新人看護師のみなさん、就職して3ヶ月が経ち病棟の雰囲気にもだいぶ慣れてきたころでしょう。

そしてプリセプターさんからのアドバイスは減ってきて、見守ってもらいながらの作業が増えてきたのではないかと思います。

さて、7月から9月までの目標設定です。

もちろん9月にはクリア可能な目標であり、病棟目標にリンクしていること、評価しやすい目標であることを考えながら設定してみましょう。

まずは、前回の目標を振り返ってみる

4月に立てた目標はクリアできたでしょうか。6月にはクリア出来るものにしたはずでしたが、他のことを覚えるのが大変で達成出来なかったという目標があるかもしれません。

そんな時は今回もその目標にしても良いですが、もちろん4月のときのような全く知識がなかった自分とは違います。

現在の自分に照らし合わせて目標を再設定してみてください。

またその達成していない目標が、残りわずかでクリア出来そうだというものに関しては、わざわざ新しく目標設定する必要はありません。

そのまま続行してクリアしてください。あくまでも、これからの3ヶ月でクリア可能なものとしましょう。

入院受け業務を見据えた目標設定

勤務が半年過ぎたあたりから、入院受けの業務が入ってくると思います。

疾患に関する知識がないと観察項目が分からず、急変も見逃しかねません。疾患特有の検査や処置が分からなければ、準備に不要な時間をとって患者さんに負担がかかってしまいます。

また、夜間入院はほぼ緊急入院ですから患者さんは具合が悪いし、検査や点滴、処置は多くとても大変です。

かと言って、患者さんの前であわててはいけません。あらかじめ医師の出す指示で多い検査、処置、注射なども疾患名とあわせて覚えておき、スムーズに行動しなければなりません。

このような、入院受け業務でポイントになる部分を目標設定に取り入れてみましょう。

目標設定の例

『入院が多い疾患について、病態生理と治療について学習し、説明することが出来る』

『緊急入院のとき、落ち着いて行動が出来るように自分用のマニュアルを作成する』

【メモ】マニュアルと言ってもあくまでも自分があわてないように、自分だけの覚書です。もちろん、プリセプターさんから間違いがないかをチェックしてもらいたいですね。

チーム内での役割を意識した目標設定

新人看護師さんは覚えることが多く、ふだん自分の業務に専念するあまり、”チーム”を意識していないかもしれません。

また、ほとんどの場合、何かしらの係りが割り当てられていると思いますが、処置や看護援助などでおろそかになってしまうこともあります。

看護師さんそれぞれが個性を出しながら、協力し合い、情報交換しあいながら仕事を進めていくことがチームとして必要なことであり、良い看護につながります。

”チーム”や”情報交換”を意識した目標設定をしてみましょう。

目標の例

『チームの一員としての自覚を持ち、チームカンファレンスの時は、自分の意見を一つ述べるようにする』

『〇〇係りとして、割り当てられた業務を率先して行い、抜けがないようにする』

【メモ】新人看護師さんは新鮮な感覚で、貴重な意見を持っている場合が多いですから自信を持って、”意見を述べる”という目標にしてみてください。

クリニカルラダーを参考にした目標設定

クリニカルラダーのレベルは1から4までの4段階で目標が設定されています。

レベル1の新人看護師さんには「指導や教育を受けながら……看護援助ができる」「チームの一員としての役割を……」というように到達目標が挙げられているかと思います。

そしてそれを達成するために、更に多くの課題が具体的に挙げられているはずです。その課題を年度末まである程度クリアしておかないと、次年度のレベル2である”一人前”に進むことができません。

このクリニカルラダーを目標設定の参考にしない手はありません。一つ一つ課題をチェックしクリアしていく意味で目標として設定してみてください。

目標の例

「院内研修、院外研修に参加する」という課題があったら、『院内(院外)研修に◯回参加する』という目標設定、また「研究に関心を持つ」という課題があったら『病棟の研究課題を理解し、参加出来る』などというような目標を設定しても良いですね。

まとめ

クリニカルラダーを導入している職場と、そうでない職場があります。

また、看護師の人員によって、夜勤が入る時期や入院受けの時期が違っていると思います。言うまでもなくそれぞれの職場に合わせて目標設定をしなければなりません。

また看護師さんによって性格の違いや、得て不得手があり、目標設定も達成度も個人個人違っているはずです。もちろん自分以外の評価者の考え方にも差が出てきます。

他の方と比べたり必要以上に悩まず、困ったことがあればプリセプターさんに相談しながら進め、確実に自分を成長させていくように目標設定しましょう。