循環器内科はいつも心電図モニターとにらめっこの毎日です。

患者さんの日常的な波形を確認することはもちろん、他の業務をしていた時間をさかのぼり、異常な波形がなかったかを確認します。波形をコピーし、眉間にシワをよせながら、先輩と相談する時間もあります。

新人の頃は、苦手意識が先行し、心電図モニターのアラームに過敏に反応する。アラームが鳴るたびに、とりあえず、患者さんのもとへ走ります。患者さんはただ動いていただけであったり、トイレに入っていたりするだけのことが多いんですが…。

それでも何かあってはと、きちんと読み取れる自信がないときは、とにかく患者さんをみて確認することになります。そのため、勤務後、自宅に戻ってもアラームの音が耳に残っていることもしばしばです。

しかしそれでも、それくらい心電図とは仲良くならなければならないのが循環器内科の仕事です。

また、心筋梗塞や心不全といった重症患者が多く、命に直結する疾患であるため、的確な点滴管理や迅速な状態観察も重要な仕事になります。

受け持つ患者さんの点滴満載、いつも頭はフル回転、医師との連携をとりながらの毎日。心電図モニターのアラーム音に耳を傾けながら、他の業務をこなしていきます。

高齢者の多いこの科の病棟。慢性化して何度も繰り返し入院してくる患者さんも多いです。

「ちょっと食べ過ぎたんじゃないですか?」とか「ちゃんと薬飲んでいました?」などと再入院してきた患者さんに質問しながら、入退院を繰り返す患者さんの生活に目を向けます。患者さんからは「久しぶり」なんて返ってきて、答える元気があることには安心するが、なぜ入院するまで悪くなったかなぁとこちらは苦笑い…

入院前に飲んでいた薬を確認すると残数バラバラでさらに苦笑い…。それでもおじいちゃん、おばあちゃんの優しい笑顔をみて、怒るに怒れず、ついついこちらも笑顔になってしまいます。

長く働くと、なじみの患者さんもおり、その人の特徴や生活傾向も分かるため、コミュニケーションが取りやすくもなります。

水分制限や食事制限はとてもシビアです。自分が実行できるかと言われるとなかなか「はい」とは言えません。それでも、自宅での生活を病気と付き合いながら続けられる方法を医師とも相談しながら、探していきます。

患者さんにももちろん、生活習慣の調査を行います。「いや、漬物はやめられない」と言われたら、塩分が多いからできれば食べないで頂きたいと思いつつも、「それじゃぁ、1日何切れまでね」と約束します。

頭ごなしに禁止すると、きっと、こっそり食べてしまうのが人間。うまく付き合っていかないといけません。そんな指導や生活調査も仕事の一つです。

短期間の入院の人もいれば、長期にわたる人もいます。高齢者は、入院中に廃用症候群でリハビリが必要になる人も多いです。

自宅での生活をどう過ごすかで、退院のゴールを決め、その状態に向け、目標を設定します。あくまで、生活スタイルにあったゴールを決めるため、治療終了が、退院となるわけではありません。

病気が自宅療養で可能な状態になっても、一人でトイレに行っていた人が、入院により歩けなくなったのでは、退院できません。そこは看護師が調整していく必要があります。

ソーシャルワーカーとの連携も必要な分野になってくるが、高齢者や長期療養者が多いこの病棟ならではの調整は、看護師が中心となって他職種と連携を取らなければ患者さんのゴールが見えにくくなってしまいます。

高齢者で介助の必要な患者さんの多いこの病棟。とにかく忙しいし、疾患も合併症を伴っていることもあり、理解が難しい。

しかし、病態理解を頑張れば、いろんな点がつながり、他の疾患の理解にもつながります。幅広く、看護師の知識も身につくし、なによりやりがいがうまれます。

患者さんとのやりとりの楽しさを知ることができれば、きっとずっと働き続けていける一番の病棟が見つかると思います。