看護師と言われると病院やクリニックなどに勤務する働き方をイメージする人も多いでしょう。しかし看護師の中には開業ナースと言って、自分で起業し独立して仕事をしているケースもあります。

開業ナースの働き方ですが、いくつかのパターンがあります。その中の一つに、訪問看護ステーションを開業して働くという手法があります。

今後ますます高齢化が進み、自宅療養する患者も増えますから需要は高止まりする可能性が十分あります。

訪問看護ステーションの開業に必要な条件とは?

看護師が訪問看護ステーションを開設するにあたって、特別に必要な資格はありません。

訪問看護ステーションの運営母体になる会社を設立して、訪問看護ステーション開業の指定取得を受けられれば、誰でも訪問看護事業をスタートできます。

訪問看護ステーションを開業するために、3つの基準をクリアする必要があります。

まずは人員基準で、看護師資格を持っている人が在籍していないといけません。しかし看護師が開業する以上、この条件はクリアできているでしょう。

2つ目の条件は、設備基準です。訪問看護を行うための設備が整っているかどうかです。

最後は、運営基準を満たしているかです。報告書や指示書が基準を満たしているか、安全な訪問看護を行うにあたって、利用者や主治医との連携がどうなっているかなどがチェックされます。

訪問看護ステーションを開設するための初期費用

訪問看護ステーションを立ち上げるにあたって、気になる項目としてどの程度の初期費用が掛かるかは無視できないでしょう。開業資金として、少なくても以下のようなものが必要になるでしょう。

会社の設立費用と事務所費、事務所に入れる事務用品をはじめとした備品です。こうしてみると莫大な費用が掛かりそうなイメージがあるかもしれません。

しかし、例えば家賃の安い事務所を借りるとか、備品も中古のもので済ませれば、100万円程度もあれば開業は可能です。

ただし開業すればお金が出ていかないわけではないです。むしろ開業した後の方がいろいろとお金も出ていきます。家賃やスタッフを雇うのであればその費用などの諸経費がかかります。

しかもいずれも毎月発生する経費ですから、少なくても開業を検討しているのであれば、300~400万円程度の資金は手元に残しておいた方が良いでしょう。

訪問看護ステーションの将来性

2014年に診療報酬の改定が行われたのですが、これは高齢者医療の将来を見据えた改革と言われています。日本の医療業界では、2025年問題というのがあります。

2025年になると75歳以上の高齢者が激増するからです。その問題に対処するために国が打ち出しているのが、在宅医療の強化です。

現在日本で訪問看護師として活躍している人は、およそ3万人と言われています。しかし2025年の高齢者急増時には、在宅医療サービスが対応していくためには10数万人さらに訪問看護師が必要になると見込まれています。

つまり、今後ますます訪問看護のニーズの高まっていくことが予想されます。

ということは訪問看護ステーション事業を営むことは、大きなビジネスチャンスをつかむことにつながるわけです。実際看護師の中には、自分で訪問看護ステーションを立ち上げて独立開業する準備をしているケースも少なくないといわれています。

もし高齢者医療や訪問看護に興味を持っている人がいれば、訪問看護ステーション立ち上げを本格的に検討してみる価値はあるでしょう。

訪問看護ステーションを開業したい看護師さんへ

訪問看護ステーションを立ち上げるのであれば、経営のノウハウなども勉強する必要があります。

訪問看護ステーション運営にあたって、関連法規も理解する必要も出てくるでしょうから、今まで看護師として仕事をしてきた人にとっては、全く違ったジャンルの勉強をする必要があります。

しかし、開業に関して無料相談や書類作成代行のようなサポートしてくれるところもあります。必要に応じてこのようなサービスを利用して、自分で訪問看護ステーションを開業してみるのも良いでしょう。