急性期病院に勤めている看護師さんは、テキパキと仕事をこなし、かっこいいイメージを誰もが持っていると思いますが、実際に働いてみると、それは大変な思いをすることが多いのが現状ではないでしょうか。

様々な理由で、今の職場を辞めようと思っている急性期病院に勤務している皆さん。

どのような転職先が候補として挙げられるのでしょうか。

いくつかメジャーな原因や悩みを例にして、転職先の候補を挙げてみます。

【お悩み別】おすすめの転職先はココ!

急変対応が多いことが原因で辞めたいなら小規模病院へ

これはある意味その職場を選んだ限り、つきまとう問題かもしれませんが、急性期ならではの悩みにもなるでしょう。

テレビドラマや映画の世界とは違って、現実の急変対応はとても泥臭いものです。

格好よくテキパキ動けることの方が少なく、どちらかというと雑多な人ごみの中で、時に怒号も飛び交うような環境です。

そうした現実に疲れを覚えて、ゆとりをもった看護を行いたいと感じている人も少なくないのではないでしょうか。

また、ゆとりを求める以外にも、ルーチン業務の連続で、自分のスキルが全くアップしていないと感じて悩んでいる人もいるかもしれません。

私の友人は、急性期病院で長年勤務してきました。

その結果、誰よりも的確に素早く急変対応を行えるようになりましたが、その友人は悩んでいました。

というのも、自分の力を発揮できるのは病院の中で、十分な医療器具、さらに医師がいるからこそ対応できているだけで、自分自身の力は判断を磨いているわけではないと思い始めたそうです。

当時の私は内科病棟に勤務していたので、そこまで急変対応に自信もなく、友人の言葉を羨望を持って聞いていましたが、後々異動後に急変対応を重ねていくうちに、友人の言葉の意味が良く分かるようになりました。

もし、このようなことで悩んでいる人がいたら、小規模な病院へ転職することをおススメします。

小規模な病院は、内科を中心とした施設の場合、比較的ゆったりとした雰囲気の中で働くことができます。

もちろん、小規模でも急性期専門の場合もありますので、そこは注意して選択してください。

ゆっくりとした環境の中で、急変対応以外のスキルや、十分に整った環境でない場合での急変対応など、自分のスキルアップに注力するのはいかがでしょうか。

これまで、毎日目まぐるしく看護を行ってきた環境から、ほっと一息つけるような職場への転職を考えてみるのもよいと思います。

体育会系なノリが原因で辞めたいなら企業へ

これは規模が大きい病院によくみられることかもしれませんが、急性期の看護師、医師はテキパキ動くことを好む人が集まるせいか、何となく体育会系なノリを感じることってありませんか?

特に、医師はその傾向がかなり強いように感じます。

その影響を受けてか、看護師もお酒を豪快に飲む人や、夜勤明けも、そのまま遊びに出かけるようなパワフルな人が多くないですか?

これは就職してみないと、職場の正確な状況は分からないものなので、人によっては、就職してから、その雰囲気があまり得意ではないなと感じるのかもしれません。

看護師さんも性格は十人十色ですので、ノリが良い人もいれば、あまり騒がしいことが好きではない人もいるでしょう。

どちらが良い悪いの問題ではなく、これは単に性格の違いなので、相性という意味からも、体育会系のノリに合わないことも当然あります。

そういった場合は、看護師の資格を活かして、一般企業で働くことをおススメします。

世の中の会社は、社風などはあるものの、極端な学生のような体育会系のノリはありません。

あくまでも、一企業として、社会人の振る舞いが必要になりますので、そういった風潮に悩んでいる人には、一発で悩みが解決できるものと思います。

また、企業では特殊な医療界とは異なる、ごく一般的な常識を身につけることもできますので、本当におススメです。

社会人としての立ち振る舞いを企業で一度学び、もう一度医療の世界に戻れば、あなたの大人としての経験が増すはずです。

ぜひ検討してみてください。

患者との関りが薄いことが原因で辞めたいなら介護系の職場へ

これも実はとても多くの人が悩んでいる原因の一つだと思います。

急性期病院の看護業務は、カッコよさで言えば、とても高い人気を誇るはずですが、看護師の醍醐味である患者さんと向き合うということが、十分にできないことも多くあります。

そういった状況に、「もっと時間があればもっとよい看護ができるのに」「もっと一人ひとりときちんと向き合いたいのに」と不満を感じることもあるのではないでしょうか。

これも個人の性格によるもので、サバサバした性格の看護師さんは、逆にこのような状況を得意とし、さらに活躍する道を進むのかもしれません。

しかし、看護師になった頃に抱いていたイメージからかけ離れていて苦しむ人もいます。

そんな時は、介護系の職場に転職するのはいかがでしょうか。

具体的には、老人介護施設などです。

入所タイプの施設であれば、同じ利用者さんに長くかかわることもできますし、一人一人に向き合うことも可能です。

急性期病院の業務とは、だいぶ異なるため物足りなさを感じることもあるかもしれませんが、得られるものも大きいはずです。

他にも、訪問看護なども良いかもしれません。

地域に根ざした仕事になりますので、対象者にじっくり関わるという意味では、申し分ないと思います。

介護系に幅を広げると選択肢はとても多くありますので、ご自分にあった職場を考えてみてください。

急性期病院で培った知識と経験を活かせる職場への転職

急性期病院で働いていたあなたは、基本的にどこでも重宝され、どんな職場でも通用する能力を持っていると考えて良いと思います。

というのも、いざという時の対応を一人で行うことができるからです。

これは、自分の強みとしてぜひ自信を持っていただきたいポイントです。

そのような強みを活かせる職場として、小学生や中学生などの旅行の引率業務などに向いていると思います。

現代の子供は、驚くほど多くの疾患を持っています。

注意が必要な子供として学校から提示される情報量の多さに、引率業務を行ったことのある人なら、驚いたことがあるでしょう。

昔は、そこまで注意が必要な子供はいなかったように感じますが、最近ではアレルギー系の症状や、食物に関する注意などはとても増えています。

また、心疾患を抱えた子供などもいることから、何かあった時の対応が求められます。

そこで、急性期を経験しているあなたの出番です!

めったに何かが起こることはないので、そこまで緊張する必要なないと思いますが、万が一の対応を取れることへの強みは、大きな自信につながります。

また、先ほど介護の話を出しましたが、関連した業務として、デイサービスなどの通所サービスでの看護業務を行うのも良いと思います。

デイサービスでは、実際に医療処置をすることはほとんどありませんが、誤嚥や転倒など、高齢者特有の問題へのリスクが常に付きまといます。

こちらはある程度予想がつく範囲内の急変対応になるので、様々なシーンに対応してきた経験者なら、朝飯前といった程度の対応になると思いますが、高齢化が進み、ますます必要とされている仕事です。

転職先の候補として、これらの能力を活かせるような職場を選んでみるのも良いかもしれません。

まとめ

このように、悩みに対応して、より良い職場への転職をしても良いですし、自分の長所を活かして転職活動をするのも良いでしょう。

急性期の病院は、とても目まぐるしい毎日です。

少し一休みするくらいの気持ちで、新しい職場を考えてみるのもいいかもしれませんね。