです。

急性期から症状が回復した場合、回復期病院や自宅療養する場合の患者の情報を一元化できるので病院や診療所が変わっても、スムーズに的確な医療サービスを提供できます。

患者の情報が一元化できると、たとえば患者が体調を崩した場合でもどのような薬を普段服用しているのか、既往症はなにかもデータベースにアクセスできます。

製薬会社にも影響が出る可能性も

地域医療連携推進法人制度が導入されることで、今後医学界にはいろいろな影響が出てくるでしょう。中でも製薬会社の営業スタイルも変更せざるを得なくなると見られています。

製薬会社が営業をかけるにあたって、個別の病院に売り込みをかけていました。しかし地域医療連携推進法人が設立されると、この法人が一括で傘下の病院・診療所で採用する医薬品を決めることになるでしょう。

実際地域医療連携推進法人の設立をするにあたって、「医薬品の共同購入」を目的として明記しているところも見られます。

法人を一つ抱えることができれば、複数の病院・診療所がそのメーカーの医薬品を一括購入してくれます。

ですから法人を得意先にできるかどうかで、医薬品メーカーも勝ち組と負け組の二極化が進むのではないかと見られています。