看護師になって、7年以上が経過して、ベテランの域に入ってきた頃に、ふと、今の職場に魅力を感じなくなる場合はありませんか?

これまでがむしゃらに働き、多少のことなら辛抱してきたからこそ、ふと立ち止まってみると、様々な悩みが出てくるのだと感じます。

私も、そのあたりまでは、特に大きな疑問を感じることもなく、とにかく、ただ必死に働いてきたという感覚しかなかったのですが、ベテランと言われるようになった頃から、これまで見えていなかった問題がよく見えるようになったのを覚えています。

現在の職場が嫌になり、辞めようかと悩んでいるベテラン看護師さんは、共通した悩みを抱えていることが多いので、いくつかを挙げてみます。

ベテラン看護師さんが辞めたくなる理由TOP3

部下のマネジメントがつらい

これだけの経験年数を経ると、業務の中心が、一個人の看護師として適切な業務遂行をすることよりも、チーム全体、職場全体のマネジメントを行うことを求められます。

自分の思うとおりに、引っ張っていける醍醐味は大きいものですが、それとともに気苦労も絶えないのが難点です。

時には、厳しく対応しなくてはいけない場面もあります。

そんな時に、理解の得られない後輩がいることはありませんか?

例を挙げればきりがありませんが、自分の損得勘定のみを最優先する後輩に、依頼をすると、露骨に嫌な顔をしたり、愚痴ばかり言って、積極性が全くなかったり。

そういう人たちを、何とか上手く業務にあたってもらえるように、細かな気配りや、調整を行う辛さは、きっと皆さんも感じていると思います。

そういう毎日の連続だと、もしかしたて他の職場なら、積極性をもって働いている人が多いのではないだろうか?と嫌になってしまうのも、無理はありません。

上層部の派閥争い

職場の規模にもよると思いますが、いくつもの病棟があり、看護部として機能しているような比較的大きな病院の場合には、この悩みがつきものです。

私の勤務していた職場は、師長や主任の集まりの際に、看護部長派か、副部長派かというような雰囲気がありました。

同じ看護部のはずなのに、人間関係のこじれから、どちらに属するかということが暗黙の了解で確認されているというものです。

これは、通常は特に何も問題はないのですが、何かを決めるという時に、票が真っ二つに割れて、どちらに投票したかによって、その後の立ち位置が変化するのです。

ベテランとなった後も、子供のような意地の張り合いに、辟易した記憶があります。

皆さんは、そのように感じたことはありませんか?

専門性の追求や出世に限界を感じる

自分なりに高めたい専門性があったり、もっと昇進して、組織全体を変えたいなど、今後のキャリアについて考えることも多いと思います。

新人さんや中堅看護師さんよりも、ずっと現実的に自分の可能性や将来像を描いているので、余計に、現在ある悩みについて、直面することになります。

専門性を高めようにも、ベテランさんは後輩指導が先決という風潮の職場だったり、いつまでも、古株の上司がいて、さらなる昇進は望めなかったり、職場にある要因で、嫌になることがありますよね。

女性が多い職場ゆえ、妊娠・出産などの問題もあり、求職や離職など、組織全体のことを常に考える必要のある環境だからこそ、ベテラン看護師さんは、自分のことばかりを考えているわけにはいきません

そうなると、新しい職場で、嫌な思いをせずに、無理なく働きたいと考えてしまいます。

そこで、上記の理由以外にも、現在の職場が嫌で、辞めようかと悩んでいる場合、どのような選択肢があるのか、具体的に考えてみましょう。

思い切って転職してみましょう!

現在の状況がつらいのなら、転職することで、問題は解決できるのではないでしょうか。

ベテランとしてチームをまとめてきた経験があるなら、以下のように選択肢は無限にあります。

新人として一からスタートできる職場

あなたが、そもそも現在のベテランの立場に、将来性を感じなかったり、もっと知識や技術を高めたいと感じているならば、新しい分野の職場に転職することをおススメします。

病院施設を中心に働いてきた人は、介護の世界に挑戦しみたり、病棟経験者なら、外来部門を選択するなどです。

他にも、これまでの経験を活かし、ツアーナースや、企業の保健部門などへの転職も良いと思います。

医療業界以外の業種に携われる職場を選ぶことで、これまで全く知らなかった世の中を感じることができる上に、新人として、一から勉強することができます。

この充実感は、ベテランになってしまった後は、とても感じにくい部分ですので、きっと楽しい毎日になると思います。

私も、企業に転職した際には、これまでの自分の知識や経験が、社会全般では、井の中の蛙であったことがわかり、いかに常識に欠けていたか目の当たりにしました。

そして、そこで新たなことを学んだことで、自分の幅を広げられましたし、ますます看護師という仕事が好きになりました。

あのままベテランとして、同じ職場に居続けていたら、感じることはできなかった新鮮な気持ちでした。

引き続き、経験を活かす

ベテラン看護師としての業務自体の問題ではなく、現在の職場に問題があると感じているのであれば、職場を変えて、管理職などの業務を続けるのも良いと思います。

経験年数に関わらず、キャリアアップを全面的にバックアップするような仕組みのある職場であれば、後輩や同僚の意識も高く、煩わしいことで悩む必要もないかもしれません。

積んできた経験を100%活かして同じ役職につくことも、自分にとっても勝手も分かり安心ですし、転職先の方から見ても、信頼がおけるはずです。

その強みを活かし、あなたの魅了を発揮する方法が見つけられると思います。

上下の関係がない職場

ベテランとか、管理職などに、嫌気がさしてしまい、つらくて辞めたいと悩んでいる人におススメなのが、上下関係のない職場です。

これまで、チームを支えることに奔走してきたのですから、少し静かに働きたいと感じることもあると思います。

そんな時は、看護師が一人のみ勤務するような小さなクリニックなどを選択することもできます。

他にも、派遣などの一定の条件の中で働くのも良いでしょう。

私が新人のころ、自分の上司が、管理職の業務に嫌気がさし、どこかの職場に属する働き方を辞め、派遣ナースとして、様々な施設を掛け持ちする働き方を選択していました。

その先輩から話を聞いた際に、その働き方も悪くないなと感じました。

それというのも、もともとベテランとして上り詰めている上司だったので、その技術や人柄は、折り紙付きです。

そんな人が、様々な職場に、短時間で集中的に仕事をすることになるわけです。

職場の人は、短い関わりの中でも、その優秀さは感じ取れますので、とても頼りにされ、職員としての好条件での採用を、いくつも持ち掛けられていました。

悩んでいた上司が、とても楽しそうに働いているのを見て、看護師の働き方の選択に希望を持ったことを、今でもはっきり覚えています。

もし、あなたが同じ悩みを抱えているのでしたら、このように、自由な働き方に変更するのも良いかも知れません。

まとめ

これまでたくさんの経験を積み、多少のことではへこたれない根性を持っているからこそ、今の時点で悩んでしまうその思いは大切にしたいものです。

きっとこれまで、前向きに看護師の仕事を楽しんできた人が多いと思います。

そんな背景があるからこそ、今度は、自分の好きなように職場を選んでみるのはどうでしょうか?

さらなるご活躍を願っています!