新人看護師として病院に就職をすると、まずは全体オリエンテーションがあります。病院の理念や取り組み、基本的な看護技術を学びますよね。

その後、各配属先に分かれ、部署ごとにオリエンテーションや新人教育が開始されることが一般的ではないでしょうか。

しかし、新人看護師の皆さんの中にはいきなり配属されるのではなく、「ローテーション研修」という制度が活用されている病院での就職となった方もいるのではないでしょうか。

ローテーション研修は、一定の期間ごとにいくつもの部署を回り、自分に最も合っている部署を見付けることを目的としています。

期間は病院によって異なりますが、短い場合は10日前後、長ければ3か月前後で次の部署へと移動となります。

自分に合った部署を探すことができるというメリットがありますが、中には「ローテーション研修がつらい」と感じている新人看護師さんもいますよね。

ローテーション研修がつらく、挫折しそうと感じた場合、どうすればいいのか紹介します。参考にしてくださいね。

ローテーション研修で挫折しそうなときは?

まずは、挫折をしないためにどうすればいいのか見ていきましょう。

できたことに焦点を当てる

各部署で研修を受ける期間が短いと、「またあのケアができなかった」や「処置の手際が悪かった」など、できなかったことばかりに目が行ってしまいます。しかし、短い期間で何もかも完璧にできるようになるわけではありません。

ローテーション研修は「多くの看護やケアを体験し、自分に合った部署を見付けるため」に行われる研修です。そのため、各研修先で学んだことすべてを完璧にしていく必要はありません。

ローテーション研修中は、できなかったことではなくできたことに焦点を当て、看護師になった自分に自信を持つようにしましょう。

先輩看護師に相談する

各ローテーション先には、新人看護師を担当する先輩看護師がいると思います。つらくて挫折しそうと感じたのであれば、その先輩看護師に今のあなたの思いや考え、状況を相談するようにしましょう。

一人で考えているだけでは状況は改善しません。しかし、先輩看護師に相談をすることでアドバイスをもらうことができたり、気にかけてもらうことができるのではないでしょうか。

自分一人ではどうすることもできないと感じれば、先輩看護師に相談するようにしましょう。一人で悩まないようにしてくださいね。

次の異動先で気を付けること

ローテーション研修に対してネガティブな考えだと、再び「ローテーション研修がつらくて挫折しそう」という気持ちになってしまいます。同じ状況を繰り返さないために、以下のことに気を付けてみてはいかがでしょうか。

まずは環境や人間関係に焦点を当てる

定期的に移動となるため、環境やスタッフに慣れるだけでも非常に大変ですよね。その中で、多くのことを学ぶということは非常に難しいと思います。

異動後はまずはその部署の環境に慣れ、人間関係を構築することに焦点を当ててみてはいかがでしょうか。環境に慣れ、人間関係を構築できると、ローテーション研修の意外な楽しさ・面白さに気が付くことができるでしょう。

また、「すぐに多くのことを学習しなければいけない」と考えていると、緊張や不安から表情が硬くなってしまいます。すると環境や人間関係に慣れることができませんし、焦りからミスが多くなってしまうこともありますよ。

まずは環境や人間関係に焦点を当て、肩の力を抜き、リラックスして研修に参加するようにしましょう。

同じ注意は受けないように

ローテーション研修がつらいと感じる新人看護師さんの中には、「先輩から同じことを何度も注意されるから」という理由の方もいます。つらい思いをしているため、先輩看護師の方が悪者のように感じるかもしれませんが、同じことを何度も注意されている状況はよくありませんよね。

できるだけ、同じ注意は受けないように自分なりに考えて行動するようにしましょう。同じことを何度も注意していくうちに、先輩看護師の少しずつ口調が荒くなったり、表情が険しくなることがあります。そのため、あなた自身がつらいと感じているのかもしれません。

同じ注意を受けないように努力をすると先輩の口調や表情はやわらぎ、つらい思いをすることも減っていくでしょう。

その部署のいいところを見付ける

「また来週も違う部署はイヤだな」と考えていると、ローテーション研修のいいところを理解する前に研修期間が終わってしまいます。また、どんどんローテーション研修に対してネガティブなイメージを持つようになるでしょう。

再度ローテーション研修がつらく挫折しそうと感じることを防ぐために、各部署のいいところを見付けるようにしましょう。いところを見付けようとすると自然とローテーション研修に前向きになることができますし、あなたの表情もよくなりますよ。

何をしても改善できないときは転職を考えよう

ローテーション研修がつらく、自分で何とかしようと思って努力をしても、状況が改善できないことがあります。また、先輩看護師の当たりがきつく、「もう看護師自体辞めてしまいたい」と考えている方もいるでしょう。

このような方の場合、ローテーション研修を取り入れていない病院への転職を検討してみてはいかがでしょうか。

ローテーション研修は多くのメリットがあるように考えられていますが、人によって合う・合わないがあります。

私が新人看護師の途中にほかの病院から転職をしてきた同期の新人看護師がいました。

中途半端な時期だと思ったのですが、転職の理由は「ローテーション研修で自分に自信がなくなってしまった」というものでした。私の勤務していた病院に転職した後は特に問題なく、楽しく看護師として働くことができていました。

「研修期間中に転職しづらい」と感じるかもしれませんが、今後も悩み続けるよりは転職をしたほうがいい場合もあります。上司や先輩看護師と相談してみてくださいね。

まとめ

ローテーション研修は多くのメリットがあるように感じますが、実際はデメリットもあります。そのため、ローテーション研修を受けることでつらく、看護師として挫折しそうになる方も多いです。

研修期間中ということもあり、だれに相談をすればいいのかわからず、一人で悩んでいる方も多いです。しかし、一人で悩んでいても何も解決しません。

ローテーション研修を担当している先輩看護師や指導者の先輩看護師に相談するようにしてくださいね。