夏休みに入る頃、職場で1人退職者が出たため1人あたりの仕事日数が増えました。

仕事の日は長男に鍵を持たせ留守番をさせますが、1人で家にいられない寂しがり屋なので、友達を誘っては居場所をみつけて過ごしています。

学校のある日は1時間半ほどの留守番時間ですが、夏休み中では3時間半くらいになります。仕事時間たった3時間半ですが、長男にはされど3時間半です。仕事日数が増えるのは給料面では大歓迎ですが、子どものことを考えると手放しでは喜べない現状でした。

次男を幼稚園の預かり保育に預け、仕事に出ました。長男にはリュックにおやつとケータイ、水筒、家の鍵などを持たせました。

「行ってきます」と家を出る時は、まさに後ろ髪を引かれる思いです。

仕事を終え、すぐに長男に電話をしました。「お友達の家で遊んでる」との返事。すぐに帰らなくてもいい、次男を先に幼稚園に迎えに行ってから帰ってきてと長男が言うのでそのようにゆっくり帰りました。

帰宅後、玄関を開けると、準備していなかったはずの長男の水泳バックが置かれてあります。中には、濡れた海水パンツにバスタオル。

「どこで、遊んでたの?」と長男に聞くと、近所で一緒に遊んでいた友達の家の庭でプール遊びをすることになり、3時間位遊んでた!とのこと。…びっくりしました。

まだお友達の親御さんと私は面識がなかったので、きっとお友達の親御さんも「どこのお子さんかしら?」状態だったと思います。冷や汗がでそうな気持ちと、長男が留守中に精一杯過ごしていた気持ちなどを想像すると、考えるものがありました。

お友達の家には、帰宅後すぐに手土産を持ってご挨拶に行き、連絡先を交換しました。そこで、相手の方との会話の中で心にツンと刺さる言葉がありました。

お友達のお母さんが長男に、プールに入るにあたってお母さんにいいかどうか聞いてらっしゃいと言って下さったそうなのですが、長男が「お母さん(家に)いない」と言ったので、勝手に入らせてしまいましたという話でした。

実は、私の母親も看護師をしていて、私が学校から帰った時は家にいませんでした。祖母がいてくれはしましたが、今思えばずっと寂しい思いをしていました。自分の子どもにはそのような思いをさせたくないと思っていたので、「お母さんいない」と長男が言っていたというのは、自分が子どもの頃感じた以上の寂しさや、心細さを感じていたのではないかと思いショックでした。

そして、その日の夜、長男にもう一度尋ねてみました。「夏休みの間、ママ家にいて欲しい?職場の人に仕事変わってもらおうか?」と。

長男は即答で「うん!いて欲しい!」と答えました。

そんなこんなで、仕事はしばらくお休みすることになりました。