辛かった新人時代を必死に乗り越え、自分なりに判断することにも慣れてくる3~6年目の看護師の皆さん。

新たな悩みが増えて、仕事を辞めようかと考えたりしていませんか?

実際のところ、看護師さんは3年目をあたりの離職がとても多いように感じます。

まずは、「3年間は働こう」と考えている人もいるのではないでしょうか。

新人時代に退職を考える人の離職理由とは少し異なる、中堅看護師さんならではの理由をまとめました。

なぜ中堅看護師になると「辞めたい」と悩んでしまうことが多いのか

フォローされる立場からフォローする立場への変化

新人と言われる時期を、先輩にフォローしてもらいながら、乗り切っている間は、自分の決定権があまりなく、煩わしいことも多かったと思います。

しかし、それは視点を変えれば、守られていたということで、ミスをしないようにフォローされていたということでもあります。

ところが、3年目以降(早い職場では2年目以降)から、突然、すべてが自己責任の世界に飛び出さなくてはいけなくなりますよね

自由でもありますが、その分プレッシャーも大きくなります。

さらに、次の新人が入職してきた際には、あなたはその人をフォローする立場になるわけです。

この大きな変化に、心的負担を感じる人は多いようです。

特に、新人として扱われなくなった瞬間に、急に多忙な業務に直面しなくてはいけなくなったなどという場合には、つらくて辞めようと悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。

たとえば、これまでは、急変があっても、自分は外のできることだけをこなしていればよかったのに、突然、輪の中心に入り込み自分で考えて、責任をもって対応することを瞬時に求められるように変化します。

当然、戸惑いを感じて、怖くなったり辞めたくなったりするほどの大きな変化です。

上にも下にも挟まれる

ある程度の年数を経験すると、後輩も先輩もいる状況に置かれます。

そこで感じるのが、どちらからも受けるストレス。

たとえば、先輩からは新人の小言を聞かされ、後輩からは先輩のことを相談されるといった板挟みの状態です。

中堅の看護師は、このあたりの人間関係を上手くかわす術がとても大切です。

そういう煩わしさから、離職を考える人もいますよね。

実際のところ、職場の悩みの多くが人間関係によるものですので、このストレスは無視できるものではないでしょう。

とはいえ、これはどの職場においても同じように一定程度は仕方のない問題なのかもしれませんが…。

将来を真剣に考え始める

これまでは、看護師として一人前になれるよう、必死に毎日の業務をこなしてきました。

そのため、今後の方向性や仕事について、あまり現実的に考える機会がないことが一般的です。

しかし、中堅クラスになると、自分の今後の将来について真剣に考えるようになりませんか?

私も、看護師3年目で、自分の将来像を真剣に考え始めたのを覚えています。

自分のやりたいこと、伸ばしたい分野などが、何となく見えてきたことも大きいですが、それよりも、周りを見られる余裕が出てくるのが、この時期なのだと思います。

走り続けてきた後の、一休みですね。

さて、いくつかの理由をみてきましたが、ある程度看護師としての経験を積んできた看護師さんの悩みについて、具体的には、どのような対応をすれば良いのでしょうか?

現在の職場で、より良い環境を作り上げるなど、努力をすることもいいかもしれません。

しかし、この機会に、新たな扉を開いてみるのはいかがでしょうか。

中堅看護師だからこそ、思い切って職場を変える時かも

将来像を見据えられる職場

一定の経験を積んできたあなたは、これからの将来像を決めるための重要な地点に立っています。

もちろん、看護師を続けていく中で、いつでも方向性を選んだり、変えたりすることは可能ですが、この時期の選択は、大きな意味を持っています。

というのも、一般的な採用条件として経験年数を3年以上または5年以上としているところが圧倒的に多くあります。

その背景としては、新しいことを多く吸収できる可能性のある若い世代であり、ある程度経験を積んだ看護師さんが求められているというものです。

経験を積んだベテランの看護師さんに適した職場があるように、中堅看護師さんだからこそ適した職場があるということです。

具体的には、新設された病院などは、あまり固定観念に縛られていない、比較的経験年数の若い看護師さんを募集して、入職後は積極的に専門性を伸ばしてもらえるように、バックアップをする方針をとっている職場などです。

そういった意味でも、現在の職場の問題に悩み、辞めようと考えているのであれば、転職はあなたの可能性を大きく広げるチャンスになるかもしれません。

経験年数や昇進などがない職場

逆に、悩んでいる理由が、このまま専門性を伸ばしたり、管理職として勤務することを強いられることが嫌だというものでしたら、そういった煩わしい環境を変えることもできます。

同世代の看護師さんが多い職場や、上下関係のない職場など、自分の選択次第でいくらでも、条件にあった転職先があります。

仮に、結婚や出産などの家庭と仕事を上手にバランスを取りたいというのであれば、子供のいる看護師さんが多い職場を選ぶなど、同じ環境の人が多くいる職場を選択することをおススメします。

可能性を広げる職場

専門性を伸ばすという観点で、もう一つ視野に入れてほしいのが、病院やクリニック以外の職場です。

看護師の免許は、患者さんを看護する以外にも、様々な場所でも求められています。

学校行事の引率や、コールセンターの対応、一般企業への就職などが挙げられます。

他にも、教育に興味があるのであれば、看護系の学校の教員の道や、介護系の仕事に携わりたいなら、施設系の仕事もあります。

ちなみに、医療業界以外の世界に触れおくことで、あなたの社会人としての幅は格段にあがるので、一般企業の経験をすることを、個人的にはお勧めしたいと思います。

その経験は、のちに臨床に戻った時にも、必ず活かされます。

これを機会に、違う世界に触れてみるのはいかがでしょうか。

最後に

中堅の看護師さんが辞めたいと悩む理由について、思わずうなずいてしまいましたか?

それとも、もっと過酷な状況の人もいるでしょうか。

どちらにしても、辛かった新人時代を乗り越えられたのですから、これからは楽しく看護師を続けていきませんか?

楽しくするも、辛いまま悩むのも、あなたの選択次第です。

一緒に頑張りましょうね!