自分の病棟に、除細動機がありますか?

どこにありますか?何台ありますか?

私が救命病棟にいた時は、それが言えることが看護師としての第一歩と教わったことがあります。

救命病棟以外でも、患者さんが急変を起こすことがあります。

検査に行く道中、ケアの際、特に何も処置のない時間でも患者さんの急変は起こりうる問題です。

その咄嗟の状況で、除細動機を準備し、AEDであれば施行、DCであれば医師の施行が出来るよう準備しなければなりません。

除細動機の準備と必要性の把握をして、患者さんの万一に備えられる知識を身につけましょう。

「除細動器の準備と必要性の把握」項目達成のためのポイント

除細動の使用は、心房や心室の不整な電気信号により、リズムの不整、頻拍、徐脈等を引き起こし、循環動態不全、心停止を来たした場合、異常な電気信号を是正するために用いられます。

看護師は、AEDの活用は一般市民同様に行えますが、電気ショックは医師が行うようになります。

よって、その機器類がどこにあるか、必要時いつでも取り出せるよう準備、点検する事を業務とします。

そして、患者さんの急変時、AEDを活用して命を救う行動も求められます。

基礎知識

電気ショックの放電には、疾患や病態によりその程度、設定が異なります。

心房細動:100から200ジュールで放電します。

心房粗動:50ジュールから放電し始め、回復しなければ徐々にジュール数を上げます。

心室細動や、心室粗動、心室頻拍手には、単相性で200から260ジュール、二相性で120から360ジュールを用います。

除細動器には、心臓のR波を読み取る装置が付いており、QRS波が【売っている患者さんでは、このモードのスイッチを付けていることが必要です。

R波同期装置と言い、心拍のQRS波に同調し、電気信号をし礼氏、そのQRS波直後に電気刺激を与えます。

よって、QRS波同期スイッチが付いているかを確認してから使用する事が必要です。

心房細動や心房粗動の際に、動悸をしていないと、QRS波を感知しないままにショックを与え、その後、心室頻拍やRonTに以降、心室性期外収縮を誘発する危険性があります。

また、心室細動や心室粗動では、QRS波を失っている為、同期装置は必要ありません。

除細動の適応

心房細動:心房の電気信号が不整で、P波を無くす。

心室細動:電気信号が、心室のいたるところから発生し、不規則に自由に拍手つしている状態。

T波の確認と、QRS波の確認ができない状態。

心房粗動:心房の筋肉の収縮が規則的に一分間に250回以上動いている状態。

鋸様波計を呈する。

心室粗動:大きく幅広い変形した波が現れ、拍出も不規則かつ自由な状態。

心室頻拍:心室の異常興奮により、回数が増大し、幅広く変形したQRS波が連続して起こる。

パドル装着部位

・右の電極:第二、第三肋骨胸骨の右縁

・左の電極:第五肋間左駅か線上、乳頭の外側

使用方法

患者さんの義歯、眼鏡、時計、ネックレスなどの装飾品を外します。

これは、貴金属にて通電が阻害される事を予防するためです。

そして、貴金属に流れた電流で患者さんが熱傷や怪我をする場合がある為に必要な行為です。

また、義歯を付けていると、電気ショックにより義歯が口腔内に落ち込んだり、誤嚥、窒息の危険もある為です。

・薬剤のパッチ類、火器を発する危険性がある酸素療法機器を取り外します。

・パドルを使用する際に胸毛が多いと、通電を阻害する恐れがある為、濃い胸毛はそります。

・また、水分は電気を通す為、そのエネルギーが分散される恐れがあるため、体表面の水分はふき取ります。

・パドルの装着をします。

・除細動器の電源を入れ、通電設定します。

・スイッチを入れるのは、医師で看護師は介助をしますが、人工呼吸器装着中や酸素療法中の患者さんは直前までその蛇管を付けている為、医師の掛け声にしたがってそれを外します。

・不整脈解消されれば、医師の指示に従い治療開始ですが、不整脈や心拍再開ならない場合は、医師の指示によりジュール数を上げたり、そのままのジュールを再度施行します。

その準備の間や充電期間中は、胸部圧迫法を行ったり医師の指示に従い施行します。

AEDが準備でき、医師が到着していない場合は、看護師の判断でAEDを使用し、医師の到着を待ちます。

・施行後、皮膚を保護するために、訪円した部分を保護クリームでスキンケアします。

まとめ

いまではAEDの普及により、医療機関の各所にAED装置が準備されています。

看護師として、患者さんの急変に対応できるよう、AEDがどこに置いてあるか、自分の所属する医療機関の設置場所を熟知しておくことが大切です。

いつ起こるかわからない患者さんの急変に対応すべく、一時救命処置、救急応援協力の方法と併せて知っておきたいのが除細動の知識です。