患者さんに薬を準備する時や、与薬する時に「ひやり」「はっと」したことはありませんか。

別の患者さんの薬剤であった、違う時間の時間指定薬であった、一錠が二錠準備してあるなどというケースがあります。

どの薬でも患者さんに効果と副作用があり、誤薬は患者さんに悪影響をもたらすこととなります。

どのように誤薬を回避するかというと、まずはマニュアルの順守ではないでしょうか。

そして、慣れてくる頃に起こる気の緩みや「大丈夫であろう」との甘い認識を持たないと言う事です。

自分の所属している病院や病棟では、誤薬を回避するためのマニュアルはありますか。

そして、それを徹底できていますか。

命に関わる与薬操作をミスなく行う為の方法を再度、見直しましょう。

「誤薬防止(手順を守った与薬)」項目達成のためのポイント

我々看護師も人間です。

ミスをすることがありますし、間違いも起こします。

この認識があれば、確認作業やチェック体制の強化によりミスを回避する対策が出来るでしょう。

大丈夫、確認したはず、○○さんがチェックしていたとの認識が誤薬を齎すきっかけです。

自分の目で、何度も確認を繰り返すことが間違いを無くす最も近い道ではないでしょうか。

また、ヒヤリハットや医療事故のなかで最も多いと言われているのが与薬とも言われています。

薬に関する起こりやすい事故

・処方と調剤分野

最近の医療現場では、薬剤に関する処方や調剤はオーダリングシステムによる電子カルテの操作が増えています。

医師がパソコン上で指示を出し、薬剤部に情報が行き、準備され病棟看護師が与薬することが多いです。

よって、医師のオーダーミス、薬剤師のオーダー変更の確認ミス、看護師のチェック体制の甘さなど、どの部分でも事故になりえる要因があります。

しかし、その薬剤を最終的に与薬するのは看護師ですから、ミスに気付き対処できなければ、看護師自身の責任となるのです。

医師のオーダー方法として、あいうえお順にならんだ薬剤名から選択してオーダーをするシステムがあり、その上下に似た薬剤名があり、一つのクリックミスで全く異なる薬剤が届くことがあります。

そのような時にも、看護師は、○○疾患で入院する患者さんなのに、何故この薬品が必要なのかなどと考え、おかしいと気付けなければなりません。

調剤中のオーダー変更もあり得ます。

よって、最新情報の薬剤が届いているかも確認しなければなりません。

・与薬分野

内服薬、静脈注射、筋肉注射、希釈薬品など、与薬経路や方法に決まりがある薬剤があります。

また、同じ作用でもその効果の発現時間を狙い、内服薬にしたり注射薬にしたり流動的になることもあります。

よって、薬剤の名前、投与経路、投与法や速度の薬剤規定を知っておくことが必要です。

ここでのミスは、過剰投与や与薬頻度の間違い、与薬薬剤の間違いがあります。

内服薬であれば似たシートやアンプルであれば薬品の色など、似ているがために間違う事もあります。

準備してある薬剤を投与前にもう一度確認する事が大切です。

与薬の6R

正しい患者:その患者さんは、その薬剤を必要としていますか、その薬剤でその患者さんは楽になったり、回復する要素はありますか。

正しい薬剤:その患者さんの疾患や症状に適した薬剤ですか、名前が似ている違う薬剤ということはありませんか。

正しい目的:なぜ、その薬が必要ですか、患者さんに使用される目的を明らかにしましょう。

正しい用量:その薬品のmg、ml、投与回数は違いありませんか、正しい量を正しい回数で商法されていますか。

正しい経路:注射薬ですか、内服薬ですか、注射薬であれば皮下、筋肉、静脈、点滴などその経路に違いはありませんか。

正しい時間:内服薬は食前、食間、食後、時間薬があります、注射薬は一日中、時間薬、定期薬など定めがあります。

※間違わない方法として、ダブルチェックやトリプルチェックを行います。

一人の目で確認するよりは、複数の目で確認し、与薬するまでに何人もが調剤や準備、与薬に関わるようにしましょう。

また、与薬前には患者さんの確認を行います。

リストバンドでの確認、名前を名乗ってもらう事が間違いを最も少なくする方法です。

意識のある方、意識があっても認知力低下のある方、意識障害のある方等、その人にあった確認方法でチェックしましょう。

まとめ

薬の取り扱いには緊張感が必要です。

もしかしたら違うかもしれないとの認識で確認を行いましょう。

そして、間違いがあれば、いつの段階でどうして間違ったのかを検討しましょう。

それが、次に同じミスを起こさない対策に繋がります。

間違った人をとがめるのではなく、もう一度みんなの意識を引きしめる為に、身のなる話し合いと検討により誤薬を無くしましょう。