新人看護師として活躍されている方の中に、「ほかの新人看護師の言動にイライラしてしまう」「患者さんに対して前向きにかかわることができなくなった」「やる気が起きない」など、看護師としてポジティブに働くことができなくなったという方はいませんか?

もしかすると、その症状は「バーンアウト(燃え尽き症候群)」の状態かもしれません。

新人看護師の方がバーンアウトの状態となったときの対処法や、今後バーンアウトを防ぐにはどうすればいいのかなどについて紹介します。参考にしてくださいね。

新人看護師がバーンアウトの状態になってしまったらどうすればいい?

まず、バーンアウトの状態となってしまったとき、新人看護師の皆さんはどうすればいいのか見ていきましょう。

心療内科や精神科を受診する

バーンアウトの状態となると、意欲の減退や自信の消失、感情のバランスが不安定になるなどの症状が出ることが多いです。

インターネト上でバーンアウトのチェックリストがありますので、まずは自分がバーンアウトの状態かどうかを確認しましょう。

「自分がバーンアウトの状態である」とわかれば、できるだけ早く心療内科や精神科などの専門機関を受診してください。

多くの新人看護師は、「ちょっと疲れているだけ」と思ったり、「自分の努力が足りないだけ」と感じがちで、受診が遅れる場合が多いです。

しかし、専門機関を受診することでストレスをうまく開放し、適切な心の治療を行うことができます。

受診が遅れてしまうと、ストレスをうまく開放できず、症状はさらに深刻なものになります。

最悪の場合、アルコール依存や薬物依存などの状態となってしまうことも考えられるため、できるだけ早く専門機関を受診してくださいね。

上司に相談をする

バーンアウトの状態で患者さんの看護を行うことはとっても危険です。

患者さんに対して思いやりの心をもつことはできませんし、集中することもできません。その結果、重大な事故につながってしまうことも考えられます。

病棟師長や主任などの上司に相談し、仕事量や仕事内容を調整してもらうようにしましょう。

症状が軽ければ夜勤の回数を減らしたり、重症な患者さんの担当を外してもらうだけで、症状が改善する可能性がありますよ。

仕事を休んでしっかり休息をとる

新人看護師として働いていると、なかなかゆっくりできる時間はありませんし、休憩時間すら落ち着いた時間を過ごすことはできませんよね。

仕事の調整だけで症状が改善しない場合は、思い切って長期間仕事を休ませてもらうようにしましょう。

長期間仕事のことを考えずに済むと、ストレスを開放することができます。その結果、精神的な負担を軽減することにつながり、バーンアウトの状態を改善につながるでしょう。

「仕事を長期間休むと、ほかの新人看護師とさらに差がついてしまう」と考えてしまうのではないでしょうか。しかし、1週間程度の短い期間であれば、ストレスを完全に開放させることはできません。

上司やプリセプターと相談し、1か月以上は休ませてもらいましょう。バーンアウトの状態から抜け出すには、休む勇気も必要となりますよ。

職場に問題がある場合は、思い切って転職したほうがいい

仕事を休んでゆっくりしたにもかかわらず、なかなか症状が改善しないという場合もあるかもしれません。

職場の人間関係や勤務体制がバーンアウトの原因と考えられるときは、思い切って転職をしてしまっても大丈夫です。

しかし、「新人看護師なのに退職をすると、どの病院も採用してくれないのではないか」や、「自分の我慢が足りないだけでないか」と感じてしまう新人看護師は少なくありません。

しかし、大丈夫です。新人看護師であったとしても、転職をすることができます。

バーンアウトの状態となった新人看護師の方が転職をする際、どのようなことに注意をして転職をすればいいのか紹介します。

内部事情もしっかり確認をする

いくつかの病院を比較するときに、ホームページや求人情報を確認しますよね。しかし、病院側が公開している情報だけで、転職先を決定しないようにしましょう。

給料がほかの病院よりも良かったとしても夜勤の回数が非常に多いかもしれませんし、「新人看護師さん大歓迎!」と書いてあったとしても、実際は新人看護師の教育体制が全く整っていないこともあります。

このページの最後で紹介している看護師専門の転職サイトを使えば、人間関係や新人看護師の教育体制、新人看護師の定着率、残業時間数など、多くの内部事情を知ることができるので、積極的に活用しましょう。

重症な患者さんの少ない病院を選ぶ

新人看護師がバーンアウトの状態となりやすい原因の一つに、患者さんの死との直面が挙げられます。

特に急性期の病院で勤務をしている場合、患者さんの急変や患者さんの死とかかわっていかなければなりません。

転職先でも患者さんの死とかかわる機会が多ければ、さらにストレスをため込んでしまう可能性があります。

患者さんの死と向き合うよりも、まずは看護師の仕事の楽しさややりがいを実感してみませんか?

夜勤のない職場を選ぶ

夜勤を行うと、生活リズムの乱れからどうしてもストレスが溜まってしまいます。

また、夜勤は少ない看護師で大勢の患者さんを担当しますので、身体的にも精神的にも日勤よりも多くの負担がかかってしまうのです。

せっかく症状が改善していたとしても、夜勤を行うことで再度、バーンアウトの症状が出る可能性があります。

まずは日勤の仕事に専念し、慣れるまでは夜勤をしないほうがいいでしょう。

また、毎日日勤を行うこともしんどいのであれば、週に2~3日程度、パートとして働いてみてはいかがでしょうか。

新人看護師が再度バーンアウトの状態とならないために

バーンアウトの状態から看護師に復帰した時、今まで以上に頑張らないといけないと感じてしまうでしょう。

しかし、頑張りすぎはよくありません。再度、バーンアウトの状態となってしまう可能性があります。

周りの新人看護師や先輩看護師と自分を比較しないようにしましょう。ほかの看護師の協力を得ながら、無理なく自分にできる範囲で患者さんに看護を提供することが大切です。

「休みの日は勉強をしないと」と感じていませんか?勉強をすることも大切ですが、休むことも大切です。休みの日はゆっくり休み、連休では旅行に行くなど、仕事のことを考えない時間を作ってみてはいかがでしょうか。

バーンアウトの状態となってしまう新人看護師は少なくありません。自分一人で悩まずに、周りの新人看護師や先輩看護師を頼るようにしましょう。

無理はせず、自分のペースで自分にできる範囲で、看護師として成長していきましょうね。