入院患者さんのみではなく、日常的に出血することは自分、他人ともにあり得ることです。

また、高齢者や循環器、脳血管、凝固因子の異常などの基礎疾患を持っている患者さんにおいては、抗凝固剤を使用した治療を行っている方もいて、その方の怪我や損傷による出血は、時に命に関わる事もあります。

また、事故や災害においても受傷し、その部位から出血する事もあり、看護師は、いずれにせよ正しい止血の知識を持って、出血する患者さんに対応する知識と技術を求められます。

出血の程度や範囲等により、その有効性や実践法が異なり、また、止血前の患者さんの状態観察、止血後の患者さんの状態観察と止血部位の観察により、正しき管理され理能力も必要です。

そして、止血出来た後の医師の指示に基づくケアや処置、流れについて理解できていれば、これから行われる処置を予測的に展開でき、より円滑なケアへと繋げることができます。

では、止血の介助について説明します。

「止血の介助」項目達成のためのポイント

止血の介助は、応急処置とその後の対処があります。

看護師は、出血している患者さんを発見した場合、自分ですぐに対処出来る処置か、複数人で対処しなければ命の危機にひんする状態かを鑑別し、その後の対応を迫られます。

もし、ショック状態、失血状態、意識混迷やレベル低下を来たしている場合は、協力要請、ドクターコール、点滴や補液などにより止血と同時に救命措置を講じなければなりません。

出血による症状

人間は、体内の血液は自分の体重の約7から8%を占めていると言われています。その20%が失われると、出血性ショックを呈すると言われています。

よって、体重60Kgの成人であれば約0.9リットルの出血でショック状態となります。そして、30%の出血で人は命を途絶えてしまうとも言われています。

出血により臓器や各組織に充分な血液供給がなされず、機能低下、機能障害を来たす状態です。

バイタルサインの確認、意識状態の確認、呼吸状態の確認を行います。顔色、末梢循環の状態、頸動脈怒張の有無、脈拍がどこまで触れるかなども合わせて確認します。

また、出血部位は静脈なのか、動脈なのかも大切な情報です。

・動脈出血:鮮紅色、脈拍に合わせて飛び出す出血が特徴です。

・静脈出血:暗赤色な事が多く、ジワリジワリとにじむように出血します。

止血法

・直接圧迫法

ガーゼやハンカチを直接患部にあてて、圧迫します。

看護師は、感染リスクが高い処置である為、手袋やエプロンを装着し、直接触れないよう対策します。

・間接圧迫法

傷口を直接圧迫しながら、もう片方の手で心臓に近い動脈を骨に向かって圧迫し、血液の流れを止めます。

・緊縛法

大量出血や動脈出血の際に行い、直接圧迫法や関節圧迫法で対処できなかった出血に行います。

この方法は、正常血管の異常や神経損傷を来たすリスクがあり、正しい理解が必要です。

傷口より心臓に近いほうの動脈を止血帯で縛ります。

幅が小さいと神経損傷や組織へのダメージが強かったり、上手く止血出来ない事もある為、幅3cm以上の止血帯を使用します。

しけt開始より、1時間以上の緊縛は、細胞や筋肉の壊死を齎す為、回復が不可逆的になり、その後の回復に支障が生じる為、30分から1時間を目途とします。

そして、一度緊縛を解除し、血流を再開させ、必要であれば再度1時間以内で行います。

この時、心臓より患部を高くしておくとその効果が高まります。

循環銅や胃や筋肉の損傷を確認するために、四肢や指であれば、グー・パーをして貰ったり、しびれの有無、末梢のチアノーゼの回復状態、冷感の回復度合いを観察します。

まとめ

止血の介助について理解できたでしょうか。

正しい理解が無ければ、患者さんの機能や組織障害を与えかねない処置でもあります。

全身状態の観察に合わせて、末梢や組織への観察により、その機能が回復出来る止血介助知識が必要です。

また、ショック状態や意識低下を来たした出血例では、止血以外のも同時進行で行われる処置やケア、縫合などの処置の必要性も理解し、今後行われるであろう処置の理解をもとに、トータルケアが出来る看護師になることが求められます。